胸を張って言える“自慢のファンたち”。彼らのセンスを信じて一緒に作った新しい音楽活動ーー短期連載「はぐれ妖精の妖精夜行見聞録」第1回:悠木碧さんインタビュー【前編】
「妖精さんたちのことは自慢のファンだと胸を張って言えます」
――そして、ついに「妖精夜行」の解散の日が近づいてきました。現在、妖精さんたちはオンライン寄せ書き、ボイスメッセージ、卒業記念誌など、さまざまな卒業制作を進めています。
悠木:1年という期限通りに閉めることとなりました。私も、妖精さんたちもすごく寂しがっている中、なにか記念になるものを残そうと動いてくれる妖精さんがいらっしゃって。これ、一番嬉しいのは私なんじゃないかなって思うんです。私を応援してくれるみんなが仲間同士、記憶を共有し合おうとしてくれるなんて。作り手としてこんなにも嬉しいことはありません。
――どんなものが出来上がるのか楽しみですね。
悠木:『マイクラ』で森を作っている妖精さんとかいらっしゃいますよね。ほかにも愛がないとできない企画をいっぱい立ててくださってすごいなと思っています。
――ここまでお話を聞いたうえで、あえて伺いたいのですが、ラジオや生放送と比べて「妖精夜行」に集うファンの皆さんとの距離感は違うものですか?
悠木:ラジオはお便りという形で言葉を寄せてもらいますけど、やっぱり聴かれる、読まれることを想定したラジオに相応しい内容なんですよね。もちろん私としても公共の電波に乗ることを意識してお話しているところがあって。
そういう意味で「妖精夜行」は特殊で……なんといいますか、パーティールームを貸し切っておしゃべりしているような距離感なんですよね。実際にみんなの声は聞こえないけどコメントが流れているから、それだけ身近に感じることができて。忌憚のない意見をいただいたり、めちゃめちゃ共感してもらえたりと、友達のような関係性を築けたのはDiscordそのものの特徴でもあるかもしれません。
――では改めて、立ち上げ当初から現在までの変化を踏まえ、悠木さんにとっての「妖精夜行」はどんな場所ですか?
悠木:私にとって一番安心できる場所です。きっと、妖精さんたちが「良い」と言ってくれるものはこの先も伸ばしていけると思うんですよ。逆に、「これは難しいかも」というものは外の世界では本当に難しいんだろうなって。「妖精夜行」では、そういう家族みたいな意見を聞けるんですよね。私自身、妖精さんたちは親戚や友達のような感覚なので、本当にここで出会えて良かったなと。そして、そんなみんなは私にとって自慢のファンでもあります。
――自慢のファンと言われたら妖精さんたちも嬉しいでしょうね。
悠木:世界ってこんなにまともな人がいっぱいいたんだ、というくらい本当にちゃんとした人ばかりなんです。いろいろな人がいるSNSは過激な意見に目が行きがちですし、仕組み的にそういう意見のほうが伸びたりするんですよね。でも「妖精夜行」はそんなこともなく、なにかあってもまともな人たちの中で起きるハプニングだから安心して見ていられます。
――良い意味での想定外がたくさんあったのですね。
悠木:無料で覗ける場所だからこそ、こんなに素敵なファンに囲まれている私を妬む人が荒らしに来てもおかしくないと思っていました。でも、ちょっとなにかがあっても妖精さんたちがさらっと大人な対応をしてくれるから、この1年、非常にクリーンな状態を保てました。
意見をいただくときも実現可能な範囲を考えていただいて、本当に一緒に作らせてもらったんだなという感覚です。みんなと作った妖精夜行は私にとって予想以上の場所になりましたし、妖精さんたちのことは自慢のファンだと胸を張って言えます。
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[取材・文/MoA 編集/はぐれ妖精]
関連情報
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【場所】ラフォーレ原宿
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