夏アニメ「先輩はおとこのこ」連載：音楽・橋本由香利さんインタビュー｜キャラクターの雰囲気をイメージしてまことはピアノ・竜二はギター・咲は木管楽器を選んでいます

アニメイトタイムズでは、アニメの放送を振り返る連載インタビューを実施！　今回は音楽担当の橋本由香利さんに、本作の音楽を作るうえで意識したこと、また劇伴を制作するうえで大切にしていることをお聞きしました。

男だけど可愛いものが大好きで、女の子の姿で高校生活を送る“男の娘”・花岡まこと。ある日の放課後、まことは、“女の子だと勘違いしたまま”の後輩女子・蒼井咲に告白をされる。「実は自分は男の子なのだ」と打ち明け、告白を断るまこと。しかしまことの予想に反し、咲はあきらめるどころか、「男女両方の先輩が楽しめる」とテンションアップ！さらに、「私が先輩の初恋の人になってみせます」と宣言して……。可愛いものが大好きな、まこと。まことに恋をする、元気いっぱいの後輩・咲。まことを近くで見守り続けてきた、幼馴染の竜二。3人の、恋と友情と、成長の物語がはじまる――。作品名先輩はおとこのこ放送形態TVアニメスケジュール2024年7月4日（木）～フジテレビ“ノイタミナ”ほかキャスト花岡まこと：梅田修一朗蒼井咲：関根明良大我竜二：内田雄馬花岡美香：中原麻衣大我小夏：前田佳織里スタッフ原作：『先輩はおとこのこ』ぽむ（「LINEマンガ」連載）監督：柳伸亮シリーズ構成：冨田頼子キャラクターデザイン：新海翔斗プロップデザイン：北山景子美術監督：安田ゆかり（オリーブ）美術設定：秋山健太郎（スタジオPablo）色彩設計：鈴木ようこ撮影監督：上條智也編集：新沼奈美（グラフィニ...

前回はこちら

夏アニメ「先輩はおとこのこ」連載：関根明良さん（蒼井咲役）インタビュー｜咲ちゃんは周りを優先する子だから自分の本心が分からなくなっちゃったのかも

「次にくるマンガ大賞2021」Webマンガ部門で3位、「第5回アニメ化してほしいマンガランキング」1位を受賞したLINEマンガ連載のwebtoon作品『先輩はおとこのこ』。かわいいものが大好きな男の娘の花岡まこと、そして後輩の蒼井咲、親友の大我竜二との人間模様や、それぞれが成長していく過程が丁寧に描かれる本作のTVアニメが、2024年7月4日（木）よりフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて毎週木曜24:55～より放送中。アニメイトタイムズでは、アニメの放送を振り返るキャスト連載インタビューを実施！　今回は蒼井咲役の関根明良さんに、第8話までの物語を振り返ってもらいつつ、今後の見どころについてお話を聞きました。　　前回はこちら　またみんなの心からの笑顔が見たいです――各キャラクターの思いなどが露わになり、関係性なども少しずつ変化してきました。ここまでの物語を振り返ってみて、印象的だったシーンを教えてください。蒼井咲役・関根明良さん（以下、関根）：ぜんぶ！って言いたいです（笑）。この作品は、キャラクターたちがひとつひとつを積み重ねて紡いでいる繊細な物語なのでひとつにしぼれなくて……。ただ、みんなでお出かけをしたり、笑っていた頃がなんだか懐かしいなぁと感じま...

繊細なセリフが多いので空気感を大事にしました

――原作を読んだときの第一印象と、面白いと感じた点を教えてください。

音楽・橋本由香利さん（以下、橋本）：「好きを大事にする」それは簡単そうで実は難しいことなのだと感じました。

まこと、竜二、咲はお互いを大切に思っているのに、少しずつ気持ちがすれ違っていく。そのせつなさが強く印象に残り、キャラクターの美しさ（まこと）、可愛さ（咲）、表情（竜二の照れる顔とか）に心を奪われました。この３人が幸せになって欲しいな、という気持ちで音楽を作っています。

――本作の音楽を作るうえで、監督をはじめとするアニメ制作スタッフの方々からはどんなリクエストがありましたか？

橋本：まこと、竜二、咲、それぞれキャラクターに合わせた楽器を想定して数曲作って欲しいというオーダーを受けました。声のトーンとキャラクターの雰囲気をイメージして、まことはピアノ、竜二はギター、咲は木管楽器を選んでいます。

――キャラクターの心情に寄り添っていると感じる楽曲が印象的です。本作の音楽を制作するうえで意識したこと、こだわった点を教えてください。

橋本：繊細なセリフが多いので空気感を大事にしました。心情に寄り添う曲はピアノ、木管楽器など生楽器を中心に音数も抑えめにしています。楽しいシーンでは、ギターバンド的なテイストを足して賑やかに、コミカルなシーン用の曲はギャグに振り切りすぎず、可愛らしさと面白さのバランスを意識しました。

アニメの劇伴はシーンを補完する役割があると思っています

――橋本さんがアニメの劇伴を担当するうえで大切にしていること、大事だと思っていることを教えてください。

橋本：アニメの劇伴はシーンを補完する役割があると思っています。状況を表す曲なのか、心情を表す曲なのか、映像が無い状態で作ることが多いので台本や原作を確認しながら作ることが多いです。また、どこかに印象的なメロディーを入れることも意識しています。

――まことは、他の人とは違う、普通じゃないかもしれない自分の感覚に悩む少年です。橋本さんは“普通”とはどういうことを指すと思いますか？

橋本：ありふれていること、世間の多数派を「普通」と言うことが多いと思います。でもそれぞれが思う「普通」は、人とちょっとずれていてもいいのかもしれないですね。

――ここまでの物語で橋本さんが印象に残っているエピソードやシーンを教えてください。

橋本：第3話、咲がまことの靴を見つけて走り出すシーンで流れた曲は、物語のテーマになるようなメロディーを、と思い作った曲です。印象に残るように短いフレーズを積み上げていきました。その後の咲が海をバックに走るときの曲はこのシーン専用として作りました。咲のせつない気持ちと走るスピード感に合わせています。

――アニメを楽しみにしている方々に、メッセージをお願いします。

橋本：3人がどのように変わっていくのか、そして３人を取り巻く人々がどのように変化するか最後までじっくりご覧ください。「先輩はおとこのこ」を楽しんでいただけたら嬉しいです。