アニメーションになることで、こんなにも色鮮やかに息吹く世界は珍しいーーTVアニメ『アオのハコ』猪股大喜役・千葉翔也さん×笠原匡役・小林千晃さんインタビュー|男子コンビが、理想の青春シチュエーションを語る!
青さが胸を衝く青春部活ラブストーリーがついにTVアニメ化! TVアニメ『アオのハコ』が2024年10月3日(木)より、放送開始となりました。
努力家で真っ直ぐな主人公・猪股大喜が憧れるのはひとつ上の先輩・鹿野千夏。等身大のキャラクター達がそれぞれの想いを胸に部活に打ち込むひたむきな姿と、“誰かを好きになった時”の心の機微を繊細に描いた本作は、連載当初から多くの読者を魅了しています。
想い人、そして同居人である千夏に、インターハイへの出場を約束した大喜。第3話では、男子バドミントン部のエース・針生健吾と練習試合で激突。競り負けた大喜でしたが、インターハイ予選出場メンバーに選ばれるなど、目標に向かって一歩ずつ前進しています。
そんな本作のTVアニメ放送に際して、猪股大喜役・千葉翔也さん、笠原匡役・小林千晃さんにインタビュー。大喜と匡が辿り着いている“境地”に、おふたりから感嘆の声が漏れました。さらに、千葉さんと小林さんが語る、理想の青春シチュエーションとは?
「こうやって演じたい」という欲求が逆に異物になるくらい真っ直ぐな作品でした
――まずは、本作へのご出演が決まった際のお気持ちから伺いたいのですが、千葉さんはオーディション前から原作をご覧になっていたそうですね。
猪俣大喜役・千葉翔也さん(以下、千葉):はい。原作漫画を読んでいる中で、登場人物たちの真っ直ぐさや純粋さがとても素敵な作品だなと思っていました。役に決まったときはめちゃくちゃ嬉しかったですし、どのような方々と掛け合えるのかと、とても楽しみでしたね。
想像で様々な声優さんの声をキャラクターに当てはめたりしていたのですが、結果的に上田(麗奈)さんや、今となりにいる(小林)千晃をはじめ、しっくりくるメンバーが集まったなと思っています。アフレコもやりやすいです。
――PVなどからも、みなさんの演技が世界観にとてもマッチしていて素敵だなと思っていました。小林さんはいかがでしょうか?
笠原匡役・小林千晃さん(以下、小林):僕も元々、原作漫画を読んでいたので、オーディションのお話をいただけたことが嬉しかったです。職業柄「自分が演じるならどのキャラクターだろう?」と想像しながら読むことも多いのですが、「演じるとしたら、匡かな」と思っていたので、その通りに役をいただけたことも嬉しかったです。
原作を読んでいたからこそ様々な演技プランを考えていたのですが、自分が考える「こうやって演じたい」という欲求が逆に異物になるくらい真っ直ぐな作品でした。自分のやりたい演技よりも、物事に対する新鮮な気持ちをそのまま表現することを大事にしながらアフレコに臨んでいます。
――胸が締め付けられるほど、真っ直ぐな青春を描いている作品ですよね。次に、お二人の演じられる猪股大喜と笠原匡の魅力について、お聞かせください。
千葉:大喜を演じることが決まった上で原作を読み返したのですが、バドミントンに対してはもちろん、人に対してもポジティブな感情で対話をしているんですよね。
千夏先輩に対しての優しさも、「好きだから優しくする」という原理ではなくて、遍く優しい中で、千夏先輩は特に大事にしたい存在だから余計に考え込んでしまうんだろうなと。自分の中ではそのキャラクター性が新鮮でした。ポイント毎に最善を尽くせる人物なので、すごいなと思います。芯がしっかりしているな、と。
――小林さんから見て、大喜はどのような魅力を持ったキャラクターでしょうか?
小林:大人にはない真っ直ぐさが魅力だと思います。僕たち大人が見ている世界と大喜が見ている世界は全然違うものなんだろうなと、台本を読んでいると思うんです。うがった見方をしないし、最初に出てくる感情が純粋で、キラキラしているなと思いますね。
――そんな大喜の一番の理解者である匡については、いかがでしょうか?
小林:匡は客観的に物事を見ることができて、大人のように空気を読みながら物事を測れるキャラクターだと思っています。ただ、空気の読める自分をつまらないと思っているのではないかとも思うんです。
匡と大喜って、同じ属性の二人ではないんですよね。まとっている空気感もちょっと違ったりして。そんな彼らの仲の良さの理由は、匡にない真っ直ぐさを大喜が持っていて、それを好意的に見ているからではないかと解釈しています。
僕自身も時たま思うことなのですが、シチュエーションによっては「空気を読まない方が面白い」「守りに入らない方が面白い」と思いつつも、反射で計算をしてしまうが故に行動に移せないことがあるんですよね。このようなことを考えないで、積極的に行動できる力や眩しさに憧れるのは、すごく共感できます。この二人の丁度良いバランス感覚が魅力的です。
――作中における大喜と匡のかけ合いを見ていても、塩梅が丁度良いなとたびたび思います。千葉さんから見て、匡はどのようなキャラクターでしょうか?
千葉:原作を読んでいる時は淡々としていて、感情の起伏がない部分にフォーカスして見ていました。元々この作品を「千夏先輩と大喜の話」だと思って読んでいたこともあって、舞台装置になりかねないポジションだなと思っていたんです。ただ、千晃の声を聞いた時、淡々としているように聞こえるのは、考えがまとまっていて無駄がないが故に、出てくる言葉に雑味がないんだと気が付きました。
千晃が演じることでより存在感が増したキャラクターだと思いますね。漫画を読んでいる際、匡・雛・大喜の3人でつるんでいる描写を事実として認識していたけれど、きっと画角に映っていないだけで、今日も3人で一緒にいたんだろうな、とか色々想像しちゃいます。
小林:おぉ……ありがたい!