
『幼女戦記Ⅱ』第3話「善意の仲介人」を振り返ろう! 第三者から持ち掛けられた講和の提案……しかし、戦争は簡単には終わらない【ネタバレ注意】
2026年7月8日(水)より放送開始となったTVアニメ『幼女戦記Ⅱ』(以下、本作)。
原作は著:カルロ・ゼン先生&キャラクター原案:篠月しのぶ先生による、KADOKAWAから刊行されているライトノベル。東條チカ先生によるコミカライズも人気を博しています。
本稿では、そんな本作の第3話「善意の仲介人」を振り返りつつ、今後の見どころやキャラクターたちの動きを整理していきます。なお、まだご視聴前の方はネタバレが含まれますのでご注意を。
第3話「善意の仲介人」あらすじ
帝国は対反乱戦略を一新、東部の情勢安定化に成功。
しかし連邦と連合王国は北方の旧協商連合領での共同作戦で対抗する。
そんな中、『厳正中立』を謳うイルドア王国が蠢動する。
イルドア王国の目的は帝国と連邦の仲介人
前回の振り返り。連邦内の反体制派に自治を認めることで東部戦線が安定しており、ひと月経った現在は隊員全員分の冬用コートが最前線のサラマンダー戦闘団の下にも届くように。
その頃、連邦と連合王国が旧レガドニア協商連合領でパルチザン(※占領された地域で抵抗運動をする武装集団)との共闘を強化。帝国側は対応に追われてサラマンダー戦闘団を即応戦力として増派してこれを退け、帝国側は東部戦線へ再配置。
その裏で帝国と同盟を結んでいるイルドア王国は、連邦との仲介役を買って出て講和を提案しようと画策していました。このタイミングで出てきたのは、先述した連邦と連合王国の動きや、それにともなって厳しい懐事情を抱えている帝国の現状を掴んでのこと。また、この戦争を終結に導いたという評価を諸外国から得たいといった思惑も……!?
帝国は耳を貸すでしょうかと問うイルドア王国のカランドロ大佐に対し、その上司であるガスマン大将は耳を貸さざるを得ない状況を作ればよいと答えました。そんなイルドア王国の策は抜き打ちでの動員演習。連邦との戦争を繰り広げている帝国としては、事前に通知してきたとはいえ有事を想定した訓練を近場でやられたらたまったものではありません。
帝国側としてはおそらく、同盟を破棄して後ろから撃ってくる可能性や同盟を結んでおり位置関係的にも近いイルドアがどこか別の国と開戦する可能性が出てきてしまい、自分たちにその火の粉が降りかる可能性を考えなければならなくなったはずです。
憤慨するルーデルドルフは「今すぐにでもマカロニ野郎を突き刺してやりたい」と口汚く罵り、会議の中でレルゲン大佐を観戦武官として派遣するとゼートゥーアに報告。動員演習の視察に派遣されたレルゲン大佐は、カランドロ大佐からイルドア王国は講和の仲介をしたいと考えていると明かされました。
レルゲン大佐はそれは本国の最高統帥府が決めることだと突っぱねるのですが、本来は外交官の仕事だが軍人同士の方が話が早いと返答するカランドロ大佐。帝国と交戦諸国を仲介する準備を整え、内々に合衆国と合同で各国に停戦会議を呼びかける用意もあると既に手回しが済まされていることも判明。
このイルドアの魂胆をレルゲン大佐から報告されたルーデルドルフは「南方の蛭め」「中立面して仲介役をしようとしている」と誹りますが、ゼートゥーアは条件さえ整えば悪い話ではないと冷静な判断を下しました。イルドアからの観戦武官を受け入れる手筈も進んでおり、何とかこの戦争の落としどころを探している様子で……!?
サラマンダー戦闘団は再び東部戦線に。雪は止んだものの、その雪が解けて足場が泥でぬかるんでおりまた難しい戦況。優位に立ったかと思えばすぐに劣勢になっており、もはや悠長に保身を考えていられないとひとり物思いに耽るターニャ。そのまま自室のベッドで微睡んでいると、参謀本部からレルゲン大佐が訪れました。
その要件とは、観戦武官として訪れるカランドロ大佐の面倒を見てほしいというもの。今この状況で適切な受け入れなど不可能だと断ろうとするターニャに対し、上官であるにも関わらず自ら頭を下げるレルゲン大佐。
それだけの事情があると察したターニャは理由を伺うことに。すると、レルゲンがサラマンダー戦闘団を指揮下に置く機動戦闘団の指揮官に任じられたこと、しかし実質的な指揮権はターニャにあるといった配置換えが行われることを告白しました。
要するに欺瞞工作なのですが、名目上は直接的な上司であるターニャの挙げた戦功がレルゲンのものになるので、厄介ごとには違いありません。またレルゲン大佐は胃が痛くなるような現場と上層部との板挟みになっており、少し同情してしまった視聴者の方もおられることでしょう。
実際レルゲン大佐は、ターニャに撃たれることを覚悟しつつ「どうか寛恕してもらいたい」と懇願していました。ただターニャにとっては、名目上は上司ができたので何かあっても責任を取ってもらえる存在ができ、欺瞞工作のため部隊の次席に落ちることから人事に恩を売れるという美味しすぎる状況。
「含むところが一切なしとは申せませんが、それなり以上のご配慮をいただけるのであれば幸いです」とレルゲン大佐の要望を快諾し、カランドロ大佐を迎えます。
互いに自己紹介を済ませ、サラマンダー戦闘団の現状をカランドロ大佐に紹介していくターニャ。カランドロ大佐は最前線でありながら温かい食事が維持されており、部隊の規律もしっかりしているとサラマンダー戦闘団の現状に驚いた様子。
そして戦闘シーンへ。機甲部隊のアーレンス大尉が敵の戦車群と遭遇しており、居住地を交戦地域として戦闘が行われるような流れに。同席しようとするカランドロ大佐をうっとおしく思うターニャは、どう戦うのかと問われて「ここは砲兵の出番かと」と即答。
居住地に無警告で砲撃という今まさに戦時国際法を違反しようとするような言動に、ターニャを問い詰めるカランドロ大佐。しかしターニャは陸戦条約は相互主義であり、連邦はこの条約に調印していないと反論。帝国の街も同じように焼かれたので、連邦の街もそうなるでしょうとサラっと言ってのけます。
加えてカランドロ大佐は、攻撃目標になっている居住地に教会がある点を指摘し、宗教施設は保護の対象で明確な規範違反だと憤ります。現実の戦争でも赤い十字を掲げた建物や人、病院、学校、教会など宗教施設は攻撃してはならないとのルールがあったりしますが、『幼女戦記』の世界でもそういったものがある様子。
確かに鐘が備え付けられていてその居住地の中でもひと際高い建物なんて、おそらく教会で間違いないでしょう。しかしターニャは、「はて?何のお話です?」「宗教施設であると示す特殊標章がないことは確認済みです」とピシャリ。慣習法や規範も尊重しますが、標章が無いのは事実ですとカランドロ大佐にもそれが無いことを確認させて攻撃を実行。
そういった攻撃を禁じられた施設を敵が拠点にしている場合もあり、捨て置けないこともまた事実。しかも今回のパターンだと攻撃してはならない施設だと示すものはどこにもなかったので、攻撃を行うのもまた仕方のない部分がある……のかなと。
ただし、ここでの詳細な説明は避けますが、連邦が共産主義の国であるということは、宗教的なものは弾圧の対象として破壊されたり取り外されたりしている……というのは割と鉄板だったりするので(※宗教を麻薬と同列視するような発言があったことも)、そういった弾圧からの対策を取っていただけで本当に教会だった可能性も……!?
連邦の街に次から次へと砲弾が雨あられと撃ち込まれ、件の教会かと思われた施設もろとも瓦礫の山へと変わっていく光景が目の前で繰り広げられていきます。これにカランドロ大佐は動揺して倒れてしまうと……そこには鋭い目線を向けてくるターニャがおり、完全にその恐ろしさにのまれてしまったようでした。
イルドアを介して明かされた連邦からの講和条件……それは到底呑めるものではなく
その後、駐屯地に戻るとカランドロ大佐からこの戦争の落としどころを尋ねられるターニャ。イルドア王国がこの戦争の出口を用意してくれていることを知ったターニャは、この泥沼から抜け出して損切りすべく自分は軍人であり上層部の命令に従うと話します。
このターニャの対応でカランドロ大佐は、帝国は現場レベルですら恐ろしいくらい義務に忠実で国家理性を保っているとガスマン大将に報告。これで戦争も終わるなとガスマン大将……そしてターニャも、カランドロ大佐に帝国はまともだと知ってもらえて自分はいい仕事をしたと満足。この戦争の終わりが見えてベッドで微睡むターニャでしたが……!?
そんなターニャの眠りに水を刺したのは、参謀本部から訪れたかつての同期ウーガ中佐。ヴァイス少佐を同席させつつ、イルドアを通じた講和の話について語っていきます。
ターニャは上層部はどう考えているのか探るため「講和案をまとめるなら妥協もやむなしと考えているのか?」「相互に請求権を放棄しての無賠償」「占領地を放棄して国境線は戦前の原状回復」「軍縮条約締結も?」とウーガ中佐に尋ねると、「それは名誉ある講和ではない!降伏と同義だ!」と諭されてしまいます。
費やした戦費と積み重ねた死体を考えたら、そんな条件を呑んで講和などできないということなのでしょう。これに戸惑うターニャは、これ以上の犠牲を出すべきではないと反論するのですが、ここでウーガ中佐は第三者として同席していたヴァイス少佐に発言を求めます。
するとヴァイス少佐ですら、犠牲をこれ以上出さない未来を希望するとは前置きしつつ、割り切れるものではない……ここまで血を流した挙句に何の成果も得られないのではと悔し気な表情を見せます。割り切って損切りを訴えるターニャに、それは理屈なのだとあのヴァイス少佐ですら叫ぶくらいなので本当に戦争を止めるというのは難しいことだとわかります。
いわゆるコンコルド効果に自分の信頼のおける同期や部下まで陥っていることを知り、上層部が現場を説得するのに苦労するだろうと苦悩するターニャ。最悪は力で鎮圧して味方を押さえつけることすら考えていたのですが、その上層部の判断もまさかのもので……!?
そして場面は帝国参謀本部の会議シーンに。ゼートゥーアから発表されたイルドア王国を介して伝えられた連邦側の講和条件は、まさかの無賠償、無割譲、無条件での停戦。劇場版を参照していただきたいのですが、先に列車砲を放ち宣戦布告をしたのは連邦側であるにも関わらず、自分たちは何も払わず渡さず停戦しろというのは到底呑めるものではありません。
まあ、その後帝国側……といいますか、ターニャたち第二〇三航空魔導大隊が連邦首都モスコーで何をやったかを考えたらお互い様だと言えなくもありませんが……こんな条件でもまだ交渉は継続中であり、協議を重ねればと語るゼートゥーアを、ルーデルドルフは「錆び付いたな」「貴様も錆びついたと言ったのだ、ゼートゥーア」と一喝。
なんと既に最高統帥府に話を通しており、イルドア王国に送り込んだレルゲン大佐が「クソくらえ……以上です」「わが軍は断固たる意思に基づき、鉄槌作戦を発動いたします」と宣告。ルーデルドルフも「運命は己の拳で掴む、誰かの手に委ねなどせん」と徹底抗戦の構え。今後は連邦との講和条件をさらに優位にすべく戦いが続いていくのでしょう。
ラストシーンではサラマンダー戦闘団の魔導部隊で配置換えがあったことが判明。これまで中隊を率いていたヴァイス少佐が出世して魔導部隊全体を率いることになったのですが……先ほどのターニャとのやり取りや役職手当を削られ手取りが下がったことから、メンタルをやられてしまった様子で……といったところで第3話は終了。
帝国に対する包囲網が敷かれているような現状。イルドア王国の仲介で講和ができればこれ以上の損害を出さずに済んだことは間違いないのでしょうが……戦争という人の命やりとりをしており、その裏にある互いの国の思惑が絡んでしまうと争いは簡単に終わらせることができない。その事実が本当によくわかるエピソードでした。
だからこそ最初からはじめてはならないものなのですが、帝国側としても上層部でルーデルドルフとゼートゥーアの意見が割れつつあることが見えてきており、戦争を続けるのか止めるのかで対立しつつあると考えると何かがおきそうです。今後の展開にも期待しましょう。
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