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映画『はたらく細胞』山本耕史(キラーT細胞役)×仲里依紗(NK細胞役)インタビュー

「最後までハッピーにいられるように」という気持ちは常にあります――映画『はたらく細胞』山本耕史さん×仲里依紗さんインタビュー|筋肉痛や激痛と戦いながら挑んだ、キラーT細胞とNK細胞のアクション

2024年12月13日(金)より映画『はたらく細胞』が公開中です!

『はたらく細胞』は、2015年より2021年まで『月刊少年シリウス』(講談社)にて連載された清水茜さんによる漫画。シリーズ累計発行部数が1000万部を突破しているメガヒット作品です。また、原作者監修による複数のスピンオフ漫画が連載されているほか、TVアニメも制作されています。

アニメイトタイムズでは、映画の公開を記念して、キラーT細胞役・山本耕史さん、NK細胞役・仲里依紗さんにインタビュー! 作品の魅力や撮影時のエピソード、俳優としておふたりが大切にしていることなど、様々なお話を伺いました。

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「セリフのテンポは1.5倍速」武内監督からの衝撃リクエスト

ーー本作の出演が決まった際の心境や作品に対する印象をお聞かせください。

キラーT細胞・山本耕史さん(以下、山本):実は作品を知らなかったので、「どんな役なんだろう?」と気になって、子供と一緒にアニメを見たんです。

身体の中というのはどこの国であっても一緒なので、世界中どこでも通用しますよね。ファンタジーとしても見られるし、ファンタジーと思いきや実際の細胞の働きや仕組みを学べるところも面白くて。子どもたちに細胞を教えるというのはなかなか難しいからこそ、この作品はある種の発明という気がします。

NK細胞役・仲里依紗さん(以下、仲):私も山本さんと一緒で、出演のお話をいただいてからアニメを拝見したんですけど、「NK細胞ってこんなに格好良い役なんだ!」と驚いて。格好良い役を演じるのは久々だったので、新鮮な気持ちで撮影に臨めました。私の出演が発表されると、周りから「『はたらく細胞』に出るの?」「『はたらく細胞』が好きだから、出演してくれて嬉しい」「里依紗ちゃん、どの役?」とか、沢山言われたんです。

「これほど人気の作品に出演できるのは嬉しいな」とジワジワ喜びを実感しました。撮影中はアクションで頭がいっぱいだったので、そんなことを考える余裕はなかったんですけど、本当に出演して良かったなと。映画では人間の世界も描かれるので、身体のはたらきがより理解しやすいと思います。色々な方に観ていただきたいです。

山本:原作では身体の外側(人間の世界)が出てこないじゃないですか。(漆崎日胡役の芦田)愛菜ちゃんや(漆崎茂役の阿部)サダヲさんの世界観は映画ならではの特徴だと思います。僕らが終わってから外側の世界を撮影していたので、「全く別の映画を撮っているみたい」とスタッフも言っていたくらい世界観がバラバラで。でも、それはこの作品だから可能なやり方ですし、武内(英樹)監督のこともよく知っていたので、カラフルでポップな作品が出来そうだなと。

ーーおふたりの共演シーンで思い出に残っている出来事がありましたら、お聞かせください。

山本:それはもう『大奥』だよね(笑)。

仲:『大奥』でしょう!

山本:ウソです……。

仲:あはは(笑)。

山本:以前『大奥』という作品で関係性の深い役をやっていたのですが、今回はそれ以上に近い役だと思います。なんだかんだ言いながら、いつも一緒にいたよね。

仲:ケンカしながら、ずっと一緒にいる役でした。

山本:さっきの話じゃないですけど、お互いアクションには苦労しましたよ。

仲:本当に大変でした。撮影前のアクション練習で、大内貴仁アクション監督のチームが事前に演じた映像を見たんです。「こういう感じのアクションを想定しています」と言われて、「これを私がやるんですか!?」と何度も確認しました。「私で大丈夫かな?」とすごく不安だったんですけど、そこから沢山練習を重ねて。基礎的な受け身から最後の振り付けまで、筋肉痛と戦いながらやっていました。私は武器があるけど、山本さんは素手ですから。もっと大変だったと思います。

山本:細かいケガはありましたね。殴るシーンを撮る時、実際にはぶつけないように空振りするんですけど、ぶつけていないのに手がパンパンに腫れて激痛が走るんですよ。実は空振りってすごく危ないらしいです。強い力で振りきると、その遠心力で血液が一方の方向に流れるので、きちんと止めないといけない。撮影後半で殺陣師の方から、「手を持っていかれますよ」と言われて、それでこんなに痛かったんだと。衝撃を吸収してくれる対象物がない中で、思い切り振る怖さはこの役から学びました。

仲:山本さんとは何度か共演していますが、どの作品でもありがたい存在です。現場でも側にいてくださって、すごく助けてもらっています。私自身はアクションも殺陣もそれほど経験がなかったので、山本さんの後ろ姿から勉強させていただく部分が沢山あって。ただ、今回の作品はキャラクター的には対立しないといけないので、こっそりと見ていました(笑)。

ーー(笑)。武内監督や大内アクション監督からの演出やアドバイスで印象に残っているのはどんなことですか。

山本:武内監督とは何度もご一緒していますけど、大内さんは今回の作品が初でした。武内監督の作品は、常にテンポ(アップ)というのが昔からの特徴なんです。こういった特殊な世界観を上手く転がすには、なるべく間を詰めることが必要だと思いますし、そう考えるとこの作品にはピッタリだと思います。明確に自分がやってほしいことを伝える監督だと思うので、個人的にはやりやすいですね。

大内さんは、役者がよく見えるように現場で臨機応変に形を変えてくださる方です。「山本さんはこっちの方が得意だから、こうしましょうか」という感じで、フレキシブルに対応していただいて“プロフェッショナル”という印象を受けました。今回の作品は、キャラクターごとにアクションのタイプが違うから難しいですよね。例えば、白血球(好中球)役の佐藤健くんの細かいナイフの立ち回りと、NK細胞の大ぶりの立ち回りと、キラーT細胞の肉弾戦を分けながら、指導しているのはすごいなと思いました。

仲:私はお二方とも初めてご一緒しました。最初の衣装合わせの時に、武内さんが「セリフのテンポは1.5倍速と考えてもらえれば大丈夫です」と仰っていて、とても分かりやすい指示だなと。その方が見やすく分かりやすく、『はたらく細胞』らしくなるんだなと納得できました。そういう監督は初めてで面白かったですし、現場では褒めてくれて嬉しかったです。

大内さんは見た目がコワモテで、最初は「怖そう」と思ったんですけど、現場でかなり印象が変わりました。私が格好良いアクションをやった後に、クセで「キャー!」と言うと、その姿を見た大内さんが「さっきまで睨み付けていたのに」って爆笑してくれたんです(笑)。

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