結末が異なる「絶望エンド」と「救済エンド」の見どころは? 舞台『終遠のヴィルシュ -ErroR:salvation- Case. Scien Brofiise』セレス役・太田夢莉さんインタビュー
セリフ量と場面転換が多いシアンとのシーン
──ご自身が演じるセレスは“死神”と呼ばれ忌み嫌われてきた存在ですが、どのようなキャラクターだと感じていますか?
太田:こんなに可哀想なヒロインある!?と思いました。ゲームをプレイしていても「私なんかが……」とすごく消極的な発言が多いので、「そんなに気にしなくて大丈夫だよ!」と。自分ならまだしも、周りにいる人が不幸になるなんて1番気にしちゃいますよね。
──本当に1番心が苦しくなると思います……。そんなセレスを演じる際、特に意識していることはありますか?
太田:“目立ちすぎない”というところを意識しています。最近は、自己主張が強いキャラクターを演じることが多かったので、セリフの言い回しもハッキリとしていたり、印象に残る言い方をしたりしていましたが、今回はあくまでプレイヤーという立ち位置です。
みなさんが私の目線に立って楽しんでもらうための作品なので、あまり私が出過ぎないようにしなきゃいけないんですけど、それが本当に難しくて……。控えめに演じるというか、あまり主張しないというところに苦戦しています。
セレスは派手に振る舞うキャラクターでもありませんし、だからといって控えめにし過ぎてしまうと客席に伝わらないので、その塩梅が本当に難しいです。
──そこは本当に難しそうです。また、セレスの周りにいる魅力的なキャラクターとのやり取りも見どころの1つだと思いますが、他キャラクターとの交流で注目してほしいポイントはありますか?
太田:いろんな方と1対1でお話をするシーンがあるんですけど、本当にキャラクターによって属性が違うので、話す相手によって得られる感情が変わるのが不思議で面白いです。
シアンと話をしているときは本音をこぼしたり、アドルフと話すときは安心感があったり。お客さまにもセレスの視点で楽しんでいただけたら良いなと思います。
キャストのみんなとも、各々でゲームをプレイして大事なシーンだと感じる場面はできるだけ忠実に再現しようと話し合いながら進めています。
──みなさん、ゲームをプレイされているのですね。稽古場の雰囲気はいかがですか?
太田:すごくアットホームな雰囲気です。初めてお会いする方が多いんですけど、いろいろなキャラクターと関わる役柄なので、なるべくコミュニケーションを取るようにしています。
年が近い子とは仲良くなりましたし、年が上の先輩方は良きお兄さま、お姉さまのような感じですごく優しい空気に仕上がっていて、とても良い稽古場です。
──稽古を重ねていくなか、スタッフやキャストとのやり取りで印象に残っていることはありますか?
太田:シアンとのシーンはセリフ量が多く、どんどん場面転換していくのでお互いに必死でした。稽古の最初のほうは、結構セリフに追われてしまっていて……。
そんなときに、瑞さん(脚本・演出の粟島瑞丸さん)から「もっと感情のラリーをしなさい」と言われて、1番大事なことを忘れていたことに気づかされました。
ゲームが題材の2.5次元舞台はお話がどんどん変わっていきますが、お互いに落ち着いて、1個1個丁寧にやらなきゃなと改めて思ったことが印象に残っています。
──なるほど。どのような場面でも感情が1番大切だ、と。
太田:瑞さんの言葉は本当に大事なことだなと改めて思いましたし、体のちょっとした動き方でそういう風に見せることはできても、内側がしっかりしていないと感情は伝わらない事にも気づかせてくれました。
結末が異なる2つのエンド
──本舞台は「絶望エンド」と「救済エンド」の同時上演ということで、違う結末を楽しめるのもポイントですね。
太田:絶望と救済の2つのエンドがあると聞いたとき、結末が少し変わるだけで、お話自体はそんなに変わらないだろうと思っていました。
でも、台本を読んだら本当にガッツリとお話が違っていたので、両方のチケットを取っている方はそれぞれ楽しめるんじゃないかなと思います。
私たちが稽古をしていても混乱することがないくらい、本当にまったく違う結末になっているので、ぜひ絶望エンドも救済エンドも楽しんでいただきたいです。
──各エンドの見どころや、生の舞台でしか体験できない要素をぜひ教えていただけたらと。
太田:絶望エンドは、男同士の戦い、男同士だからこそ、というものが見られます。救済エンドは、もうシアンが……という感じです。
──お〜!
太田:ゲームで声優のみなさんが素敵なお声をあてていらっしゃるキャラクターたちが、舞台では動いていて、しかも殺陣シーンもあります。客席との距離が近いからこそ、ここにキャラクターがいる!と、すごく見応えのある舞台になるんじゃないかなと思っています。
──最後に、『終遠のヴィルシュ』の舞台を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
太田:今回はシアンルートをお見せいたしますが、お客さまもキュンとするシーンもありますので、是非楽しみにして頂けたらと思いますします。
そしてシアンはもちろん他のキャラクターもカッコいいですし、セレス目線でも他キャラクターの目線でも楽しんでいただける、本当に盛りだくさんな内容です。結末がまったく違う絶望エンドと救済エンドの両方をぜひお楽しみください。シアターサンモールでお待ちしております。
──ありがとうございました!
『終遠のヴィルシュ -ErroR:salvation- Case. Scien Brofiise』情報
概要
【日時】2024年12月19日(木)~12月29日(日)
【場所】シアターサンモール(東京都新宿区新宿1-19-10 サンモールクレストB1)
あらすじ
西ヨーロッパの小国・アルペシェール。
四方を海と黒き災いの花――リコリス・ノワージュに囲まれた
この国の人間は23歳までに死に至る《死の呪い》を抱いて生まれてくる。
万人に等しく死が降り注ぐアルペシェールは、いつしかこう呼ばれるようになった。
――死神に魅入られた国、と。
国民は短命である自分たちの運命を嘆き、抗う。
そして長年にわたる研究の末、あるシステムを創り出した。
23歳までに死を迎える肉体を捨て、記憶だけを生き永らえさせる――“記憶のダウンロード”。
“記憶のダウンロード”によって永続的に生き続ける人々は“リライバー”と呼ばれ、 短命に抗い続けている。
時を同じくして、関わる者全てが不幸になることから《死神》と呼ばれる少女がいた。
人生を嘆いた少女が自ら生を終わらせようとした瞬間、目の前に《死の番人》だと名乗る謎の男が現れる。
番人の導きにより、少女は否応なしにこの国に巣食う《様々な死の謎》に近づくこととなる。
死神に魅入られた者の運命が行きつく先は―― 絶望だと知らずに。
キャスト
シアン・ブロフィワーズ:北出流星
セレス:太田夢莉
イヴ:北村健人
リュカ・プルースト:佐野真白
マティス・クロード:永島龍之介
アドルフ:高本 学
アンクゥ:林 光哲
サロメ:石井陽菜
ヒューゴ:中田凌多
ダハト:古賀 瑠
橋本征弥
小泉 丞
久保 春
大塚優希
竜崎新大
チケット
【価格】9,800円(税込・全席指定)
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2454131
※本作は残酷な表現・描写が含まれます。ご了承の上でチケットのご購入をお願いいたします。
※手数料や注意事項などの詳細は、申込受付サイトにて必ずご確認の上お申込ください。
ゲーム『終遠のヴィルシュ -ErroR:salvation-』
発売日:2023年12月21日
価格:16,280円(税込)