『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』『.麻天狼』レビュー|抑圧からの解放、それは愛だった【7連続リリースCD連動企画】
伊弉冉 一二三が手に入れたお金には代えられない「始まりのラストソング」
女性恐怖症の原因となった邪答院 仄仄との関係性が衝撃的だった伊弉冉 一二三は、自らを守る最強の装備かつ最大の弱点だったスーツを脱ぎ捨て、新たな始まりを迎えることになりました。
ホスト界隈でのラストソングとは、その日の売上が一番高かったホストが最後に1曲歌う習わしのことをいいます。
しかし、伊弉冉 一二三の「始まりのラストソング」はお金を稼いで手に入れたものではありませんでした。
確かにホスト稼業は伊弉冉 一二三を形作る大切なものですが、スーツの鎧を身にまとって偽りの自分を演じている仮の姿。本当の彼は弱々しく、頼りなく見える人間かもしれません。
それでも、そんな彼だからこそ、スーツを脱ぎ捨て、ありのままの自分であることを選んだのでした。
彼が選んだ道は、全てを受け入れる無償の愛。彼もまた、神宮寺 寂雷と同じく愛に突き動かされたのです。やはり愛……! お金ではなく、愛で掴んだ「始まりのラストソング」だったのです。
<君の肩にスーツかけてから抱き締めたい>なんて、泣けるじゃないか……! これまで自分を守ってきてくれたスーツで誰かを、君を守りたい。そんなニュアンスも感じます。
2曲目のソロ曲「パーティーを止めないで」では<スーツを脱いで愛し合いたい 過去の己との試合 勝利で終わらせてみせる>という歌詞もあり、その願いが叶いましたね。
あの邪答院 仄仄すらも許してしまう究極のお人好し。愛に生きる伊弉冉 一二三はこれからも人々を魅了し続けるでしょう。
Flying B Entertainmentがついに『ヒプマイ』に!
「始まりのラストソング」を手掛けるのは、日本を代表するラッパーのひとりであるAK-69。彼が立ち上げた芸能事務所がFlying B Entertainmentです。同じくクレジットされているRIMAZI、CITY-ACEも同所属。
AK-69は常に日本のHIPHOP業界を牽引し続けており、日本で最も売れたラッパーのひとりと言っても過言ではないでしょう。
国内外のアーティストとも積極的にコラボしており、何かと話題が尽きません。