この記事をかいた人
- 藤崎萌恵
- 数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスが癒し。主な記事は『チェリまほ』『陳情令』等。
“ハンサム君”こと瀬賀は女装した蛯原を女子と勘違いして一目惚れしていますが、男と知ってからも蛯原にトキめいており反射的にキスをしています。二次元には興味がなかったのに、蛯原目当てで漫研部の同人漫画のアシスタントをしたりコスプレにも協力。蛯原に似た「カスミ」関連の同人誌を購入するようにもなります。
瀬賀の魅力は美形というのはもちろん、知れば知るほど良いところが見えてきて、不器用でなんだか放っておけないと思う読者は多いはず。相手を傷つけるようなことをしてしまったり暴言を吐いてしまったりするのですが、反省してきちんと謝罪する誠実さも。ぶっきらぼうな態度が目立つものの心優しくて繊細で、面倒見の良さも垣間見えます。
続けざまに二人のイケメンから好意を寄せられ、“俺ってなんでこの二人にキスされてるんだろう”と疑問を抱く蛯原。さらに鯛代と瀬賀のライバル関係の描き方も絶妙で、萌え要素満載の三人の構図が非常に面白い。ツンデレ男子たちのわちゃわちゃって、ずっと見ていたいですよね。
瀬賀は当て馬的存在でもあるわけですが、突如として現れた差波との出会いにより物語は新たな方向へと動き始めます。
蛯原がくれたクリップが普通に便利なので家でめちゃめちゃ使っている鯛代と瀬賀(お互い同じ物をもらっているとは夢にも思ってない)#鯛代くん pic.twitter.com/ZgB5IG3mQB
— やまだ (@yamada_mkra) January 15, 2024
注目の差波はコミックス第3巻から登場し、瀬賀はそのアラサー男に翻弄されることに。1学年差の「鯛代×蛯原」に対して、大人の色気が漂う「差波×瀬賀」は12歳差。“年の差”好きにもたまらないカップリングです。メガネ美男子がお好きな方にもオススメ。
差波は捉えどころがないタイプで本心がまだ見えないとはいえ、人を沼らせるタイプであることはたしか……! 瀬賀のことを何でもお見通しのような目で見ていて、瀬賀が真面目すぎることや完璧主義者であることを少し気にかけているようです。
ゆっくり進展していく鯛代と蛯原、一方で少し違った歩み寄りをする瀬賀と差波の関係性。20歳の誕生日の夜、すっかり酒に酔ってしまった瀬賀は差波と危険な一夜を過ごすことになり、抑えつけている欲求や内面に触れられていき、読みながらどうしようもなく心を乱されてしまいます。
夏の絵です pic.twitter.com/usESrpo3Ll
— やまだ (@yamada_mkra) July 22, 2022
🐉𝟐𝟎𝟐𝟒🐉 #鯛代くん pic.twitter.com/wa7qbEmA6a
— やまだ (@yamada_mkra) January 2, 2024
初めて本作を読んだ頃、鯛代のギャップによって私は見事に心を撃ち抜かれ、蛯原のツンデレ男前っぷりが刺さり、不器用な瀬賀からも目が離せず、差波の登場で完全に沼堕ち。瀬賀のようなタイプはもう絶対“受け”だと思いましたし、差波と今後どう絡みあっていくのかゾクゾクが抑えきれなくなります。
ヤマダ先生が描かれるキャラクターたちは吸い込まれるような美しさがあり、見る者を一瞬で沼らせる魅力も。鯛代と瀬賀がとある撮影に挑むエピソードがあるのですが、もとからイケメンキャラの瀬賀は美形にさらなる磨きがかかり、これまで見たことのない雰囲気を醸し出す鯛代の豹変っぷりにも狂わされました。
最近主要キャラを描きましたが、瀬賀だけ5分で出来上がり反省しています pic.twitter.com/Fzhconmh0D
— やまだ (@yamada_mkra) November 10, 2021
キャラクターそれぞれの思考や感情の動き、成長過程が細やかに描写されている作品であり、じっくり構築されていくストーリーの面白さも至高。謎めいた部分があった鯛代の背景が明かされていき、瀬賀に関しても深掘りされていくのが楽しみです。
物語初期は表情の硬かった鯛代ですが、蛯原や漫研メンバーたちとの交流によって表情が柔らかくなり自然に笑顔も見せるように。コミュニケーションのとり方にも成長が感じられ、鯛代は自らの意志で変わろうともしていて、一歩を踏み出す決意に私もすごく元気をもらえたのを覚えています。
漫研部ではリーダーの伴内を中心に和やかな雰囲気が流れており、オタクの談笑や同人漫画を描いたりする日常感も楽しみのひとつ。即売会でのエピソードもあり、部員のマルやシカクが超イキイキと動いている姿も見られます。
心の深淵にも触れながら人間関係が丁寧かつユニークに描かれていく本作。巧みなギャグセンスで笑いを届けてくれると同時に至上の萌えを授けてくれるはずです。
めͫ〜ͤテャ pic.twitter.com/1BQAFWBW52
— やまだ (@yamada_mkra) December 10, 2023
数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスを愛し、大好きな作品はたくさんありますが『チェリまほ』が心のよりどころです。そして『魔道祖師』をはじめ中華BLの沼へ。趣味は国内外のBL漫画や小説を読むこと&ドラマ観賞で、これまでに執筆した記事は『チェリまほ』『美しい彼』『魔道祖師』『陳情令』『ENNEAD』など。
作者:ヤマダ
出版社:リブレ
レーベル:ビボピーコミックス
≪キャスト≫
蛯原:松岡禎丞
鯛代:増田俊樹
瀬賀:白井悠介
差波:古川慎
深鼓:小林ゆう
伴内:杉田智和
マル:西山宏太朗
シカク:沢城千春