2ページ目：人気BL漫画【連載第2回「スパダリ」】『セラピーゲーム』言葉で気持ちを伝える大切さ

紆余曲折を経て後に恋人同士になる湊と静真。幸せを噛み締めつつ、静真は休みもないほど多忙となって湊とのデートもままならない日々を過ごしています。我慢することに疲れて湊が離れていってしまうのではないかという不安を抱き、湊はというと静真の仕事を心から応援しながらも寂しいし嫉妬もするし複雑な感情に苦悩するように。

静真が就職してからは仕事との向き合い方や実際の仕事現場、その人間関係なども詳細に描かれています。湊もまた仕事にストイックなタイプ。湊と静真の人間性がさらに深掘りされていき、恋愛面だけでなく仕事面でも真面目な二人は会えない時間が増えていきます。

言葉にして気持ちを伝える大切さ

どれだけ安心を与えてくれても、ふと不安になることはあるもので、静真を好きになるほどにこわくなったり、何も起きていないことを想像して不安になったり、読んでいて共感できるところも多いです。そんななかでも湊は強くなろうとしていて、静真と一緒にいるため必死に努力をしている姿も。

この作品は、恋に落ちてからたくさん心に触れて関係をじっくり築いていく物語。お互いに何度も何度も愛情を言葉にしており、大事なのは心の不安や苦しみも一人で抱えるのではなくてちゃんと伝え合って共に歩んでいること。

自分の“好き”の感情を言葉にして伝えるのはもちろん。我慢するのが当たり前になってしまうとどうしても限界がきてしまうので、長く一緒にいるためには言葉にして理解してもらうことがいかに大事かというのも身に染みた部分です。

想いを共有して答えを探ろうと向き合っていく湊と静真の愛に満ちた関係。熱量があり多幸感に包まれる作品ですので、ぜひシリーズを通して彼らの愛の深まりをご堪能ください。

【攻め】湊の兄・樹×【受け】静真の弟・翔平

本シリーズはまさかの兄弟と兄弟で2組のカップリングが誕生しており、なんとも珍しい関係。湊と静真それぞれの兄弟である【樹×翔平】の馴れ初めはシリーズ1作目の『シークレット×××』で描かれています。

元々お互いが気になる存在だった翔平と樹。結ばれてからの不安や愛の深まりにもスポットが当てられており、すごく素直で良い子な翔平にメロメロな樹の姿も見られます。湊が静真に救われていくように、樹にとっても翔平は特別な存在。翔平と樹はシリーズを通して登場しており、三兎家と生嶋家それぞれ兄弟の関係性も楽しみのひとつです。