元気の源で在り続けるアルバムになっていたら嬉しいです――『プリキュア』と共に進んできた軌跡を詰め込んだベストアルバム『“えがおのおくりもの”』に向けて|吉武千颯さんインタビュー
当初から題名に「えがお」を入れたいと考えていた
──今回、ベストアルバム『“えがおのおくりもの” 〜Chihaya Yoshitake Precure Song Best〜』のリリースが決まった時、どのような気持ちでしたか?
吉武:素直に、すごく嬉しかったです。長年『プリキュア』ソングを歌わせていただく中で、理恵さんとMachicoさんがアルバムを発表していく姿を間近で見ていて。おふたりのリリースイベントに出演させていただいていたこともあって「いつか自分も」とずっと思っていました。だからすごくすごく、嬉しい気持ちでしたね。
また、『プリキュア』シリーズのお歌は私にとっても特別で、思い出や想いが詰まっていますが、ファンの皆さんにとってもそれぞれの作品ごとに思い出があると思います。当たり前かもしれませんが、「これは私だけのものではなく、みんなのものだ」と常日頃感じていました。
その分……なんて言うのかな。みんなにこれまでのお歌を届けられるんだという喜びと、「頑張ろう」という気持ちと、責任感とでいろいろな気持ちになったことを覚えています。実はその頃から、題名に「えがお」というワードを入れたいなと思っていたんです。
──へえ!
吉武:自分が今まで『プリキュア』ソングを通してもらってきたえがおってたくさんあって。少しでもそのえがおを恩返しできるような、そういう作品になればと思っていました。
──SNSやインスタグラムにえがおの写真が多いのも、その「えがお」に対する思いがあってのことなのでしょうか?
吉武:ああっ、どうでしょう?(笑)でも言われてみれば確かにSNSに載せる写真やブロマイドは笑顔が多めになるかも……。
──意識しているわけではなかったんです?
吉武:そうですね。特別意識しているわけではなかったんです。
──そうだったんですね。吉武さんの写真を見ていると、こちらも自然とえがおになってしまうんです。えがおって伝染するし、見ているこちらも元気になる。そういう魔法があるなと思っていました。吉武さん自身は、えがおにどういうチカラを感じているのかなって。
吉武:私も大切な人やファンの方がえがおだと自然とえがおになれるんですよね。おっしゃるとおり、えがおって伝染するものだと思っているので、私自身もなるべくえがおでいたいなと常に思っています。
でも、それこそSNSに載せた昔の自分の写真を見ると、今とはまた違う笑い方をしているような気がするんです。「今の自分はこんな風に笑うんだな」と感じたりもします。今は「ちはちゃんといえばえがお」と言っていただくことが多いですが、えがおも少しずつ変わってきたのかなと思いますね。
──それはどうしてなんでしょうね?
吉武:自分がいろいろな経験をさせていただき、みんなとの思い出を作ってきたからこそ、いまのえがおがあるんだろうなって思っています。えがおにつながる栄養素みたいなものは、みんなからもらっているんだろうなって常に思っています。
──まさに〈いちばんそばにある元気の素 ねえキミの笑顔を見せてほしい〉ですね!
吉武:本当にそう思います!
物語を感じる1枚になっています
──今回のベストアルバムは新曲2曲含めて全部で18曲。これまで歌われてきた楽曲を厳選した形となっています。収録曲について、吉武さんから「これは絶対に入れたい」といった要望はあったのでしょうか。
吉武:井上さんに後ほどぜひ聞いてもらいたいのですが、結果的にCD1枚に入る最大を入れてもらったんです。本当にありがたいことに、入りきっていなくて(笑)。全部含めると、30曲近くあるんですよね。だから「どの曲を入れますか」という話になったときに「アルバムに入り切らないんですか? えっ?」って、改めて自分でも驚きました。
収録曲については、井上さんとその都度話し合いをしていたんです。井上さんもものすごく迷っていた様子でした。でも主題歌は絶対に入れたいよねって。いろいろなところで歌わせてもらってきた、ファンの皆さんとの大切な思い出が詰まった曲なので、主題歌は入れたいとお伝えしました。
──でもそれだけでかなりの数が埋まってしまうという(笑)。
吉武:ありがたいことに、そうなんです(笑)。それと私からは「All for one Forever」(M-8/『映画プリキュアオールスターズF』挿入歌)と「KIZUNA◇ダイアモンド」(M-9/『ひろがるスカイ!プリキュア』イメージソング)を入れたいというお話をして、でもだんだんとキリが無くなってきて(笑)。井上さんが最終的に決めてくださったので、助かりました。自分ひとりで全て選ぶのは難しかったと思います。逆に井上さんがどのように選曲をされたのか、私も聞いてみたいです(笑)。
──私も聞きたいです。
井上:吉武さんが『プリキュア』と歩んできた、その歴史を感じられるような1枚にしたかったんですね。いろいろな成長や表情の変化が見られる楽曲を集めたら、結果的に18曲になりました、という感じではありますが……選曲は難しかったですね。収録しなかった曲が大事じゃなかったわけではなくて、むしろ思い入れのある曲が多すぎたんです。
その中から、より作品としても大切な関係性があった曲を今回のアルバムには収録させてもらいました。本当は2枚組、さらにDVDを含めた3枚組にして全曲収録することも検討したんですが……あえてそうしなかった理由もあるんです。それについては、今後のお楽しみにしていただければと思います。