夏アニメ「先輩はおとこのこ」連載:花岡まこと役・梅田修一朗さん|つらい時間も楽しい時間も、全部の時間があって、まことたちは前に進んでいけたんだなあと思います
「次にくるマンガ大賞2021」Webマンガ部門で3位、「第5回アニメ化してほしいマンガランキング」1位を受賞したLINEマンガ連載のwebtoon作品『先輩はおとこのこ』。かわいいものが大好きな男の娘の花岡まこと、そして後輩の蒼井 咲、親友の大我竜二との人間模様や、それぞれが成長していく過程が丁寧に描かれる本作のテレビアニメが、2024年7月4日よりフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送されました。
アニメイトタイムズでは、アニメの放送を振り返る連載インタビューを実施! 今回は花岡まこと役・梅田修一朗さんに、ここまでの物語を振り返っていただきながら、今だから話せる収録の裏話もお聞きしました。
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まことは蒼井さんとりゅーじを大事にしていることを直接伝えられるようになった
――修学旅行から帰ってきたあと、まことの行動により親子関係に変化が訪れました。そして、以前のようにまこと・咲・竜二でご飯を食べる一幕も見られるようになりました。これまでの物語を振り返ってみての印象をお聞かせください。
花岡まこと役・梅田修一朗さん(以下、梅田):つらい時間も多かったですが、それと同じくらい楽しい時間もありました。全部の時間があって、まことたちは前に進んでいけたんだなあと思います。みんな「大丈夫」になれるタイミングは違うかもしれないけど、僕自身もまことたちを応援する気持ちで観ていました。
――第12話のなかで、梅田さんが特に印象に残っているシーンは?
梅田:どのシーンも印象的でしたが、ひとつ挙げるなら、おじいちゃんとのシーンです。「大事なものをいくつか捨てたら どんなものでもひとつくらいは守れる」と言うおじいちゃんと、「わがままかもしれないけど 僕はひとつも捨てたくない」と自分の気持ちに気づいたまこと。まことが強く一歩を踏み出したシーンでした。どちらの言うことも、すごく分かります。
――これまでの物語を経て、まこと・咲・竜二には色々な出来事がありました。まことは咲・竜二に対して、どのような気持ちを抱いていると思いますか?
梅田:まことは自分の抱えている気持ちから、ものや人を大事にすることが怖かったんだと思うんです。ひとりのときや、心の底では大事にしていても、それを表したり伝えたりするのが怖い。そんなまことが、少しずつ自分の「わがまま」を大事にできるようになっていって、いまは最初と比べると蒼井さんとりゅーじを大事にしていることを直接伝えられるようになったんじゃないかな、と感じています。
――まこと・咲・竜二それぞれに悩みや想いを抱えていました。梅田さんは誰の気持ちにいちばん共感できましたか?
梅田:やっぱり、まことの好きだと思うものをただ好きでいたいという気持ちにとても共感できます。難しいことだと思うのですが、自分の中だけで大事にしていても、外から尋ねられたりすることによって話すか話さないか、主張するかしないかの選択を迫られることがあると思うんです。
そのときに素直に好きなものを好きと伝えると、蔑ろにされたり、驚かれたり……。だから、隠しているわけじゃなくても、本心を隠しているという認識をしてしまったり。人はひとりで生きているわけじゃなく、関わり合って生きているがゆえに、難しいですよね……。