「自分の演じるキャラをおもしろく見せよう」という熱意を全員から感じた――『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』川井モナ役・芹澤優さんインタビュー|皆さんは「心頭滅却」することなく、モナのかわいさに遠慮なくオチてほしい
つぼみ役・花澤香菜さんのアドリブに感動! 全員の熱量が高く、チームワークが抜群だった現場
──収録現場での裏話があれば教えてください。
芹澤:現場はみんな仲良しで、学生時代の教室を思い出しました。教室のあちらこちらで盛り上がっているけど、気付いたら1つの話題で盛り上がっていたりして。特に山下さんと木戸譲役の畠中(祐)さんはユーモラスなお二人なので、いつも現場を明るくしてくださって。
打ち入りや打ち上げとは別に、収録後にキャストみんなで焼肉屋さんに行ったこともありました。高級なお店ではなく、学生さんが行くようなリーズナブルなチェーン店に、先輩の花澤香菜さん(春野つぼみ役)を連れていく申し訳なさや心配もありましたが(笑)。山下さんが後輩の若い声優さんに、演じるときの心得など、熱くお芝居の話をされていて、私も勉強になりました。
現場で真剣に演じているときと、休憩などふざけているときのバランスがいいチームで、毎回アフレコが楽しかったし、「皆さんと会えなくなるのは嫌だ」「いつまでも終わってほしくない」と思うほど、皆さんが大好きでした。
──女性キャラが多いので、女性声優が多いのかなと思っていました。
芹澤:クラスメイトは女性が多かったけど、モブ谷くんや肉山くん、学校の先生などの男性キャストもいて、ブース内の比率は半々だった気がします。
──コロナ禍が明けてから、こんなに密度が高い収録も久しぶりだったのでは?
芹澤:そうですね。マイクワークも、私はマイマイクがあったのでやりやすかったですが、皆さんは大変そうでした。「どうぞどうぞ」と譲り合ったり(笑)。そうやってコミュニケーションを取り合いながら1つの作品を作っている感じが、この作品は強かった気がします。
──モナ以外のお気に入りキャラを教えてください。
芹澤:みんなお気に入りなんですが、モナ目線だとつぼみが一番興味がないというか眼中になくて。かわいいと言ってくれるのはモナにとっては当たり前のことなので。でも芹澤としては花澤さんが演じるつぼみはほぼ毎回アドリブを入れてくださって、それが超おもしろくて。花澤さんのすごさを感じました。
──続いてメダカではなく、岩崎さんが好きそうだなと思うキャラを予想してもらえますか?
芹澤:そういう話を一度もしたことがないので、私の勘になりますが……美波じゃないかなと。岩崎さんは頭のいい女の子が好きそうなので(笑)。現場でもツッコミ役というよりはイジられキャラで。ヒロインの中で一番賢いのが美波ちゃんだと思うので、美波ちゃんに「やれやれ」みたいにされるのが好きなんじゃないかなと。
皆さんは「心頭滅却」することなく、モナのかわいさにオチてほしい
──全体的な見どころとご自身のキャラ的な見どころ、それぞれのご紹介をお願いします。
芹澤:アニメになって、声優さんが声やお芝居をつけると、こんなにおもしろくなるんだな、と声優である私自身が思ってしまうほど、キャラの魅力が更に増していて。「モブ谷」のようにキャラ名にモブとあるようなクラスメイトもみんな、おもしろくて。アドリブなどでボケまくって、それが採用されるとガッツポーズしてしまうくらい、誰もが「自分の演じるキャラをおもしろく見せよう」という熱意を感じる現場だったので、声がついた登場人物のキャラ立ち感と更に増している魅力を楽しんでほしいです。
あとモナはまだメダカを落とそうとしている段階で「これは恋じゃない」と言い張っているので……どう見ても恋なんですけど(笑)、モナの恋の行方や一生懸命な姿を見守ってほしいなと思います。
──今、恋をしている人、特に女子は共感できるでしょうね。
芹澤:特に旭(CV:雨宮天)に共感できると思います。あっでも旭も様子がおかしいところがあるので(笑)……誰に共感できるのかと選ぶのは難しいけど、振り向かせるためなら負けないと頑張るモナや、本当は恥ずかしがり屋なのに好きな人に振り向いてもらうためなら一歩踏み出せる旭の姿は勇気をもらえると思います。恋をしているアナタ、モナとどちらが早く好きな人を振り向かせられるのか、競争してみませんか?
──ちなみに、アニメの公式サイトのURL内に「monaxmedaka」とあるので、スタッフさんも二人の恋を応援しているのでは?
芹澤:初めて気付きました(笑)。皆さんもモナの恋を応援してくださいね。
──原作ファンの方とアニメから触れる方、それぞれへメッセージをお願いします。
芹澤:原作ファンの方は、たぶんモナちゃんのことがすでに好きじゃないかなと思っているので、私が演じることでより好きになってもらえたら嬉しいし、アニメ化してよかったと思ってほしいです。私はモナちゃんがもっと輝けるようにと思いながら、できることはすべてしました。どうか温かく見守っていただけたらと思っています。
アニメから触れる方はすごく幸せだと思います。(取材時点で)コミックスは16巻まで発売されていますが、この1クールの中では数巻分をじっくりと丁寧に描いています。それだけ原作の大切なシーンやエピソードを描いているので、アニメから作品を好きになってほしいし、お話の続きが気になって仕方がなくなって、コミックスを読みたくなると思います。
アニメを見て、メダカやモナがいるクラスに自分もいる気分で楽しんでいただけたらと思います。視聴者の皆さんは「心頭滅却」する必要はないので、モナのかわいさに遠慮なくオチてください(笑)。
[文・永井和幸]
作品概要