ギャップが面白いクリスティーナ、でも本人は常に真剣なんです!──秋アニメ『さようなら竜生、こんにちは人生』クリスティーナ役 大橋彩香さん【連載インタビュー第7回】
ドランは旦那候補として最高だと思います(笑)
──さて、直近の第9話ではゲオルードとの戦闘がありました。
大橋:まず、ゲオルードと対峙する前に馬車で突進するところが面白かったです。まさにクリスらしいダイナミック登場でした。クリスはどうして戦いに惹かれるのか、その理由を知ることができたのもよかったですね。もちろん、それを知ったことでまた悩むこともあると思うんです。でも自分の力の根源を知り、それをなんのために使えばいいのか理解できたので、ひとつ吹っ切れたのではないかなと思います。
──竜と勇者の関係に思いを馳せるシーンもありましたね。
大橋:勇者が友を裏切ったと思い込んだクリスに、ドランがどんな結末であれ二人とも友情を大切に思っていたのではないかと言ってくれたのがよかったです。きっと救われるものがあったのではないかなと思います。
──第10話の宴会後のシーンですね。あそこではクリスティーナが「クリスティーナの唄」を歌っていました。
大橋:この楽曲は監督立ち会いのもと、別途レコーディングさせていただきました。ただ、クリスとして歌うのが自分の中ですごく難しくて……。クリスを意識して癖を出しすぎると私ではなく別の人が歌っている感じになってしまうんです。なので、素直にのびのびと歌うのがクリスらしさだと信じて、それを意識しながら歌わせていただきました。
──短くはありますが、とても壮大で聴き応えがありました。
大橋:そうなんです。どこか切なさのあるメロディーラインに、まさに歴史を振り返るような壮大さがあって。とても幻想的で素敵な唄でした。そこへドランがやってきて二人でお話しするシーンもすごく好きです。クリスが照れるシーンもレアでしたし、先ほどお話しした勇者と竜のことをドランが語ってくれて、クリスが少し嬉しそうにするところにグッときました。
──戦闘以外のところでは、女性陣同士も仲良くなっていきましたよね。
大橋:第8話の女子トーク、好きでしたね~(笑)。セリナもクリスもやっぱり年相応の普通の女の子なんです。私たちも女子の間では体型の話をよくするので、この世界でもそういう会話があるんだって、ちょっと親近感がわきました。そこにさらっといるドランは一体なんなんだと思いましたが……(笑)。
──普通にいて、普通に会話に混ざっているのがすごいですよね(笑)。
大橋:場に溶け込むのがうまいなって毎回思います。それこそ第3話でセリナの家にお邪魔したときも、さりげなく壁に寄りかかっていましたから。
──大橋さんはそのドランをどのようにご覧になっていますか?
大橋:すごくかっこいいです! 私が特に好きなのは、相手のことを考えた優しい言葉を選んであげられるところです。たとえば、相手がちょっと失敗したり、ちょっと間違ったりしたときに、その人に向けた的確なアドバイスを嫌味なくできるんです。言葉選びが完璧だなと毎回思っていました。セリナは旦那さん探しをしていますが、ドランは旦那候補として最高だと思います(笑)。
人を褒めるときも、たとえばクリスだったら「いにしえの美しい絵画からそのまま出てきたような可憐さだ」と言うんです(第5話)。そんなこと言っちゃうんだ、この世界でそんなこと言うがいるんだってびっくりしました。でも、ちょっとくさいセリフもドランが言うとすっと受け入れられるんですよね。それは、きっとドランの言葉に裏表がないからだと思います。
──ここまで演じられてきて、特に印象に残っているキャラクターは誰ですか?
大橋:美にあそこまで執着していたキーレンですね。演じられていた津田美波さんには長年お世話になっているんですが、私がご一緒するときはどちらかというとかわいらしい役柄が多かったので、こういう役柄も演じられるんだと驚きました。
妖艶さと狂気の入り交じったお芝居を生で聴かせていただいて、「先輩、すごい!」とビリビリしたのを覚えています。もともと印象に残っていたキャラクターでしたが、声がついたことでより深みが出たなと感じました。
──では最後に、第11話以降の見どころを教えていただけますか?
大橋:魔界門編が一段落したのも束の間、大きな波乱を予感させる第10話となりました。残り2話はドランへの試練とも呼べる展開が待ち受け、それに関してクリスとしてもまた新たなお芝居をさせていただいたので、楽しみにしていただけたら嬉しいです。
(文:岩倉大輔・写真:松本祐亮)
作品概要
あらすじ
悠久の時を生き、神々すらひれ伏す絶大な力を持つその竜は、孤独と共に己の死を受け入れた。
しかし、次に気がついた時、竜は辺境の村人ドランとして第二の生を受けていた。人間として竜よりずっと短い生を生きることになった彼は、畑仕事に精を出し、食を得るために動物を狩る……。
質素ながらも温かい村での生活に、ドランの心は竜生では味わえなかったささやかな喜びで満たされていく。しかしそんなある日、沼地の調査に出かけたドランの前に、セリナと名乗る半身半蛇のラミアが現れる。
伴侶を探して旅をしている彼女は、ラミアなのに人間を誘惑するのが苦手だという。人と魔物、相容れぬ存在ながらも次第に心を通わせていく二人。
だが、二人の前には様々な外敵が現れて――!?
辺境から始まる、元最強最古の竜の“生き直し”ファンタジー!
キャスト
(C)永島ひろあき・アルファポリス/「さようなら竜生、こんにちは人生」製作委員会