『怪盗グルーのミニオン超変身』日本語吹替版 マキシム・ル・マル役・片岡愛之助さんインタビュー|アニメーションと歌舞伎に宿る「誇張」という共通点。人生経験と場数が導く、愛之助さん流の“超変身”とは?
最大のライバルは自分自身!?
ーー愛之助さんは、アニメ・ゲームなどで悪役を演じられることも多いですよね。
愛之助:そうなんですよ。個人的にも悪役が大好きなんです。そう言っていたら、悪役ばかり来るようになりました(笑)。
ーー(笑)。
愛之助:もちろん正義の味方も好きなんですけど、悪役は普段できないことに対して、罪悪感を覚えないというか。「これをやっても大丈夫かな?」という心の揺れがなく、「やってしまえ!」という感じ。そういうところが面白いですね。加えて、悪役が輝いていないと、主人公が素敵に見えないと思うんです。だからこそ、常に全力で頑張らないといけないなと。
ーーちなみに、片岡さん自身がマキシムのようなライバル心を抱くことはあるのでしょうか?
愛之助:あまり人と比べないタイプなんですけど、強いて言うなら自分自身です。常に自分との戦いだと思っています。
ーーある意味では一番の強敵ですね。
愛之助:楽をしようと思えば幾らでもできるので、限りなく難しいです。僕らの場合は役と向き合う必要もあって、突き詰めて行こうと思えば、どこまでも突き詰められます。この仕事の醍醐味でもありますね。
ーーそういった考え方は、いつ頃出来上がったのでしょうか?
愛之助:最初の頃は、「教わったことをしっかりやろう」という気持ちの方が強かったです。歌舞伎は先輩から教わる場面が特に多いのですが、最初からすごく難しいことを言われます。この役はこういう想いでセリフを言っているとか。その時は理解できなくても、とりあえずメモして。ただ、この世界では2年後、10年後に同じ役を再び演じることがあるんです。
先程の話にも繋がりますが、その年齢になった自分がセリフに感じる想いは変わってきます。「こういう想いだったのか」と気づく瞬間を繰り返していくうちに、自分自身の考え方も徐々に変わっていきました。簡単に言えば、人生経験と場数です。
ーー愛之助さんの”超変身“は、人生経験と場数のうえにあったのですね。
愛之助:現実ではそれしかないと思います。できるなら、僕もいきなり”超変身“したいです(笑)。
ーー(笑)。ただ、急に大きな力を手にすると、メガミニオンのように上手く扱えないかもしれません。
愛之助:そういうことなんですよ! すごい能力を持て余してしまって、応用が効かないと思います。
ーー多岐に渡るお話をありがとうございます。最後に、映画を楽しみにしている読者に向けて、一言いただけますでしょうか。
愛之助:『怪盗グルー』としては7年ぶりで、夏休み中のお子さんにも観せてあげてほしいですし、ぜひ家族のイベントとしてこの作品を楽しんでいただきたいなと。2D、3D、4Dなど、色々なフォーマットがあるので、何度でも楽しめるはずです。それから、パンフレットも本当に豪華なんですよ。この夏も沢山の映画が公開されていて、個人的にも色々と気になっていますが、まずは今作を観ていただきたいです!
[インタビュー・撮影/小川いなり]
『怪盗グルーのミニオン超変身』作品情報
あらすじ
どうやらマキシムはグルーに相当な恨みがある様子!?
グルーと妻のルーシーと、マーゴ、イディス、アグネスの三姉妹、そして新たに誕生したグルーJr.を加えたグルーファミリーは、復讐を誓うマキシムに命を狙われる羽目になってしまう!
新たな町に引っ越し、正体がバレないよう名前も身分も変えて生活していくことになったグルーファミリーだが、そこにグルーの正体を知るという悪党を夢みる少女・ポピーが急接近してくる...。
そんなグルーの危機に立ち上がったのは...!?
キャスト
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