『ツイスターズ』日本語吹替版 ケイト役・小芝風花さん×タイラー役・津田健次郎さんインタビュー|ケイトとタイラーの対照的なキャラクター像。誰かのお芝居に寄り添って演じる、吹き替えならではの難しさと面白さ
2024年8月1日(木)より、「巨大竜巻モンスターVS人類」の熾烈な戦いを描く映画『ツイスターズ』が公開中です。
竜巻にトラウマを抱える気象学者のケイトは、学生時代からの友人・ハビからの懸命な依頼で、巨大竜巻が群れをなして異常発生しているオクラホマへ帰郷。そこで彼女は、自称“竜巻カウボーイ”の竜巻チェイサー・タイラーと出会い、命を懸けた“竜巻モンスター”との戦いに挑むことになります。
そんなケイトとタイラーの日本語吹替を務めるのは、小芝風花さんと津田健次郎さんのおふたり。本稿では、本作の魅力からお互いが演じるキャラクターの印象、吹替のお仕事に感じる面白さや難しさなどを語っていただきました。
『ツイスターズ』は劇場でこそ真価を発揮する作品
ーー本作は、恐怖心を煽るだけではなく、困難に立ち向かっていく勇敢さが描かれていて、元気をもらえるような作品ですよね。
タイラー役・津田健次郎さん(以下、津田):エンターテイメントの楽しさに溢れた場面とともに、しっかりとした人間ドラマが描かれています。現代的な描写や風刺も効いていて、非常に多面的で面白い作品だと思いました。
ケイト役・小芝風花さん(以下、小芝):私は4DXで鑑賞させていただいたんですけど、アトラクション感が更に増して、とても迫力がありました。ワクワクするような音楽もそうですし、色々な要素が詰まっているので、全身で体感する作品というか。「本当に自分が竜巻と対峙しているんじゃないか?」と思うくらい、映画の中に入り込んだ感覚になれたんです。
津田:「この映画を映画館で観ないでどうするの?」と思いますよね。大きなスクリーンと迫力のある音響に値する、これ以上ないほど4DX向きの作品です。あとは、色々なものを吹き飛ばしていく竜巻を見ることで、夏が少し涼しくなるかもしれません(笑)。
ーー(笑)。おふたりが声を担当されているケイトとタイラーの人物像についてもお聞かせいただけますか。
小芝:ケイトは、巨大竜巻に向かっていくヒーローですが、恐怖心も持ち合わせているんです。勇ましさと格好良さだけでなく、その目には竜巻に対する恐怖がしっかりと宿っていて、だからこそすごく引き込まれるなと。
津田:序盤のタイラーは、かなり“嫌なヤツ”です(笑)。タイラーを演じているグレン・パウエルさんは本当に嫌な感じのお芝居が上手なんですよ。『トップガン マーヴェリック』の時もそうだったんですけど、途中からキャラクターの印象がガラッと変わるので、ギャップを作るのが本当に上手いなと。ケイトとの距離が近づくにつれて、彼の本質が見えてくるのはとても素敵でした。
小芝:最初はタンブラーやTシャツを売って、お金儲けしているように見えたタイラーですが、実は「人助けをしたい」という想いがある人なんです。ケイトも恐怖との向き合い方や「怖いものを乗りこなしていく」という考え方をタイラーから学んで、沢山の力を貰っていたんじゃないでしょうか。
津田:ケイトとタイラーは、竜巻のことを恐怖の対象として深く理解している一方で、幼い頃から強く惹かれていて、どこか美しいものだと捉えています。ケイトが一生懸命写真を撮っているシーンを見て、本当に竜巻が好きなんだなと。ただ単に「竜巻モンスターと戦う」だけじゃない側面というか、面白い観点がしっかり入っていて、そこに映画としての奥深さを感じました。
ーータイラーは人生の全てを竜巻に捧げていて、一途に貫く姿勢がすごく格好良かったです。
津田:パワフルですよね。途中までは竜巻をアトラクションのように扱っていて、あのイカれた感じもタイラーの魅力だと思います。カウボーイみたいに「ハァッー!」って(笑)。
小芝:(笑)。タイラーは怖いもの知らずですけど、好きな人に対しては一生懸命なところもあります。ケイトにピザを持っていくシーンでは、すぐにドアを閉められたにもかかわらず、ずっと待って居るんですよ。
ワンちゃんっぽいというか、そういう「好きな人には弱いんだな」と思えるところが好きでしたね。女性に対して余裕がありそうなのに、実はすごくピュアなのかなって。津田さんの声で聞くと、そのギャップが更に可愛らしく感じられました。