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山田尚子、鈴川紗由が登壇『きみの色』第29回釜山国際映画祭 公式レポ

『きみの色』第29回釜山国際映画祭にてプレミア上映! 山田尚子監督、鈴川紗由さんが登壇したイベントの公式レポートが到着

公開中のアニメ映画『きみの色』。このたび、第29回釜山国際映画祭にてプレミア上映が行われ、山田尚子監督、鈴川紗由さん登壇のティーチインも開催。

制作秘話が盛りだくさんとなった本イベントの公式レポートが到着しています。

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きみの色
わたしが惹かれるのは、あなたの「色」。高校生のトツ子は、人が「色」で見える。嬉しい色、楽しい色、穏やかな色。そして、自分の好きな色。そんなトツ子は、同じ学校に通っていた美しい色を放つ少女・きみと、街の片隅にある古書店で出会った音楽好きの少年・ルイとバンドを組むことに。学校に行かなくなってしまったことを、家族に打ち明けられていないきみ。母親に医者になることを期待され、隠れて音楽活動をしているルイ。トツ子をはじめ、それぞれが誰にも言えない悩みを抱えていた。バンドの練習場所は離島の古教会。音楽で心を通わせていく三人のあいだに、友情とほのかな恋のような感情が生まれ始める。周りに合わせ過ぎたり、ひとりで傷ついたり、自分を偽ったり―やがて訪れる学園祭、そして初めてのライブ。会場に集まった観客の前で見せた三人の「色」とは。2024年夏、好きになる。作品名きみの色放送形態劇場版アニメスケジュール2024年8月30日(金)キャスト日暮トツ子:鈴川紗由作永きみ:髙石あかり影平ルイ:木戸大聖シスター日吉子:新垣結衣百道さく:やす子七窪しほ:悠木碧八鹿スミカ:寿美菜子作永紫乃:戸田恵子スタッフ監督:山田尚子脚本:吉田玲子音楽・音楽監督:牛尾...

第29回釜山国際映画祭「アジア映画の窓」部門にてプレミア上映!

韓国の現地時間10月2日(水)より開催された第29回釜山国際映画祭において、現地時間10月3日(木)19:30より山田尚子監督の『きみの色』が韓国プレミア上映された。

アジア最大規模の映画祭として注目される釜山国際映画祭は、国内外の約300作品(ワールドプレミア約100作品)が上映され、来場者数は約20万人を記録する映画祭。本作が出品された「アジア映画の窓」部門は、さまざまな視点とスタイルを持つアジアが誇る才能豊かな映画監督たちの優れた作品を紹介する部門で、日本作品からは山中瑶子監督の『ナミビアの砂漠』も選出されている。今回会場となったロッテシネマセンタムシティの335席のチケットは上映1週間前にして、完売。

男女比半々の20代中心の観客が多く、“やまだかんとくサランヘヨ”や“山田監督がわたしの色”と書かれたボートを持つ熱心なファンの方も見受けられた。

上映後、大きな拍手で迎えられながら山田監督と鈴川紗由が登壇し韓国語で挨拶すると、客席からは割れんばかりの拍手と歓声があがった。早速ティーチインがスタートし、色をテーマにした理由を尋ねられると、山田監督は「色と音で観ている人の感受性を揺さぶるような、イマジネーションをフル稼働できるような、“感じるアニメーション”を作りたいと思った」と回答。

次も色のチョイスに関しての質問が続き、「トツ子が見ていて嬉しくなる色を描こうと思った。テーマとしては、きみが青、ルイが緑、トツ子は赤で、これは光の三原色になっている。重なると真っ白になるのですが、それが彼らの未来とか、無限の可能性を表しているなと思った。なので、この作品では光を描くように色を選んでます」と語った。

オーディションに関しての質問では、鈴川の最初の印象について「会ったこともないまま声を聞いて、“ひと耳ぼれ”した。鈴が鳴るような幸せな声をしているので、この方とだったら『きみの色』をすごく幸せな作品にできるのではと思い、ご一緒したいと思った」と山田監督。オーディション当日を振り返りながら、鈴川は「体当たりで丁寧に演じるしかないと思った。オーディション時はトツ子と同い年だったので、等身大で作り込み過ぎず自然体で演じた」と明かした。

モデルとなった長崎のロケーションに関して尋ねられると、山田監督は「長崎は日本にとっては特殊な土地。ロケハンに行って長崎に着いた瞬間、空気が素晴らしかったのと、街の人々が暖かくて、この作品で描きたい優しさや人を受け入れる気持ちを学んだ気がした。モデルとして使わせていただいたけれど、(長崎の)精神性は作品にいい作用を生んでいると思う」と振り返る。

劇中に登場したシーンに絡めて好きなアイスの味と、なりたい色を尋ねられると、山田監督は「チョコミントが好き」、鈴川は「キャラメルが好き」と 2 人とも笑顔で答え、なりたい色については「黄色になりたい。いろんな色と相性がいいので」と山田監督。

鈴川は「情熱的な赤色になりたい。何事に対しても情熱を持って取り組みたいので赤色です!」と熱意を込めて言い切った。また、牛尾憲輔との楽曲について質問が投げかけられると、山田監督は「ノイズに色の名前を付けることがあるんですが、この作品ではきみがいるシーンではブルーノイズ、ルイのシーンではグリーンノイズというものを(牛尾に)プログラミングしてもらい、それぞれ忍ばせている。これは言わないと気づいてもらえないと思うので、言えてよかったです!」と嬉しそうに制作秘話を披露した。

初声優と歌に関して鈴川へ質問があり、「初めての声優でわからないことだらけだったのですが、監督から“噓をつくときは悪魔に取りつかれたように”など具体的にアドバイスを頂いたので、それに応えて100%体当たりでアフレコするのが楽しかったし、難しかった」と鈴川。「歌はコーラスで参加しているんですが、レコーディング前に練習をして来ないようにと言われていたので我慢して当日を迎えました(笑)」と収録に関するエピソードを明かした。

山田監督へ過去の作品との繋がりについて尋ねられると、「どの作品も初めましての気持ちで作っていて、他の作品とあわせて考えることはしないようにしている。ただ、同じ人間が作っているので、少しずつ似てくるところもあるのかもしれない。どの作品も人の心を丁寧に扱おうと思っていて、それは変わらない大事にしている信念です」と作品作りへの思いを語った。

最後、鈴川は「山田監督の作品は言葉では説明できない、言葉の壁を越えて伝わってくる感情があるので、たくさんの方々に観ていただきたいです」、山田監督は「この作品は悩みを外に出せない子たちが友達と出会って開放していく姿を描いている。観ている方も何かを開放するきっかけになったら、心が楽になってくれたらいいなと思います。観ている方に寄り添えるようにひとつひとつ大切に作った作品なので、感受性をフル活用してぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです!」とメッセージを送り、2人一緒に「プサン、サランヘヨ(釜山、愛してます)!」と挨拶してティーチインは幕を閉じた。

韓国では10月12日より300館以上にて公開が決定している。海外からも賞賛の声が鳴りやまない映画『きみの色』は日本でも絶賛上映中!ぜひ劇場の大スクリーンで何度でもお楽しみいただきたい。

『きみの色』作品概要

きみの色

あらすじ

わたしが惹かれるのは、あなたの「色」。

高校生のトツ子は、人が「色」で見える。
嬉しい色、楽しい色、穏やかな色。そして、自分の好きな色。

そんなトツ子は、同じ学校に通っていた美しい色を放つ少女・きみと、
街の片隅にある古書店で出会った音楽好きの少年・ルイとバンドを組むことに。

学校に行かなくなってしまったことを、家族に打ち明けられていないきみ。
母親に医者になることを期待され、隠れて音楽活動をしているルイ。
トツ子をはじめ、それぞれが誰にも言えない悩みを抱えていた。

バンドの練習場所は離島の古教会。
音楽で心を通わせていく三人のあいだに、友情とほのかな恋のような感情が生まれ始める。

周りに合わせ過ぎたり、ひとりで傷ついたり、自分を偽ったり―
やがて訪れる学園祭、そして初めてのライブ。
会場に集まった観客の前で見せた三人の「色」とは。

2024年夏、好きになる。

キャスト

日暮トツ子:鈴川紗由
作永きみ:髙石あかり
影平ルイ:木戸大聖
シスター日吉子:新垣結衣
百道さく:やす子
七窪しほ:悠木碧
八鹿スミカ:寿美菜子
作永紫乃:戸田恵子

(C)2024「きみの色」製作委員会
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