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『アオのハコ』蝶野雛の恋が切なすぎる理由

現実には起こってほしくないくらいに切なすぎてたまらない……『アオのハコ』もう1人のヒロイン・蝶野雛の恋が切ない4つの理由

少年漫画誌「週刊少年ジャンプ」で連載中の漫画『アオのハコ』。中高一貫のスポーツ強豪校を舞台に、バドミントン部の高校一年生・猪股大喜とバスケットボール部の高校二年生・鹿野千夏を中心とした、部活に打ち込む高校生たちの青春と恋模様が描かれた人気作品です。

10月よりアニメの放送もスタートした本作ですが、先日放送された第6話では、本作のもう1人のヒロインである蝶野雛が大喜への恋心を自覚しました。私は原作読者なのですが、この雛の恋が切なくてたまらないのです。きっと同じように感じている原作ファンも多いはず。

そこで本稿では、なぜ雛の恋がこんなにも切ないのかを考えてみました。さらに、早く先が知りたい方のために今後の雛の恋の行方についても触れています。ネタバレを含みますので注意してご覧ください。

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アオのハコ
毎朝一番に会いたい人がいる――中高一貫のスポーツ強豪校・栄明高校に入学する、男子バドミントン部の一年生・猪股大喜。大喜は毎朝、朝練で顔を合わせる一つ上の先輩、鹿野千夏に恋をする。千夏は女子バスケットボール部のエースで、校内外問わず人気の高嶺の花。部活に恋に勉強に、大喜にとって忙しい高校生活がはじまる、そんなある日――作品名アオのハコ放送形態TVアニメスケジュール2024年10月3日(木)~TBS系にてキャスト猪股大喜:千葉翔也鹿野千夏:上田麗奈蝶野雛:鬼頭明里笠原匡:小林千晃針生健吾:内田雄馬西田諒介:坂田将吾船見渚:永瀬アンナ島崎にいな:結川あさき兵藤将太:小野友樹遊佐柊仁:小野賢章スタッフ原作:三浦糀(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)監督:矢野雄一郎キャラクターデザイン・総作画監督:谷野美穂シリーズ構成・脚本:柿原優子色彩設計:今野成美美術監督:藤井王之王撮影監督:川下裕樹編集:笠原義宏音響監督:明田川仁音楽:大間々昂クリエイティブアドバイザー:モギシンゴ企画プロデュース:UNLIMITEDPRODUCEbyTMSアニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルム主題歌OP:「SameBlue」Official髭男dismED:「ティーンエイジブルー」Eve公開...

主要人物

蝶野雛

元体操日本代表の父を持つ新体操部期待の一年生。大喜とは中学一年生の頃から同じクラスで、腐れ縁であり親友。気の置けない仲の大喜とは軽口を叩いたり、からかったりしてよくじゃれ合っている。明るく天真爛漫でストイックな努力家。
 

猪股大喜

本作の主人公。バドミントン部の一年生で、朝練でいつも自分より早く来ている千夏に憧れ、恋心を抱いている。バスケ部の次期エースである千夏と釣り合う人物になるため、自分もインターハイ出場を目指すようになる。真面目で優しい人柄。
 

鹿野千夏

本作のヒロイン。校内外から注目されるほどの実力と人柄を兼ね備えたスター選手で、次期エースとしても期待されている。父親が海外転勤となったが、バスケを続けるため猪股家に居候することに。

雛の恋が切ない4つの理由

ここからいよいよ本題に入りましょう。雛の恋がなぜここまで切ないのかを4つの理由に分けて解説していきます。知れば知るほど心がギュッと苦しくなります……。

互いをよく理解しあっている

そもそも親友である雛と大喜。作中では、2人がお互いをよく理解しあっていると感じる描写が何度も登場します。特に相手の長所に関してはより強く認識しているようです。

例えば、雛は大喜が大きすぎる目標にがむしゃらに向かっていく姿勢を「ほんと無茶が好きだねぇ」と笑いつつ、そんなまっすぐに頑張る姿が彼の良いところだと感じています。

一方、大喜が雛をよく理解していると感じるシーンも。それは、雛が大喜への恋心を自覚した直後、大喜に詳細は伏せた状態で「このままじゃ絶対勝てないだろうなって人がいるの」と、相談を持ち掛けたときのことです。

勝負の相手(=千夏)が逃げたくなるほどの強者だと話す雛に対し、大喜は「でも絶対逃げないだろ」と一言。「負けるのは勿論イヤだし プライドも許さないだろうけど 何より戦わずに逃げる自分を許せないタイプ」と見事に雛の人柄を言い当てたのです。

大喜への恋心をどうするか迷っていた雛でしたが、自分の性格を他でもない大喜に言い当てられたことで、引かずにアプローチすることを決心しました。

加えて大喜は選手として結果を残している雛を尊敬しており、真面目で努力家なところや気さくで話しやすい人柄など彼女の長所をたくさん知っています。大喜は人としても友達としても選手としても雛のことを好き(Like)なのです。
 

雛の方が付き合いが長く深い

中学一年生の頃からずっと同じクラスの雛と大喜。かれこれ3年以上の付き合いであり、思い出の数は数えきれません。中学一年の頃にクラスみんなで行った夏祭り、中二のときに雛を庇って大喜が捻挫したこと……作中で思い出話が出てくるのは、千夏相手ではなく雛相手ばかりです。

しかし、付き合いが長くても、たくさん思い出があったとしても、大喜が雛を好きになる理由にはなりませんでした。もちろん、付き合いの長さや思い出の多さで相手を好きになるわけではないので仕方がないと言ってしまえばそれまでなのですが、そうだとしても雛の健気な姿を見ていると、この事実に心が苦しくなってしまいます。
 

他の人を好きだと知ったうえで恋心を自覚

なによりも切ないのが、大喜が千夏を好きだとわかったうえで恋心を自覚してしまったことではないでしょうか。はじめは親友として大喜の恋を応援しようとすらしていた雛。千夏に彼氏がいるか聞くなど、ちょっとお節介なくらい協力的でした。

しかし、同居を機に大喜が千夏との距離を少しずつ縮めていくと、雛は胸にチリっとした痛みを感じ始めます。3年以上気付くことがなかった恋心を、皮肉にも大喜が他の人を好きになったことによって自覚してしまったのです。

一度自覚した恋心はどんどん雛の中で存在感を増していき、ごまかしたり気付かないふりをしたりすることも難しくなっていきますが、雛はこの恋を叶えるのは難しいとわかっています。こんな悲しい恋、あっていいんでしょうか……。
 

友達は気付いていた

雛が自分の本当の気持ちに気づくよりも前から親しい友達はその気持ちを察していたようです。同じクラスでバドミントン部の笠原匡は、雛の変化にいち早く気づき、やっと恋心を自覚した雛を見て「外野から見てる側としては ようやくかって感じだけど」とすら思っています。

さらに、雛の友達・島崎にいなは、「隠してるつもりあったんだ」と思うくらい完全に雛が大喜のことが好きだとわかっていました。それでも、茶化したり野暮に本心を聞いたりしないところが友達2人のいいところなのですが、もっと早く2人が気付かせてあげてくれていたら……とどうしても思ってしまいます。

それに、第三者にはわかっているのに当の本人である大喜は全く気付いていないのが、もどかしいったらありゃしない……。大喜がもっと早く雛の好意に気づいていれば結果は大きく変わっていたのではないでしょうか。

<次ページ:雛の恋の行方は?※ネタバレ注意>
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