この記事をかいた人
- 万木サエ
- 旅行、グルメ、テーマパーク系のライターを経て、アニメのジャンルへ出向。ネコとハワイと『バクテン‼︎』が大好き☆
キヅナツキ先生が描くロックバンドのメンバーたちを中心とする青春群像劇『ギヴン』。新書館『シェリプラス』にて2013年~2023年5月号まで連載、現在は高校時代から10年後を描いたストーリー『ギヴン 10th mix』が連載中です。
『ギヴン』は、至高のBL作品としてファンも多く、2024年は本編最後のストーリーが2部作で映画公開となり、話題の尽きない年になっています。9月20日から公開される最終章『映画 ギヴン 海へ』の公開を記念して、主要な登場人物のプロフィールや性格、注目シーンなどをまとめてご紹介します。
※本稿にはネタバレが含まれます。
バンド「ギヴン」のベース
(ベースはフジゲンのネオクラシックシリーズ ジャズベース)
誕生日:7月13日(22歳・大学院生)
星座:蟹座
血液型:0型
身長:178cm
家族構成は父・母・姉二人。バンド内ではみんなの兄的な存在ですが、意外にも家では末っ子ポジション。
「ギヴン」で活動を始めてからはSNSを運用したりライブにエントリーしたりと、細かな仕事も一手に引き受けてしまうお人好し。とは言え最年長でリーダー。ライブ直前に真冬と立夏が言い合いになった時には、穏やかにかつ冷静に場を治め、2人が前に進めるように背中を押すシーンもありました。どんな時でも頼れる存在です。
元々組んでいたボーカルが蒸発しバンド活動が危うくなっていた頃、バンドメンバーと揉めていた立夏と出会います。「俺ならもう少し気持ちよく走らせてやるのになぁ」とメンバーに恵まれずにいた立夏を勿体無いと感じていました。
ベースの自分の他にドラムがいればバンドに誘えるのにと思っていた時、たまたま隣の席で同じ講義を受けていた秋彦がスネアを持っていたのです。勇気を振りしぼり声をかけた春樹。そこから立夏と秋彦と3人で「ギヴン」の前身となる「the Seasons」というバンドを組むことに。春樹にとってはまさに奇跡でした。
そしてメンバーに真冬が加わり「ギヴン」を結成。圧倒的に声がいい真冬と、オリジナル曲で勝負できる立夏は天才肌。秋彦は秀才で何でもできるけど器用貧乏タイプ。そんな中で自分は凡人という春樹。けれど秋彦は誰からも求められる“調停者”だと言います。
二年ほど前に大学で秋彦を見かけた春樹は、目が合った瞬間に体が震えます。まさに一目惚れでした。そして秋彦を好きになってからずっと髪を伸ばし続けます。願掛けのようにと言う春樹ですが、髪を触るのが好きだったり変わった髪型をすると可愛いと褒めたり、そんな秋彦とのやり取りを失いたくなかったのかもしれません。
秋彦のことを一方的に好きでいるだけでいいと思っていたはずなのに、ライブで真冬の歌を聴き「さみしい」という感情に共鳴したのか、片思いをさみしいと思うようになった春樹。秋彦と一緒にやるバンドは楽しい。でもそれ以上に苦しいと感じてしまうのでした。
春樹が元カノのバンドのサポートに誘われ後ろめたさを感じていた頃、同居人の雨月と揉めて泊まるところがなくなった秋彦が春樹を頼って訪ねてきます。何か隠し事をしていると気づいた秋彦に問い詰められサポートの話を打ち明けると、苛立った秋彦が体の関係に持ち込みます。
こんな風に触れ合うことを望んでいないのに、体が動かず流されてしまう春樹。一方自分から仕掛けたのに辛そうな顔をする秋彦。そんな秋彦を見て「なんでもしてあげる」と言葉をかけた春樹でしたが、「おまえに言ってもどうにもならない」と返されるのです。その時の秋彦は雨月への想いで苦しんでいたのでした。
秋彦を家に泊め、自分は友達の家に行くと言って出ていく春樹。そしてタケちゃんに頼み、大切に伸ばしていた髪をばっさり切ってしまいます。髪を切ることで秋彦への長年の想いを断ち切ろうとするのです。
秋彦にフラれ調子を落とす春樹。音楽も音楽以外も自分だけ必死で、みじめだと卑屈になってしまいます。「自分はバンドに必要ない」と思わず口にする春樹に「誰かが天才を支えなきゃならないし、お前必要だって俺結構ずっと言ってるよな!?」と言う秋彦。秋彦の言葉は春樹の胸にすとんと落ち、湧き上がっていた息苦しさや疎外感が消えていくのです。
秋彦によってどん底に落とされたはずなのに秋彦によって引っ張り上げられ、そのまま秋彦との同居生活をすることに。一緒に生活する中で知らなかった部分を見た春樹は、結局秋彦のことを嫌いになれずにいるのでした。
カウントダウンフェスのオーディションを終えたあと春樹の家を出た秋彦は、バンド練習には誰よりも早く参加したり、大学で姿を見ることが多くなったり。彼の中で何かが変わったのは明らかでした。秋彦を変えたのは「誰」なのか……。
春樹は気づいていました。ライブ審査の日に雨月が来ていたこと、ライブ後に秋彦が雨月を追いかけていったこと、そして秋彦が「誰」を好きだったかを――。ある日真冬に秋彦が出場するコンクールに連れられヴァイオリンに打ち込む姿を見た春樹は、「誰」かと秋彦の“今”を想像し演奏を聞いていられなくなってしまい……。会場から逃げ出すように出てきてしまいます。
コンクールを終え春樹を探しにやってきた秋彦は、突然雨月とは別れたと告げます。動揺する春樹……。秋彦が生き方を変えたのは、まぎれもなく「春樹」だったのです。
好きな人と一緒にいられるのは嬉しくもありますが、その分辛く苦しい。春樹の恋からはそんな片思いの切なさが痛いほど伝わってきます。
春樹は優しくて愛情深い人。自分がしんどい時でも好きな人が辛そうにしていると何かしてあげたいと思ってしまったり、突き放すことができずに傍に置いてしまったり。そして春樹の愛情は、真冬たちに対してもちゃんと向けられています。
「ギヴン」にデビューの話しが舞い込みレコード会社の人と話すシーンでは、決断できずにいる真冬のことを「ちゃんと待ちたい」という春樹。真冬のことを理解していて、信頼していて、そしてこの先も一緒に活動したいと思っていることが、とても心に刺さりました。春樹のような人が身近にいたら、秋彦でなくても甘えてしまいますね。
アニメイトタイムズのお仕事のほか、旅行、グルメ、ウェディング、テーマパーク系のライターをしています。 旅行に行けなくなって、漫画やアニメにハマリ、今はもっといろんなジャンルを知るべく武者修行中! スポコンアニメを見て、一緒に泣いたり熱くなったりするのが最近のストレス発散方法。 ネコとハワイと『バクテン‼︎』が大好き☆