ずっとニコニコしていて誰にでも優しいのが揺るがないから不気味｜TVアニメ『逃げ上手の若君』連載第4回：足利尊氏役・小西克幸さんインタビュー

　

「逃げる」がネガティブに聞こえるのは、受け取り側のイメージ

――小西さんがデビューした頃も、そういう1000本ノックを受けていましたか？

小西：最初にレギュラーが決まった作品で、一言だけのセリフだったのですが、めちゃくちゃリテイクしたことがありました。あれは、たぶんアフレコのやり方や考え方、向き合い方、声を作るというのはどういうことなのかを教えてくれていたんだと思います。

――なるほど。今後、まだデビュー間もない方がアフレコで何度も録り直すことがあったとしても、落ち込む必要はない。

小西：落ち込む必要はない、というか落ち込んでいる暇なんてないですよ。落ち込んだところで何かが生まれる訳でもないですし、やらなきゃいけないことはいっぱいあるんだから。先ほども言いましたが、何がダメだったのか考えるほうが大事なのかなと。0からいきなり100にするのなんて無理ですから。ちょっとずつ段階を踏んでいけばいいと思います。

　

　

――最初から100を出せることは、なかなかない。

小西：もちろん、たまにそういう子もいますが、いずれにせよ努力や苦労はしたほうがいいと思います。

――冒頭のお話のなかにあったように、本作は「逃げる」という言葉がキーワードです。小西さんは「逃げる」にどういう印象をお持ちでしたか？

小西：マイナスなイメージはあまりないです。だって、本作のように逃げて生き残ればもう一度挑戦ができるじゃないですか。

それに、無理してやって成功すればいいですけれど、頑張り過ぎて失敗して、心を壊しちゃったら意味がないですし。「逃げる」というのは「戦略的撤退」ですよね。本当に嫌なら、そこから離れちゃえばいいと思います。そもそも「逃げる」がネガティブに聞こえるのは、受け取り側のイメージなんじゃないかな。

　

　

――確かにそうかもしれません。決して攻めるだけが最良の手段ではないですし。

小西：僕はそうだと思います。僕たちの仕事で逃げたら役を降ろされちゃいますが、仕事が嫌になって別の道に進んだら成功するなんてこともあるでしょうし。どうしても無理だったら逃げればいいじゃんって思っちゃいます。「逃げる」のが悪いことという印象は、あまりないですね。

――「逃げる」についての考え方をお聞かせいただき、ありがとうございました！　本作は歴史を題材にした作品です。小西さんは歴史の勉強は得意でしたか？

小西：歴史物の漫画はたくさん読んできましたが、特に歴史の勉強が得意だった、好きだったということはなかったです。大人になってこういう仕事をするようになってから「ちゃんとやっておけばよかったな」と思うことはありますね。史実を知っておけば肉付けできることもあるでしょうから。

一方で「やらなくてよかったな」と思うことも多々あって。というのも、史実に引っ張られ過ぎてしまうと、作品やそのキャラクターにはそぐわなくなることもあり得ると思うので。知らなくてよかったと感じることもあるので、そういう知識を入れて演じるかどうかは、難しいところですね。

　

　

――本日は色々なお話ありがとうございました。最後に、小西さんが思う本作の推しポイントを語っていただければと思います！

小西：『逃げ上手の若君』というタイトルにもある通り、本作は「逃げる」がキーワードです。本作における「逃げる」がどういうものなのか、逃げた先に何が待っているのかを見ていただければと思います。

その「逃げる」主人公・時行は、諏訪頼重や同世代くらいの子たちをはじめ、どんどん仲間が増えていきます。周りに自然と人が集まってくる彼にも、きっと何かしらのカリスマ性があるんでしょうね。尊氏とは違う時行の魅力を、物語を通じて感じ取っていただければと思います。

あと、個人的には頼重のペテン師ぶりも好きでして（笑）。頼重のあのペテンとも思える言動が、本作の面白さのひとつでもあると感じています。

　
［文・M.TOKU］

作品概要

◆放送情報
2024 年 7 月 6 日より毎週土曜日 23:30~TOKYO MX・BS11 ほかにて放送開始!

【放送局】
TOKYO MX 7 月 6 日(土)より 毎週土曜 23:30~
とちぎテレビ 7 月 6 日(土)より 毎週土曜 23:30~
群馬テレビ 7 月 6 日(土)より 毎週土曜 23:30~
BS11 7 月 6 日(土)より 毎週土曜 23:30~
MBS 7 月 6 日(土)より 毎週土曜 26:08~
RKB 毎日放送 7 月 9 日(火)より 毎週火曜 25:58~
長崎文化放送 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 25:18~
宮崎放送 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 25:26~
愛媛朝日テレビ 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 25:50~
HTB 北海道テレビ 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 25:55~
テレビ新潟 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 25:59~
中京テレビ 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 25:59~
北陸放送 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 26:00~
静岡放送 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 26:15~
大分放送 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 26:25~
IBC 岩手放送 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 26:28~
テレビユー福島 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 24:59~
鹿児島放送 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 25:20~
琉球朝日放送 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 25:20~
さくらんぼテレビ 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 25:25~
東日本放送 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 25:31~
信越放送 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 25:42~
秋田朝日放送 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 25:50~
青森放送 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 25:54~
RSK 山陽放送 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 25:55~
広島テレビ 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 25:59~
テレビ山口 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 26:00~
チューリップテレビ 7 月 12 日(金)より 毎週金曜 25:53~
熊本放送 7 月 12 日(金)より 毎週金曜 25:53~
テレビ山梨 7 月 12 日(金)より 毎週金曜 26:55~
アニマックス 7/27(土) 毎週土曜 20:30~
リピート：7/28(日) 毎週日曜 9:30~

【配信】
▼7 ⽉ 6 ⽇(⼟) 24:00〜 毎週⼟曜⽇ 24:00〜
Prime Video

▼7 ⽉ 9 ⽇(⽕) 12:00〜 毎週⽕曜⽇ 12:00〜
d アニメストア/d アニメストア/FOD/ABEMA/U-NEXT/アニメ放題/バンダイチャンネル/Hulu/Lemino/Netflix/TELASA
（⾒放題プラン）/J:COM STREAM（⾒放題）/au スマートパスプレミアム/milplus ⾒放題パックプライム/DMM
TV/WOWOW オンデマンド/アニメタイムズ/Disney+/
※配信⽇時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承下さい。

◆スタッフ
原作 : 松井優征(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
監督 : 山﨑雄太
シリーズ構成 : 冨田頼子
キャラクターデザイン・総作画監督: 西谷泰史
副監督 : 川上雄介
プロップデザイン : よごいぬ
サブキャラクターデザイン : 高橋沙妃
色彩設計 : 中島和子
美術監督 : 小島あゆみ
美術設定 : taracod/takao
建築考証 : 鴎 利一
タイポグラフィ : 濱 祐斗
特殊効果 : 入佐芽詠美
撮影監督 : 佐久間悠也
CG ディレクター : 有沢包三/宮地克明
編集 : 平木大輔
音響監督 : 藤田亜紀子
音楽 : GEMBI/立山秋航
音響効果 : 三井友和
制作 : CloverWorks

◆キャスト
北条時行 : 結川あさき
雫 : 矢野妃菜喜
弧次郎 : 日野まり
亜也子 : 鈴代紗弓
風間玄蕃 : 悠木 碧
吹雪 : 戸谷菊之介
諏訪頼重 : 中村悠一
足利高氏 : 小西克幸

◆イントロダクション
少年は逃げて英雄となる―――
鎌倉幕府滅亡から始まる一人の少年の物語
『魔人探偵脳噛ネウロ』『暗殺教室』の松井優征が描く、「週刊少年ジャンプ」で大人気連載中の歴史スペクタクル漫画がついにアニメ化!

鎌倉幕府滅亡の後、北条家の生き残り・北条時行が動乱の世を駆け抜ける!アニメーション制作は『ぼっち・ざ・ろっく!』などを手掛ける「CloverWorks」が担当、監督は『ワンダーエッグ・プライオリティ』で副監督を務めた山﨑雄太、シリーズ構成に『その着せ替え人形は恋をする』の冨田頼子、キャラクターデザインに『劇場版ポケットモンスター ココ』で総作画監督を務めた西谷泰史など奇才たちが集結し、美麗かつ迫力の映像で歴史の一片を紡ぐ!

◆プロローグ
時は西暦 1333 年、武士による日本統治の礎を築いた鎌倉幕府は、信頼していた幕臣・足利高氏の謀反によって滅亡する。
全てを失い、絶望の淵へと叩き落とされた幕府の正統後継者・北条時行は、神を名乗る神官・諏訪頼重の手引きで燃え落ちる
鎌倉を脱出するのだった......。逃げ落ちてたどり着いた諏訪の地で、信頼できる仲間と出会い、鎌倉奪還の力を蓄えていく時行。
時代が移ろう大きなうねりを、「戦って」「死ぬ」武士の生き様とは反対に「逃げて」「生きる」ことで乗り越えていく。
英雄ひしめく乱世で繰り広げられる、時行の天下を取り戻す鬼ごっこの行方は――。

◆WEB
公式サイト：https://nigewaka.run
公式 X ：@nigewaka_anime (推奨ハッシュタグ：#逃げ若)

◆原作情報
既刊1~16 巻 発売中(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)