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人気BL漫画【連載第3回「人外ファンタジー」】『イグナートの花嫁』寡黙な竜×生贄の人間

沼堕ち必至オススメ人気BL漫画の魅力を語る【連載第3回「人外ファンタジー」】『イグナートの花嫁』(著:もりもより先生)人外好きにも必読書! 寡黙で美しい竜×孤独な生贄の人間が愛を育む物語

男性同士の恋愛や特別な関係を描くBL(ボーイズラブ)漫画。真っ直ぐな恋心、純愛、心の葛藤……さまざまな想いをめぐる素敵な作品がたくさん生み出されています。人気作品が気になったり、次は何を読もうか迷ったり、といった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

本企画ではBLを愛するライターが人気BL漫画をテーマごとに厳選し、どうしてもオススメしたい作品の魅力を連載でお届けしていきます。

連載第3回のテーマは「人外ファンタジー」。もりもより先生が描くBL漫画『イグナートの花嫁』をご紹介します!

本作は寡黙で美しい竜×孤独な生贄の人間が出会う、雪国の人外嫁入りファンタジー。竜のイグナートと人間のリタ、居場所のない彼らが互いを受け入れ愛を育む物語です。現在コミックスは第1巻が発売中。まだまだ追いつけますので、ぜひお手にとってみてくださいね。

 

『イグナートの花嫁』あらすじ

 

「どこにいたって 意味のない命なら――」

村のしきたりで〈竜の花嫁〉に選ばれた、ひとりぼっちの少年・リタ。

古くから伝わる〈雪山の竜〉の存在は今となっては伝説に過ぎないが、村での役割を見つけられないリタは、それが口減らしであると悟りつつ生贄になることを受け入れる。

吹雪のなかに一人取り残され凍えていたリタを救ったのは、人の姿をした美しい竜・イグナートだった。

本当に竜が存在したことで〈花嫁〉としての役割ができたと目を輝かせるリタだったが、イグナートから「花嫁は必要ない」と拒絶されてしまう。

それでも諦められないリタは【人間を“竜化”する儀式】の秘密を知り――。

寡黙な竜×怖いもの知らずの生贄
凍てつく心を癒す、人外嫁入りファンタジーBL!

(公式サイトより引用)

もりもより先生のX(@moyori_ss)

 

 

キャラクター紹介【イグナート×リタ】

リタ

竜の花嫁(生贄)に選ばれた16歳の少年。天涯孤独で“役目”を探しています。薬草のことに詳しく、裁縫や物作りが得意。身長は160㎝。

イグナート

人間から恐れられている孤独な竜。寡黙で優しく、そばで過ごすリタを気にかけるようになります。身長は197㎝。

 

 

【攻め】寡黙で美しい竜・イグナート×【受け】孤独な生贄の人間・リタ

本作は人間のリタと竜のイグナートが心を通わせていく愛の物語。もりもより先生の画力が素晴らしく絵画のような美しさがあり、じっくり時間をかけて読みたくなるはずです。

物語の始まりは寂しくて悲しい。だけど心を溶かし合っていくところから二人の関係が築かれるのが心地良くて、ページをめくる度に心の温度がじんわり高まっていきます。

 

 

誰かに必要とされたいリタの願い

“竜の花嫁”を捧げるという村のしきたりに従って、今も本当に存在しているのか分からない竜のもとへとたった一人で向かうリタ。

口減らしであることを悟りながらも強い意思を持って竜の花嫁になろうとしていたのですが、雪山で意識が朦朧としていたリタを助けてくれた竜のイグナートは、驚くことに花嫁は必要ないと言います。しかしリタには村に引き返せない悲しい事情があり、花嫁になることを諦めきれないでいました。

花嫁になることに執着するリタの覚悟の原動力は、“誰かに必要とされたい”という切実な願い。悲しみを背負って生きてきたリタが存在意義を求めるようになったその経緯に胸が痛くなりますが、同時にイグナートの存在が救いでもあり、包み込むような温もりを静かに与えてくれています。

イグナートはリタが花嫁になることは拒絶するけれど、そばに居ることは最初から許していました。“死なないこと”以外何かを求めることはなく、好きにしていいと言ってくれています。リタが“役目”のために命をかけようとする一方で、境遇は違えど同じく心に傷を抱えるイグナートの願いは、リタにただ“生きていてほしい”ということなのです。
 

 

イグナートの優しさの内側

イグナートは出会って間もないリタを気にかけており、読んでいるとその不器用な優しさが疲れた心に沁みわたってくるようでした。どうしようもなく涙が出そうになるのはきっと、イグナートの優しさの内側には寂しさと悲しみが積み重なっているから。彼はきっと優しさゆえに孤独に生きてきたから。

イグナートが誰にも話せず自分一人で抱えてきたことをリタと共有できるなら、それは本当に嬉しいことですし私も救われる思いです。

俗世から遮断されたかのような二人の世界。リタとイグナートが一緒に過ごす時間のなかで寄り添って大切な存在、いわゆる“居場所”になっていく過程がとても愛おしい。自然に距離が縮まっていく描写が本当にお上手な先生だなと思います。二人が育む感情を見守りたい、そして長く読み続けたい作品です。

 

 

人外好きにも必読書

竜は人間より長寿で治癒力も高いのだそうです。イグナートは人間に近い姿をしており、人間と竜の特徴を兼ね備えた肉体美が至高。思わず見惚れてしまうほどで、リタも美しいイグナートに目を奪われています。

リタを大切にしようとするほどに、そして交わることを拒むほどにイグナートの禁欲的な色気が溢れていく。無自覚なのかグッと距離を詰めることがあるので私までドキドキしてしまいます。(リタはリタで積極的なところがあります。)

イグナートの寡黙な雰囲気と切れ長の鋭い眼光がたまらなくて、もうどうにかなってしまいそう。人外BLの萌えが詰まっていますので、人外好きにとっても必読書だと思います。時折見せる竜の姿も痺れる格好良さです!

緻密な設定と丁寧な絵柄で、神話にも近い世界観が広がる本作。リタの顔に鱗のような模様があることなど謎がいくつか残されており、今後ますます目が離せなくなりそうです。静かな雰囲気が沁みわたる、もりもより先生が創り出される幻想的な世界にぜひ触れてみてください。

 

 

<次ページ:もりもより先生の前作『君の夜に触れる』もオススメ>
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