
春アニメ『マリッジトキシン』石谷春貴さんインタビュー|下呂ヒカルは「最初から完成されていない」キャラクター、「ヒーローっぽい一面」と「素の彼がこぼすひと言」に注目してほしい
「少年ジャンプ+」にて連載中の、原作:静脈先生/漫画:依田瑞稀先生による『マリッジトキシン』。本作のTVアニメがカンテレ・フジテレビ系 全国ネット 毎週火曜よる11時〜“火アニバル!!”枠にて2026年4月7日(火)より放送中。
本作に登場するのは、数百年にわたり、殺しの技術を研ぎ続ける者たち「使い手」。その中でも最強格の力と権力を持つ五大名家の「毒使い」下呂家の跡取りである主人公・下呂ヒカル(CV:石谷春貴)は、仕事のターゲットとなる凄腕結婚詐欺師・城崎メイ(CV:若山詩音)と出会います。
下呂家の跡継ぎ問題を解決するため、城崎が下呂の婚活を手伝うことになるのですが、果たして婚活はうまくいくのか!? 殺し屋×結婚詐欺師の最強バディが挑む、世界一ハードな“婚活バトルアクション”が開幕します!
放送開始を記念し、下呂ヒカルを演じる石谷春貴さんにインタビューを実施。下呂を演じる上で意識したことや注目ポイント、城崎を演じる若山詩音さんのお芝居から感じたことなどを伺いました。
下呂は「最初から完成されていない」キャラクター
──作品を読まれた印象を教えてください。
石谷春貴さん(以下、石谷):世界観が変わっているなと思いました。第1話を読んだとき「人が椅子になっている!」と思いましたから(笑)。それと、キャラクターがどこかしらぶっ飛んでいる部分があって、みんなそれを普通だと思っている世界観なんですよね。裏社会にいる人だけでなく、表の人もどこかネジが外れているというか……登場する婚活相手たちもネジが外れている部分があって(笑)、そこがすごく面白かったです。
あとは何より画がきれいですよね。作画の依田瑞稀先生が原稿の写真を毎回Xでポストされていて、それを見るのも楽しいですし、手描きの温かさを感じながら読ませていただいています。キャラクターそれぞれの表情が良くて、女の子はかわいいし、男の子はカッコいい。おどろおどろしい表情とかもあるし、漫画としてすごく面白いです。
──画力に驚きますよね。
石谷:僕は画が描けないので、あんな画が描けたら楽しいだろうなぁと思いました(笑)。あと、彩色の仕方もすごくきれいですよね。水彩っぽかったり、いろんな色が使われていて、城崎の髪の色とかがわかりやすいですが、グラデーションがすごくきれいなので、そこにも惹かれました。
──その色味のカラフルさは、アニメのキービジュアルにも活かされていますよね。世界観だと、“バトル”と“婚活”と“殺し屋”みたいなキーワードが、全然結びつかないように見えて、ちゃんとひとつになっているのが面白いです。
石谷:「殺し屋が婚活する」って、殺し屋同士で戦って、そこで何かが生まれて婚活につながるの?と思ったら、女の子を救うことで婚活になるんだ!と、新しい感覚だなと思いました。しかもバトルとデートでパートが分かれているんですよ。
バトルのあとにちゃんとデートがあって、事件がひとつ解決して終わりではなく、そのあとも婚活相手との関係が続いていくんだ……物語が地続きで進んでいて、ひとつひとつに意味があるんだと思えるので、それを物語に落とし込んでいるのが上手いなと。殺し屋と婚活ってこんなにシナジーあるんだ!と思いました(笑)。
──確かに(笑)。婚活相手がたくさん出てくるという構造も面白いですよね。
石谷:でも、あんな風に助けられたら、(下呂に)惚れますよ。白馬の王子様みたいな感じですから。
──殺し屋の特性が「毒使い」というのもトリッキーですしね。
石谷:そうなんですよ! 使っているのが毒で、結構エグいことをしているんです。毒を使う主人公なんてそんなにいないだろうし。
──変化球だけど王道、という感じがします。
石谷:ちゃんと王道ですよね。しっかり彼の成長物語にもなっていますから。
──魅力がたくさんある作品ですが、石谷さんは下呂を演じるにあたって、どのように役作りをしていったのでしょうか?
石谷:まず、「最初から完成されていたらいけないんだろうな」というのはオーディションのときから思っていました。テープオーディションのときは自分が思う下呂くんを出させていただいたんですが、スタジオオーディションに進んだときのディレクションで、原作の抜き出しのセリフを「ぶっ飛んだようにやってみて」と言われたことがすごく印象に残っているんです。
──「ぶっ飛んだ」?
石谷:「原作はこうかもしれないけど、感情をバン!と出してやってみてほしい」ということだったんですが、そのときはあまり理解できてない状態でやったものが、わりと刺さってくださったみたいなんです。
振れ幅みたいなものを見てくださっていたのか、人間だから、振り切ったところもあれば、落ち着いた部分もあるじゃないですか。そういうところを見せられたのがOKいただけた要因だったのかなぁと思いました。
下呂くんって最初は不安定だったと思うんです。そこから時間が進んでいき、修羅場を越えていって成長していく。最初から完成された主人公もいると思いますが、この作品はそうではないと思ったので、見せ方としては下呂くん自身が必死になってやっていく中で、人間として魅力的な部分が増していってくれたら良いなと思いましたし、それを自分の引き出しを使って演じられたらいいなと思いました。
──原作がある作品の場合は、そうやって長期的な流れを考えつつ、一話一話演じていく感じなのでしょうか?
石谷:人間っていろんな顔があると思うんです。アニメや漫画はそのキャラクターの一場面を抜き出したものだと思うので、アニメで描かれていないところも考えつつ演じていく感じなのかなと思います。
下呂くんの場合だと、女の子に慣れていないから出せていないけれど、それがちょっと垣間見えた瞬間に魅力的に見えるとか。その一瞬が、彼が魅力的になっていく過程の一部になればいいなと思いながら演じている感じですね。
──最初はちょっとしか表に出ていない彼の魅力の割合が、どんどん増えていくというか。
石谷:そうですね。彼は誠実なので、最初の必死感がなくなって、ナチュラルに人と接することができるようになったら、もともと人たらしなところから、さらに人たらしになっていくんだろうなと思います。
──誠実ですよね。
石谷:嘘がつけない人ですからね(笑)。



































