「これまでの自分を信じて、仲間を信じて、今まで見えなかった道が開ける」――屋比久知奈さんが『モアナと伝説の海２』で紡いだモアナの成長と温かな気持ち【インタビュー】

「海の果ても、越えてゆこう」──どんな運命が待ち受けていようとも。

2017年に公開されたディズニー映画『モアナと伝説の海』。海と特別な絆で結ばれた少女・モアナが未知の世界へと踏み出す姿は、世代を超えて多くの人々に勇気と感動を届けました。

そして2024年12月6日（金）、待望の続編となる『モアナと伝説の海２』が全国公開されます。前作から3年後を舞台に、成長したモアナは美しい海と世界を救うための新たな航海へ。お馴染みのキャラクターたちの活躍はもちろん、「ビヨンド ～越えてゆこう～」をはじめとした新曲が織りなすミュージカルパートも大きな見どころです。

アニメイトタイムズでは、日本版でモアナの声を務める屋比久知奈さんにインタビューを実施。モアナと共に歩んだ7年間やキャラクターの成長、今作から受け取ったメッセージについて、お話を伺いました。

モアナは大切な一部として生き続ける「切り離せない存在」

ーー前作『モアナと伝説の海』から実に7年ぶりの続編になります。改めてになりますが、今の屋比久さんにとって、モアナというキャラクターはどのような存在になっているのでしょうか？

モアナ役・屋比久知奈さん（以下、屋比久）：モアナはずっと自分の中にいました。前作を演じるうえで、自分自身とモアナにリンクする部分が沢山あって、彼女の言葉や音楽、作品のメッセージに支えられていたんです。

私に自信をくれて、初心を思い出させてくれる人。だから、これからも私の大切な一部として、生き続けるんじゃないかなって。

ーーこの7年間、大きな舞台に立たれる機会も多かったと思いますが、モアナと屋比久さんはずっと一緒にいたんですね。

屋比久：そう思います。当時のインタビューでもお話しさせていただきましたが、自分の中で「私には選ばれた理由がある」というモアナのセリフが大きな糧になったんです。プレッシャーや不安を感じた時、モアナの言葉を自分が発することで安心できたというか、彼女に「大丈夫だよ」と背中を押してもらえた気がして。彼女の言葉や自分がモアナを演じたという事実に支えられながら、この7年間で何度も思い返していました。

自分と切り離せない存在に出会えるのは本当にありがたいことなので、これからも大事にしていきたいですね。観てくださったファンの方々から「モアナが大好き」「モアナの曲を聴いている」と言っていただけるのもすごく嬉しいです。

ーーモアナが多くの人に愛されているのは、屋比久さんが演じているからこそだと思います。

屋比久：いやいや……！　でも、モアナは愛すべきキャラクターなので、彼女を演じられることは本当に幸せだなと。今回の続編でも、改めてそれを実感しました。

ーー「続編が決まった」と聞いた時は、どのようなお気持ちでしたか？

屋比久：1作目が綺麗に完結したからこそ、「続きがあると嬉しいな」と思う反面、現実的に想像できていなかったというのが正直なところというか。だからこそ、モアナがどんな冒険に出るのか、作品のいちファンとしても楽しみでした。驚きもありつつ、素直に嬉しかったです。

ーー劇中では前作から3年が経過しており、モアナも少し大人になっていますね。

屋比久：見た目的には少しの変化ですが、表情や髪型、服装、所作から3年という時間の流れが自然に表現されていて、ディズニーさんの技術の高さを感じました。

物語としては、純粋な海への憧れを持っていた前作から3年が経ち、様々な経験や責任を抱えたうえでのモアナの不安も描かれます。私自身も7年間で色々な経験をさせていただいたので、今回のモアナにも共感するポイントが多かったです。

ーーそういう意味では、7年間の屋比久さんの経験がお芝居にも反映されているのでしょうか？

屋比久：「反映されていたら良いなぁ」と思っています（笑）。自分で意識していなくても、周りから「大人になったね」と言われることがあって、もしかしたら声や表現にも変化が出ているかもしれません。オリジナル版のモアナを演じているアウリィ（・クラバーリョ）さんも大人になっていましたし、無理に大人っぽく演じるよりは、作りすぎないお芝居の方が良いと思いました。言い回しや感情の込め方がToo much（トゥーマッチ）になると、作品の持つピュアな魅力が伝わらないと思うので、余計なものは出さないようにしたいなと。