オスカーとヴァルトは通ずるところがある気がします|冬アニメ『Unnamed Memory』Act.2ミラリス役・楠木ともりさんインタビュー
古宮九時先生の小説を原作としたTVアニメ『Unnamed Memory』の第2期となる『Unnamed Memory』Act.2が、2025年1⽉7日(火)よりTOKYO MX・MBSほかにて放送されています。時を超える魔法球が発動し、400年前の世界へと跳ばされたオスカー。そこで起きる悲劇を見過ごせず、ティナーシャを救ったオスカーでしたが、過去を改変したことにより、これまでの歴史は消滅してしまいます。残されたティナーシャは新たな未来でのオスカーとの再会を願い、長い眠りにつき、二人は再び巡り会ったものの……。
アニメイトタイムズでは、『Act.2』の重要キャラクター・ミラリスを演じる楠木ともりさんにインタビュー。つらさがありながらも希望を感じた『Act.1』のクライマックスを振り返ってもらいつつ、『Act.2』の見どころについてお聞きしました。
自分がどう生きたいのか、どうしたらそれを実現できるのかを描いている作品
──本作のシナリオを読んだときの感想を教えてください。
ミラリス役・楠木ともりさん(以下、楠木):恋愛的な要素に加えて、時間の経過や遡りによって展開される物語、また魔女の立場の難しさも繊細に描かれるなど、色々な要素が含まれている作品だと感じました。
ただ、私個人としては、自分がどう生きたいのか、どうしたらそれを実現できるのか、それを叶えていく力強さを最終的には描いている作品なのかなと思っていて。安直な言葉ではありますが、私はこの作品を見ていると、自分も頑張ろうって思えるんです。自然と自分の人生を見つめるきっかけを与えてくれる作品だと感じました。
──ハッピーエンドかと思ったら、そう上手くはいかないという、つらさや切なさも感じるシーンもある作品だと感じています。その中で楠木さんが「頑張ろう」と思えたのはどの場面でしたか?
楠木:もちろん、私もつらいなと感じた瞬間はあって。例えば『Act.1』のクライマックス。ドラマチックに「めでたし、めでたし」で終わるかと思いきや、400年前の世界へと跳ばされたオスカーの過去も現在も未来もすべてがなくなってしまうという展開は、とても切なかったです。それでも私は、オスカーが幼いティナーシャに対して言った、「お前は一人じゃなくなる。保証する。必ずお前は俺のところにたどり着く。幸せになれる」って言葉で、幸せに行き着く努力はできるんだなと感じて。なんだか私自身にもエールを送ってもらったような気がしたんです。
『Act.1』のラストの展開って、彼らではどうにも抗えない運命だったと思いますが、それでもオスカーは「また向かってこい」と言える強さを持っていて、ティナーシャはそれをちゃんと受け取る強さを持っていた。だから、『Act.2』でまた二人は出会えたんだと思います。辛いのと同時に、ここからまた二人の絆が強くなっていくんだなと、希望を感じるラストでもありました。
──つらいだけではない、希望の物語でもある。今の楠木さんのお話で『Unnamed Memory』という物語の魅力をより一層感じました。そんな本作において、楠木さんはミラリスを演じます。
楠木:『Act.1』ではティナーシャたちと対立する立場にあり、セリフもちょっとダークな要素が含まれているミステリアスなキャラクターだったと思います。『Act.2』でもミステリアスな部分はまだ秘めていますが、物語が進んでいくにつれて、彼女は「対立する敵」というよりも「運命を背負ってしまった少女」という側面が強くなっていくんですよ。その背負った運命に立ち向かっているというのが彼女の魅力であり、そこは演じるにあたっても意識していかなければと思い、監督と細かくすり合わせをしました。
──『Act.2』の重要人物になる。
楠木:そうですね。ネタバレを踏むので今はまだ詳しくはお話できませんが、ストーリーの根幹に関わるキャラクターの一人です。