ももいろクローバーZが久々にアニソンを歌う! メンバーにインタビュー|『甘神さんちの縁結び』『転生したらスライムだった件』の主題歌を担当
現在、好評放送中のTVアニメ『甘神さんちの縁結び』のOPテーマ「やわく恋して 〜ずっと僕らでいられますように〜」。これで、TVアニメ『転生したらスライムだった件 第3期』のOP主題歌に続き、2期連続となるアニメタイアップとなるももいろクローバーZ。
再びアニメの主題歌で、ももいろクローバーZの歌声が響き渡る! ということで、メンバー4人に、これまでのアニメタイアップなどの話も含めて、聞いてきました。往年のアニメファンからしても嬉しいインタビューになっています!
私たちのアニソンはみんなを元気にするような楽曲が多い
──2期連続となるアニメタイアップについて、どう思いましたか?
百田夏菜子さん(以下、百田):『転生したらスライムだった件』が決まったとき、私たちはまだ『甘神さんちの縁結び』の曲を歌うことは知らなかったので、知ったときは「ということは、2期連続ってこと!!」と、みんなで盛り上がりました(笑)。
玉井詩織さん(以下、玉井):アニメの主題歌自体『転スラ』が久しぶりで、そこでアニメファンの方々からの反響もいただいていたので、今期も別のアニメの主題歌を歌わせていただけることが嬉しかったです。このアニメを通して、どんな人たちと出会えるんだろうと、ワクワク感が増しました。
佐々木彩夏さん(佐々木):しかも全然違う系統のアニメで、今回は恋愛もの。すごく幅広く、いろんなアニメ主題歌を歌わせてもらえているので嬉しいです。アニメの主題歌って反響が大きくて、私たちも嬉しいんです。私たちを知らない作品ファンの方にも知ってもらえるきっかけになるから、今回も楽しみだなと思いました。
高城れにさん(以下、高城):アニソンもたくさん歌ってきたんですけど、アクション系や冒険系が多くて、恋愛ものって今回が初めてなんです。しかも結構私の好きな系統のラブコメで、女の子複数人の中から選ぶドキドキ感、とかがあるんです(笑)。私、『五等分の花嫁』もすごく好きなので、『甘神さんちの縁結び』のOPテーマに選んでいただけて、すごく嬉しかったです!(※五等分の花嫁×甘神さんちの縁結び “奇跡”のコラボビジュアルも、放送に先駆けて公開されていた)
──ももいろクローバーZとして、さまざまなアニソンを歌ってきましたが、アニソンに対して、どんなイメージを持たれていますか?
高城:作品によって雰囲気が違うので、一概に「アニソンとはこういう感じ」とは言えないんですけど、一番興奮したのは『ちびまる子ちゃん』の「おどるポンポコリン」を歌わせていただいたときで、私たちの声プラス、キャラクターたちの声が入っていたんです。それには、アニソンならではだな!って感動しました。
玉井:アニソンなので、作品の世界観が曲に落とし込まれているんですけど、その世界観プラス自分たちらしさも歌詞に入っているので、曲の中でもコラボレーションしている感じがあって、それがアニソンらしさなのかなと思いました。
それと、そのアニメでキーになる言葉が歌詞に入っていたりするので、ライブ中に歌っていても、アニメの映像が浮かぶことがあるんです。私、セーラームーンになるというのが、小さい頃の夢だったので、TVアニメ『美少女戦士セーラームーンCrystal』のOP主題歌「MOON PRIDE」を通して、セーラー戦士を疑似体験させてもらえている気がするんです。それが嬉しいし、発信力があって、より多くの人に伝わってくれている感じがするので、アニソンって、すごくパワーがあるんだなと思います。
──それこそ『美少女戦士セーラームーン』は、海外でも人気がありますからね。
玉井:そうなんです! だから海外のライブで歌ったときも反応がすごくて! イントロで「え? この子たちが歌っていたんだ!」みたいな反応をしてくれたんです。本当に言葉の壁を超えてくれるものなんだなと思いました。
百田:それに全体的にキャッチーな曲が多いですよね。それこそ、TVアニメ『美少女戦士セーラームーンCrystal』のOP主題歌「MOON PRIDE」では、〈SAILOR MOON〉というワードが入っていたし、「『Z』の誓い」なら〈カメハメ波〉って歌詞にあったりする。そうやって、みんなが知っているワードが入っていることがすごく嬉しいなって思いました。
あとはポジティブな曲が多いですね。私たちが結構明るいアニメや、最終的にはハッピーエンドで終わるアニメをやらせてもらうことが多いからかもしれないですけど、勇気や優しさがいっぱい詰まった、みんなを元気にするような楽曲が多いなと思います。
──アニメのオープニングだと、特に前向きな感じがしますよね。
佐々木:始まり感という意味では、イントロがカッコいい曲が多いですよね。インパクトのあるイントロは、私たちのライブでもワクワク感があるので、どのアニメ曲もイントロは印象的だなって思います。
それと今回のジャケット写真みたいに、原作の内藤マーシー先生が私たちのイラストを描いてくださったり、『ちびまる子ちゃん』ならば、アニメーションの中に私たちがいたり。視覚的な部分でもコラボさせていただけるのが嬉しいです。
私たちにはメンバーカラーがあるので、自分だ!って思うとさらに愛着が湧くんですよ。今回も組紐がメンバーカラーになっているので、アニメ側のみなさんにも寄り添ってもらえているのは嬉しいなって思います。
──個人的に、TVアニメ『モーレツ宇宙海賊』(12年)の『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』が好きなのですが、すでにアニメの放送が終わっている中で、どう曲が育ってきているのですか?
百田:今もすっごく盛り上がりますよ! ずっとライブの人気曲ですし、『モーレツ宇宙海賊』のファンの方は多くて、イベントに出させていただいたときに歌ってもすごく盛り上がるし、その盛り上がり方は、ちょっとほかのアニメ主題歌とは違っていて、会場が一気に熱くなるんです。この曲では、マーティー・フリードマンさんにギターを弾いてもらったりすることもあるので、フェスだと私たちのファンじゃない方も大盛り上がりで、すごく一体感が出るんです。
佐々木:これはほかのアニメにも共通することですけど、当時見ていた印象が一気に蘇るんですよね。あのとき俺ら見てたよな!みたいなチームワークが生まれて、みんなが映像をフラッシュバックしている感じがするんです。
『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』とか「ピンキージョーンズ」(TVアニメ『ヨスガノソラ』EDテーマ)とか「ミライボウル」(TVアニメ『ドラゴンクライシス!』EDテーマ)とか、2010年あたりの曲は、俺らの!って感じが、すごく強い気がします。
──長く愛されている感じはありますね。深夜アニメから始まり、国民的なアニメの主題歌などをたくさん歌ってきた、ももいろクローバーZが、2期連続で、TVアニメの曲を歌うということに、すごくアツい気持ちになったのですが、まずはTVアニメ『転生したらスライムだった件 第3期』OP主題歌 第二弾「レナセールセレナーデ」の、今だから話せる聴きどころを教えてください。
高城:この曲はMrs. GREEN APPLE・大森元貴さんに作っていただいた曲で、大森節が感じられますし、1曲を通して、目まぐるしく変わっていく展開と疾走感が、ジェットコースターのようなんです。“レナセール”って、“生まれ変わる”とか“転生”という意味があるんですけど、それがアニメ作品ともリンクしているし、作品だけでなく、私たちの関係性や、私たちとモノノフさんたちで作り上げてきたものや、これから作り上げたいものだったりにも繋がっているんです。生まれ変わっても、私たちでこうして笑っていたいなっていう思いがすごく詰まった楽曲になっているなと思っています。
玉井:曲はもちろん、私は特に歌詞がすごく深いなと思っているので、そこに注目してほしいです! 作品を連想させるワードがもちろん出てくるんですけど、〈夢で終われないストーリー〉とかは、私たちの歴史を感じさせる言葉でもあるんです。
曲調が明るいから前向きな曲に聴こえるんだけど、意外と〈泣けちゃうくらいには いつも結構困憊で〉とか〈いつかまたどこかで逢えたらと願うけど 編んだ糸は解けてしまうの〉とか、現実的でリアルな嘆きのような表現もあったりするんですね。
生きていく中で、みんなが抱えている不安な要素も書いているので、今この時代に生まれたことへの感謝や、出会えた仲間たちへの思い、もし生まれ変わったとしても私でいたいとか、今生きていることへのありがたみが詰まっているので、聴いている方に共感してもらえると思います!
──『転スラ』の曲でなければ、生まれ変わってもという表現は出てこないかもしれないですからね。
玉井:そうなんです! 今この時代、このタイミングでみんなと出会えて、グループを組めていることへのありがたさだったり、普段考えないようなことをもう一度考えるきっかけにもなりました。
百田:発売してからちょっと経っているので、そろそろカラオケで挑戦してほしいです(笑)。ひとりで歌うのは結構難しいと思いますけど、友達とチャレンジしても面白いと思います。
この曲のパート割も大森さんが考えてくださっているんです。私たちに合わせた言葉を入れてくださって、それがそのままそのメンバーのパートになっている所がちらほらあったりします。かなり挑戦しがいがある歌パートなので、たくさん歌ってほしいです!
佐々木:『転スラ』ファンのみなさんからと、Mrs. GREEN APPLEファンの方からの反応がダブルであって、すごく嬉しかったです。大森さんも、たくさんのメッセージや意味合いも込めてくださっていて、Mrs. GREEN APPLEさんの楽曲「ケセラセラ」と同じメロディが入っていて、それが生まれ変わって「レナセールセレナーデ」になっている、みたいな裏ストーリーも考えてくださったり、いろいろな仕掛けがあるんです。みんなの愛がたくさん詰まった曲なので、私たちにとっても大事な素敵な曲ができたと思っています。