山下大輝さんの約1年ぶりの新曲「プラシー」は温かな気持ちを掘り起こす一曲――ぬいぐるみの立場になって考えてみたら、寂しいんじゃないかなと思ったんです。【インタビュー】
好きなものと得意なことを詰め込んだ一曲
――山下さんご自身が読んでいてさらにグッとくるなと感じたり、印象的だったフレーズを教えてください。
山下:Dメロの<今 光が 生まれたんだ>という部分ですね。(MVは)始まり方から終わり方まで、明確な起承転結のイメージをお伝えしていましたが、ササノさんは<今 光が 生まれたんだ>という書き方をしてくださったんだなと。ササノさんのテイストが乗っていて感情がブワッと動きました。
そして、その次の落ちサビ、大サビに繋がっていく部分も「お!」ってなりました。僕が伝えたことに対してのアンサーが僕の予想していなかったフレーバーを纏いながら返ってきて、とても嬉しくなったんです。ササノさんにしかできない変化を見せていただけたというか、成長して帰ってきた子供みたいな感覚です(笑)。
個人的にも、ここからの落ちサビの部分は一番声が聴こえるところでもあるので、意識的に小さい頃に戻ったかのように歌っています。
――そうだったんですね。あとは曲を聴いた際に、山下さんがディズニー作品がお好きであることがよぎりました。『トイ・ストーリー』の世界観に通ずるものもあるのかなと。
山下:その通りです! この楽曲は『トイ・ストーリー』のような世界観をモチーフにしていて大好きな作品なんです。
――大好きだから、『トイ・ストーリー』の要素を少し取り入れてみようと思ったんですね。
山下:そうですね。やっぱり僕の職業は「声優」なので、歌っている時も物語に没頭しちゃうんです。だからこそ、こういった何かに扮する曲は僕の中で非常に得意なジャンルで、自分で言うのは変かもしれませんが、キャラクターソングも得意な方だと思います(笑)。
だから自分が好きな要素と強みを活かした曲を作ると、やっぱり『ディズニー』のような要素が入ってくるんです!(笑) 『トイ・ストーリー』以外にも、『ディズニー』のようなファンタジーな世界観の要素が大いに入っていると思います。
――今までの楽曲も山下さんの色を強く感じていましたが、今回も色濃く感じる理由が分かったような気がします。話題が変わりますが、アートワークはイラストレーター・まぁ坊さんが手掛けられています。
山下:「プラシー」のテイストや世界観にマッチしている、温かい色合いを使う作風の方が良いなと思っていました。そんなイラストレーターさんを探していた時に、見つけたのがまぁ坊さんでした。まぁ坊さんが描かれている作品は温かくて可愛らしい雰囲気で、それこそ人形や動物をよく描いてらっしゃる方です。
絵本のような色使いであり、クレヨンのようなタッチで描いているような質感も感じて素敵だなと。今回は少し落ち着いた感じに描いていただいていますが、普段はポップな雰囲気の絵も描いていらっしゃる方です。曲のイメージにもマッチすると思って、お願いさせていただきました。