ゲーム・アプリ

2024-09-06 17:00

DMM GAMES×サイバードのタッグがオトナの女性向け新ブランド“Romanteen18”を発表。第1弾タイトル『夢幻楼と眠れぬ蝶』制作陣へインタビュー

先日、2024年9月2日、DMM GAMESを運営するEXNOAと、女性向け恋愛シミュレーションの開発・運営で知られるサイバードが共同で、新ゲームブランド“Romanteen18（ロマンティーン）”を立ち上げると発表されました。大人の女性向けコンテンツを発信するというRomanteen18。その第1弾タイトルとなる恋愛シミュレーション『夢幻楼と眠れぬ蝶』も発表され、ティザーサイトなどが公開されています。

この発表を受け、アニメイトタイムズでは、EXNOAの伊藤氏とサイバードの富田氏、両責任者にインタビューを実施。Romanteen18のコンセプトや『夢幻楼と眠れぬ蝶』の詳細について深掘りしていきます。

▲写真左よりEXNOAの伊藤氏、サイバードの富田氏

これまでになかったような表現の幅も広い恋愛ゲームを作りたい

――まずは簡単に自己紹介をお願い致します。

富田：サイバード執行役員の富田です。おもに開発や運営を担当しています。

伊藤：EXNOAより、エグゼクティブプロデューサーの伊藤です。EXNOAは、本件のパブリッシャー領域を担当しています。よろしくお願い致します。

――新ブランド“Romanteen18（ロマンティーン）”のコンセプトについて教えてください。

伊藤：Romanteen18は“一日の終わりに幸せな夢を”をコンセプトとするオトナの女性のための恋愛ゲームブランドです。DMM GAMESを運営するEXNOAと、これまで数々の女性向けタイトルを世に出してきたサイバード様が協力し、現実を忘れて没頭できるオトナな世界観・ストーリーを提供します。既存のゲームにはない重厚なストーリーとキャラを楽しめる、“表現の幅も広い”恋愛ゲームとして展開していきたいと考えています。

本ブランドは通常版と、オトナ版の2バージョンを配信予定です。通常版でも十分ゲームの魅力を楽しむことができますが、オトナ版ではより深い愛の物語を体験できるでしょう。

富田：表現方法としては過激すぎるものではなく、ティーンズラブコミックのような、繊細で耽美な表現を目指しています。ストーリーやキャラクター性を高めることで、高品質な年齢制限作品を提供していきます。

また、ブランド第1弾タイトルである『夢幻楼と眠れぬ蝶』のリリース後は、更なる作品をシリーズ展開していく予定ですので、楽しみにお待ちいただければと思います。

かくりよ、妖魔、遊郭と、妖しくもきらびやかな世界へ

――Romanteen18 立ち上げ1作目となる『夢幻楼と眠れぬ蝶』のストーリーについて教えてください。

富田：本作の主人公は、不眠に悩まされる社会人の女性です。眠れない日々が続く主人公はある日、“よく眠れる”という不思議な “印香”（お香）を手に入れます。印香に火を灯して眠った夜、夢の中で、妖魔が集まる“かくりよ”の遊郭“夢幻楼”へと迷い込みます。「すべて夢の中の出来事だから」とうながされるまま、7人の男娼の中から1人を選び、夢幻楼で甘く妖しい夜を過ごします。目が覚めると不眠の不調が治っていて「あれは本当に、ただの夢だったのだろうか？」……と考えるところからお話しは始まります。

伊藤：本作では、夢幻楼で出会った7人の妖魔それぞれとの恋愛物語を描いています。7人全員と同時に恋愛をする、いわゆる“ハーレムもの”ではなく、選んだキャラクターとの1対1の恋愛物語をお楽しみいただけます。

――それぞれのお話は同軸ではなく、別軸で展開されるということですね。

伊藤：はい、その通りです。リリース開始時点では3キャラクターの本編が配信予定となっています。ほかの4キャラクターの物語もサービス開始後に定期的に追加予定です。

――先に配信される3人のお話は、途中まででなく最後まで丸々公開される形ですか？

伊藤：はい。また、本編とは別に、独立した時間軸で展開されるイベントストーリーなども配信される予定です。

――かくりよや夢幻楼など、『夢幻楼と眠れぬ蝶』の世界観について教えてください。

富田：本作の世界観や舞台は、主人公が働く現代日本である“現実世界”と、現実とは異なる世界である“かくりよ”の2面で構成されています。

まずは夢幻楼について。かくりよに存在する夢幻楼は、淫魔である楼主が創り上げた、妖魔たちの遊郭です。夢幻楼は様々な妖魔が世界中から集まってくる場所で、人間はめったに訪れません。人間も印香に火をつけて眠ることでかくりよに入ることができ、印香が燃え尽きるまでの間だけ、夢幻楼を利用できます。夢幻楼の利用者は、花から花へ蜜を求めて舞い遊ぶ蝶の姿になぞらえて“蝶々”と呼ばれています。

伊藤：本作の重要な要素である男娼についてもお話します。夢幻楼で働く男娼はみな楼主と契約を交わしており、その契約に囚われているため、空が深い闇に紛れる頃かくりよへと引き戻されます。

彼ら7人の攻略キャラクター達も、昼間は人間社会に溶け込んで現実世界で暮らしており、主人公が夢幻楼に足を踏み入れる前から、既に“人間”として現実世界のどこかで出会っていたりします。

4年前から構想を立ち上げ、かなりの熱量で本企画に取り組む

――サイバード様とのゲーム開発に至った経緯を教えてください。

伊藤：サイバード富田さんとEXNOAのプロデューサーの間で、約4年ぐらい前から構想を練り始めました。前職が同じで仕事上のやり取りや共通の経験があったふたりということもあり、そこから発展したお話でした。

当時から「サイバードさんとEXNOAの2社の得意を活かせるもの」で議論を進め、途中で目指すべき表現の議論などが長期化することもありましたが、結果として現在の「Romanteen18（ロマンティーン）ブランドの組成」に繋がっております。

EXNOA視点では「大人の女性向けゲームに、継続性の見える戦略をもって取り組みたい」という想いもあり、数々の女性向けゲームでご経験のあるサイバードさんとお取組みができたことを大変嬉しく思います。

富田：別の会社同士が同じ事業に取り組む、といったときに大切なのはタイミングかなと思います。4年間粘り強く構想を練り上げ、実現できるタイミングが今になった、という感覚です。サイバードとしても、EXNOAさんとお仕事ができることは大変光栄に思っております。ローンチはもう少し先になりますが、両社の化学反応から生まれた本作に対し、ユーザーのみなさまがどう反応されるのかというのは今から楽しみですね。

――Romanteen18ブランドの構想は4年ほど前から始まったとのことですが、『夢幻楼と眠れぬ蝶』の企画自体はいつ頃から動き出したのでしょうか？

伊藤：『夢幻楼と眠れぬ蝶』は約1年半ほど前からですね。

――イラストレーター・ウエハラ蜂氏やキャスト陣の起用の経緯と、こだわった点を教えてください。

伊藤：『夢幻楼と眠れぬ蝶』のキャラクターデザインはウエハラ蜂先生にご担当いただいております。ウエハラ蜂先生は女性向けコンテンツのキャラクターデザインに加え、ティーンズラブ小説（女性向けの恋愛小説）の表紙やキャラクターデザインを担当された経験も数多くある実力派のイラストレーターです。

先生ご自身の本件への熱量も高く、キャラクターデザインの際には、よりキャラクターの魅力を引き立てるように熱量を注いでくださいました。たとえば、あるキャラクターの衣装では肩が出ていたり、別のキャラクターのズボンにはスリットが入っていたりと、キャラクターによって肌の出し方が違うのもこだわっていただいた点です。

また、キャストさんについてですが、大人の女性向けコンテンツにおいても、実力・人気のある有名なキャストさんに参加していただいています。キャストさんの演技の素晴らしさについては、プロモーションムービーでも一部確認できますので、よろしければご覧ください。

富田：企画の構想段階から現在まで、開発陣の熱量は高いまま維持されています。シナリオチームやデザインチームなど、開発陣一同も一丸となって取り組めていますね。

余談ですが、主題歌の作曲も手掛けたサイバードのサウンド担当者は、シナリオの魅力をより引き出すため、自発的に追加のBGMを制作してくれました。

――本作は通常版と、オトナ版の両方を展開予定とのことですが、展開理由やバージョンの差異を教えてください。

伊藤：オトナ版ならではの「大人向けのシナリオやイラスト」は本作の魅力ではあります。では「通常版では楽しめないのか？」と言われればそんなことはなく、サイバードさんやご実績のある作家さんたちによる上質な恋愛ゲームを変わらずお楽しみいただけると思います。

通常版とオトナ版の細かいバージョンの差異についてですが、基本的なストーリーや展開は共通です。通常版でもキャラクターとの恋愛物語を楽しめますが、オトナ版の恋愛シーンでは新たにドキドキするスチル、一部フルボイスのシナリオも楽しめます。また、プレイヤーの皆様によって、楽しみ方を選べるように工夫しています。

――たとえばどういう選択ができるのでしょうか？

富田：普段は通常版でストーリーを読み進め、恋愛シーンだけオトナ版で楽しむ、といったことも可能です。オトナ版と通常版ではデータ連携ができますので、共通のユーザーデータで本作を遊べます。

ウェブ上で限定ストーリーが遊べる体験版を公開予定

――本作のゲームシステムについて教えてください。

富田：まずはストーリーについてお話しします。本編のストーリーは“ストーリーチケット”を消費することで解放でき、読み進めることができます。ストーリーチケットは毎日無料で5枚回復しますので、気になる彼とのストーリーを毎日楽しんでいただければと。ストーリー中の選ぶ選択肢によっては、彼の反応が変わったり、迎えるエンディングが変わります。エンディングの分岐は“夢幻の恋”と“妖艶な恋”の2ルートです。

また、ストーリーの途中で“ミッション”が発生する場合があります。これをクリアしないと、ストーリーの続きは解放されません。ミッションは親密度を貯めたり、特定のアバターアイテム（着せ替え衣装）を身に着けることでクリアできるようになっています。

本作にはアバターの管理をする“お部屋”という機能もあります。お部屋では家具やオブジェで室内を飾ったり、自分の分身であるアバターの髪型や洋服、アクセサリーなどを自由に着せ替えられます。アバター（着せ替えアイテム）はストーリーを読み進める、イベントをクリアする、ガチャを回すといった方法で入手可能です。これらのアイテムはゲームプレイの中で彼からプレゼントとしてもらえることもありますよ。

本編とは別に、彼とのさまざまなシチュエーションイラストを収めた“彼カード”を集め、デートを体験する“夢デート”という機能もあります。所持しているアバターアイテムや編成した彼カードによって、より多くの親密度を得ることができます。

ストーリー進行に必要な“親密度”のステータスとは別に、ゲームを遊ぶほど彼と親密になっていく“交流”システムも実装されています。こちらはゲームプレイを続けるほど彼と親しくなり、限定アイテムや、より親密なフルボイスストーリーが入手可能です。オトナ版だけの秘密のストーリーもありますよ。

伊藤：じつは今回、無料の体験版を『夢幻楼と眠れぬ蝶』の公式サイトにて配信する予定です。こちらは体験版限定のオリジナルストーリーとなっておりまして、ちょっと短いんですけれども、先に配信される3人だけでなく、7人の男娼全員の魅力を紹介する内容となっています。とくにアプリなどをインストールする必要はなく、ウェブ上でシステム的には完結する仕様です。

――いわゆる夢女子向けの作品の主人公（ヒロイン）は、容姿が自由に想像できる形で演出されることが多いと思います。『夢幻楼と眠れぬ蝶』の主人公の容姿を固定した理由や、こだわったポイントを教えてください。

伊藤：本作では、スチルシーンの中で主人公の姿が描写されます。表情なども描き込むことによって、より視覚的にストーリーへ没入していただけるかなと思います。ドキドキするシーンでは、より感情移入していただけるかなと。

『夢幻楼と眠れぬ蝶』は、現代社会で忙しい毎日を送る女性が主役です。現代女性であるユーザーに共感してもらえる要素をいれつつ、ユーザーに認められ、応援してもらえるような主人公を目指しました。夢のためにダブルワークを続ける頑張り屋なところなど「時には頑張り過ぎないで癒されて欲しい」というメッセージが込められています。