自分の“好き”を発信できるように、誰かの背中を押せる1枚にしたい――蒼井翔太さんミニアルバム「Collage」発売記念インタビュー｜まったく異なるジャンルの5曲をコラージュし、“今”の心の中を表現する

声優・歌手・俳優として、さまざまな分野で活躍中の蒼井翔太さんによる最新ミニアルバム「Collage」が、2024年12月4日（水）に発売されました。

まったく異なるジャンルに振り切った新曲5曲を1つにまとめ、蒼井さんの“今”の心の中を表現した本作。自分が好きなものを胸を張って伝えていくこと、そして「誰かの背中を押せるような1枚に」という願いを込めて楽曲制作に臨んだと言います。

本アルバムのコンセプトや、楽曲に込めた想いはもちろん、変化したという“音楽”との向き合い方まで、たっぷりとお話をうかがいました。

【音楽】蒼井翔太/Collage【初回限定盤】

“好き”という気持ちを全面で表現したのが「Collage」

――（蒼井さんが手にするノートを見て）今回のインタビューについてのメモを、たくさん書いてくださったのですね。

蒼井翔太さん（以下、蒼井）：頭の中で考えて話すのが苦手で、だからこういう風に書いておかないと、自分の気持ちがまとまらなくて（笑）。

――ありがとうございます！　では早速にはなりますが、12月4日に発売されたミニアルバム「Collage」のレコーディングはいかがでしたか？

蒼井：仕事の合間に時間を作って、レコーディングをしていきました。けっこう自分のリミッターを外して歌っていたので、プロデューサーから「この後、アフレコない？　大丈夫？」と、心配の声を掛けていただいたことも。

でも、まったく喉に影響はなくて、むしろ最近になってより高い声が出るようになり、喉も強くなってきた気がします。

――今作はジャンルの異なる新曲5曲が収録されています。制作するにあたってのコンセプトやテーマをお聞かせください。

蒼井：去年ぐらいからSNSで発信しているのですけど、コラージュノートを作ることにすごくハマっているんです。

マスキングテープや海外の紙、新聞紙とか、いろいろなものを自由自在に1つの紙にペタペタ貼って、自分の心の中を表現していく、という。そんなコラージュノートを作っていることを、キングレコードの蒼井翔太チームのスタッフにもお話していました。

今回のミニアルバムで、蒼井翔太の新しい一面を見せつつ、いろんな表現の楽曲を1枚に詰め込むこともまた、コラージュに当てはまるのではないか？というところで、テーマとしての「コラージュ」がガチッとハマりました。

――楽曲はどのように選ばれたのでしょうか？

蒼井：たくさんの方々に、コンペティションという形で楽曲を制作していただきました。どの楽曲もすばらしかったので、僕の中の“好き”という気持ちですべて選ばせていただきました。

最近の蒼井翔太はどんなパフォーマンスでも、本当に“好き”という想いを持って表現しています。世の中には周りに流されたり、気を遣って好きなことを好きと言えない……そんな方もたくさんいると思うんです。

本作には、僕の今の“好き”が詰まっています。僕がこれだけ胸を張って “好き”を発信することで、自分の“好き”を言い出せない方の背中を押したり、自分の中の楽しい気持ちを肯定するきっかけになる、そんな1枚になったらいいなと思いながら作り上げました。

――いろいろな方を勇気づける1枚なんですね。コラージュノートという言葉を聞いた時に、蒼井さんのSNSで以前、被写体にアレンジを加えた素敵なお写真がアップされていたことを思い出しました。音楽で表現されることはもちろん、視覚芸術的な部分でも表現されるのがお好きなのかな、と。

蒼井：そうですね。僕は配置フェチなんだと思います（笑）。“これはここに置いたら美しいだろう”という配置の感覚があって、それをもとに自分の写真をアレンジしたり、コラージュノートでいろんな配置のコラージュを作っています。

みんな良いクリスマスを🎵

ちゃらクリ🎄 pic.twitter.com/rhjO14Oo4P

— 蒼井翔太 (@shouta0811aoi) December 24, 2023

そして本日の私服💛🤍🖤💙 pic.twitter.com/46NvRJfZKZ

— 蒼井翔太 (@shouta0811aoi) March 28, 2022

――2013年のアーティストデビューから、さまざまな楽曲を歌われている蒼井さんですが、今作が初挑戦となるようなジャンル・サウンド感の楽曲はありますか？

蒼井：作品のキャラクターとしては何かと縁のあるジャンルですが、蒼井翔太名義でまだ触れていなかったのが、ボカロP楽曲「ハイドアンドシーク」です。えいぷさんに提供していただき、聴いてすぐに一目惚れしました。

ボカロP楽曲を自分なりに表現し、“蒼井翔太の歌い方はこうだよね”みたいな概念をぶち壊して、カスタマイズしていくのが楽しかったです。

例えば、最初のインスピレーションで「このフレーズは地声も出るけれど、裏声で歌いたい」とか、「突き抜けたり歪みを効かせて、がなるように歌いたい」とか。声を被せるから、わざと1回目に歌わないパートを作ったり。

スタバでいう“チョコレートソースを入れてクリームましましで”みたいな（笑）。

――（笑）。

蒼井：歌詞も一度自分で大きなノートに書いて、裏声で表現したい部分は青色に……といった風にカスタムして、自分のこれまでの歌い方をぶち壊した説明書を作ってレコーディングに臨みました。