「May’n Road to 20th Anniversary with アニメイト」特別連載「May’nが選ぶシチュエーション別楽曲」【第2回　ライブでノれる・生で聴きたい曲＆May'nソング】

カラフルスコープ／May'n

　
その後、加藤さんにMay'nの曲のオファーをさせていただき、念願叶って今では何曲もご一緒させていただいています。3曲目に選んだのは、加藤さんが手掛けてくれた「カラフルスコープ」（共作曲 / 編曲）。実はこのコーナーで加藤さんの曲を連続で挙げたのは偶然で、取材中に指摘されて気付きました（笑）。やっぱり私は、加藤さんの曲が好きなんですね。

ライブで歌っている自分を見てみたいなと思うことがあるんです。今回選んだ「カラフルスコープ」は特にそういう曲かもしれません。

もちろん、私はみんながいる場所から見たMay'n込みの景色を見ることはできないんですが……「カラフルスコープ」でみんなと一緒に手を伸ばすところ、カラフルな照明が照らす瞬間などを、もっと引いた視点で見てみたいなって。映像でしかそれを確かめることはできないけれど、この曲を歌っている時のMay'nは、きっとすごくいい表情をしているんじゃないかなって思っています。

ライブでは互いにステージと客席にいるので、ファンの方とは必然的に向かい合っている光景になりますが、「カラフルスコープ」は私を中心として、ファンの人と同じ目線で、同じ方向を見て歌える曲にしたいなと思って作りました。

ファンの中にいるMay'nがいないと完成しない曲であり、だからこそ、ライブで披露した時にファンの方からの反響も大きかったのだろうなと思っています。リリースした時も大きかったのですが、ライブの反響がすごかったんです。きっとその光景を思い浮かべながら作った曲が実際にライブで魅せられて、届いたんだろうなって。

私が作る曲は、ライブを想定して書いたものが多いんです。そういう曲は、ライブで歌ったときに完成する感覚があります。その一方で、ライブを重ねるごとに、曲はどんどん進化していきます。

そう考えるとライブには終わりがないというか……常にベストを更新し続けたいと思っているので、必然的に曲もそれに合わせて変わっていくんです。「カラフルスコープ」もそのひとつ。歌えば歌うほど、どんどん新しい色に変わっていく。今後も、さらに変化していく曲だと思います。

ROCK YOUR BEATS／May'n

〈明かりが落ちた音が鳴りだした君の声がしたあたしは今日も歌う〉。

ライブを思い出すような言葉からはじまる「ROCK YOUR BEATS」は、10年ほど前に作った曲。中林芽依が生で聴きたいなと思う、May'nテーマです。

　
あの時の自分が書いた歌詞に、いまだに背中を押してもらうことがあるんです。例えば〈「やりたいこと・やるべきこと・やらなきゃいけないこと」があって飛び交う時間でつかない優先順位ときどき現実逃避でたまに現実対峙してってそんなふうにいられたらなあ〉という歌詞がありますが……今でもそんな感じなんですよ（笑）。

当時も今も「仕事が忙しい」とか「歌詞の締め切りが迫っている」といった追われる日々の中で、「やりたいこと・やるべきこと・やらなきゃいけないこと」の優先順位はどれなんだ！ということを考えていて。

その中で、ときどき現実逃避もしたり、たまに現実と対峙したり......当時の想いがそのまま歌詞になっているのがこの曲。

だから歌詞を見返すと、「あの時と今とで全然変わっていないけど、きっとどうにかなるか！」と思わせてくれて、今でも共感したり、励まされたりする曲です。それと初めて聴いてくれた人もノれるようにと意識した上で作った曲なので、「ライブでノれる」というテーマにもピッタリなんじゃないかな？

歌っていると「自分が歌っている意味」を感じられる曲でもあります。それと同時に、自分に歌ってもらいたいとも思う曲でもあります。

以上が「ライブでノれる・生で聴きたい曲」の紹介でした！

皆さんにもぜひ生で聴いてほしいです。

とは言え、ライブに行きたくても簡単に行けないという方もたくさんいると思います。チケットが取れない場合もあるでしょうし、住んでいる場所、仕事・学校の予定など、さまざまな事情がそれぞれにあると思います。

さらに、アーティストが常にライブをやっているわけでもない。そう考えると、生で聴けることって本当に限られているのかもしれません。私は少し遅れてフランシュシュの存在を知ったこともあって、ライブに参加ができなくて。だからこそ、私自身も、好きなアーティストやコンテンツのライブに行ける機会があれば、それは絶対に逃したくないし、全力で楽しみたいと思いました。

ところで、フランシュシュの紹介の中で「もともとアイドルもののアニメが好き」と話しましたが、アイドル系のコンテンツや声優さんが歌われている楽曲の中にも、このテーマに合う曲がたくさんあります。『デレマス』（アイドルマスターシンデレラガールズ）もそうで、このテーマに入れるかどうか悩みました。

それこそ、10月20日(日) のMay'n Road to 20th Anniversary 「Nice to MEAT you!」に出演いただいたFLOWさんもAliAさんもライブで絶対に聴きたいアーティストです。音源を聴いていてもライブを思わず想像します。でも、実際のライブではそれを超えるパフォーマンスをいつだって見せてくれるんです。この日のライブも最高に熱いステージでした！

逆にライブで初めて見た時に感動する場合もありました。例えば、WUG（ワグ）ちゃん（Wake Up, Girls!）の曲なんですけど……ってもう本当にキリがなくなってしまう！（笑）

と、こんな感じで毎回すっごく迷いながら、バランスを考えつつ選曲をしています（笑）。次回のプレイリストも楽しみにしていてくださいね。May'nでした！

　
【取材・文／逆井マリ】