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『正反対な君と僕』第18話「春の手前」振り返り|「今そわそわするこの気持ちは……一体どれなんだろう」

「今そわそわするこの気持ちは……一体どれなんだろう」東の気持ちに訪れた変化──2026年夏アニメ『正反対な君と僕』第18話「春の手前」振り返り

マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で2024年まで連載されていたラブコメ作品『正反対な君と僕』。明るく元気だけど人の目を気にしてしまうギャル・鈴木と物静かだけど自分の意見をはっきり言える男子・谷のカップルを中心に、高校生たちの日常を描いた作品です。

恋をした時の感情の忙しさや青春特有の人間関係、それに伴う心理描写の秀逸さで人気の本作。2026年1月よりアニメ第1期が放送され、7月5日よりファン待望の第2期の放送がスタートしました。

本稿ではファンが注目したポイントやSNSで盛り上がった箇所を中心に第18話「春の手前」のストーリーを振り返っていきます。

※本稿にはネタバレ要素が含まれます。

電車内で縮まっていく心の距離

平と東にスポットが当たった本話。2人の関係の変化が3つの物語で丁寧に描かれました。最初は、自分の過去と現在について考える平のストーリー。

山田から彼女ができたと報告を受けた友人たち。いつもその手の話を聞くと複雑な気持ちになっていた平は、自分が素直にめでたいと感じていることに少し驚きつつ、そう感じられる自分に少しほっとしている様子。

そんな日の帰り。いつものように東といっしょの電車内で「平って笑うの我慢する節あるよな」と指摘を受けます。東は以前からそう思っていたらしく、顔を崩して大笑いすることがない平の癖について訊ねました。

すると平は「俺笑い方キモいから」とぼそり。これは自ら思ったことではなく、昔クラスの女子や妹からそう言われたのがきっかけ。そこから我慢する癖がついてしまったのだと言います。

小学校からの癖と聞いた東は「根深っ」と驚き、「笑っちゃうようなことがあるたびにうっすら嫌な思い出過ぎるってこと?めっちゃきつくない?」と平に寄り添います。さらに、少し間を開けて「いややっぱさあ!笑い方キモいって何?笑ってる方がいいじゃん 誰でも普通に!」と平の代わりに怒りを露わに。

この流れで平に他に愚痴はないのかと促す東。なぜ彼女がそんなことをするのかというと、以前「東だけがすり減ってる」と平が怒ってくれたことが、「まあいいか」で済ませてはいけなかったことに気づけるようになったきっかけになったから。

今度は自分が平の話を聞き、何か助けになればと思っているようです。確かに、先ほどの東が平の代わりに怒るシーンは平が東の代わりに怒ったときと立場が逆になっているんですよね。2人が自然と助け合う関係になっていてジーンとします。

その場ではこれ以上の愚痴はなく、「気持ちだけもらっとく」と返した平。その後、東が寝てしまったため、いつものように内省タイムに。

良かったことを素直に祝えたり、弱みを打ち明けられたりする友達がいること……昔と違う良い環境に身を置けているわけですが、平はそれを自分が前進しているとは感じられていません。

今周りに恵まれているだけで、自分自身の性質は何も変わっていないと感じているからです。嫌な過去を掘り下げるのは、自分を変えるための行為ではなく、今の自分がこうなっている理由を過去から紐づけているだけなのだと……。

第三者としては、自分を変えないままで周りの環境が良くなったのであれば、平自身が元々良い子で、これまでは周囲が悪かっただけなのでは……と思ってしまいました。

本当ならこんなに劣等感を抱く必要などなかったのに、周囲の心ない言葉や態度で自尊心を傷つけられてきた結果、自信が持てなくなってしまったのではないでしょうか……。平の気持ちを考えるだけで辛くなります。

暗い気持ちで考え込み続ける時間を断ち切ったのは、車内アナウンス。まもなく降りる駅です。ハッと我に返り、東を起こそうと彼女の方を見ると、なんと紐まで絞った状態ですっぽりフードを被っているではありませんか。

「光シャットアウトした方がガチ寝できるじゃん?」とのことですが、思ってもみなかった姿に平はそれまで考えていたことがすっかり頭から飛んで行ってしまいました。

「平、不審者の連れに思われてたかもなあ」「俺が連れ側なのかよ」と軽口を叩いていると面白くなってしまい、笑いが止まらない2人。

確かにちょっと独特な笑い方の平を「おもろい…」と思いはするも、指摘まではしない東が優しいなあと感じましたし、やはり昔の同級生たちが良くなかっただけなのだとも感じます。平は何も悪くない!

「俺が東にそうしたいだけ…」それぞれのホワイトデー

3月になり、3年生が卒業。その後、学期末テストやホワイトデーと3月らしいイベントが立て続けに過ぎていきます。

ホワイトデーと言えば、男子から女子へのお返しですよね! メインカップル鈴木と谷は、放課後に外のベンチで。谷はカラフルなクマのぬいぐるみつきのラムネを用意しており、「パッケージ見て好きそうだなって思って」と。

付き合い始めの頃、鈴木が「全部が合わなくても“好きそうなもの”がわかる関係になりたい」と言っていたシーンを彷彿としました。お互いへの理解が深まっている証拠ですよね。

可愛いぬいぐるみに大喜びの鈴木は、袋の中に飴も入っていることに気づき、何かを察したようで「ホワイトデー 飴 意味」とその場で検索。谷は「わざわざ調べなくて…!」と大慌て。たまらなく可愛いじゃれあいでしたね。

本編では明かされていませんでしたが、ホワイトデーに飴を贈るのは「あなたが好きです」「関係が長く続く」「甘い仲が続く」という意味なのだそうですよ……フフフ。

次は、付き合いたてほやほやの山田と西! バレンタイン前に告白していたので今1ヶ月ちょっとでしょうかね。こちらも学校外のベンチで待ち合わせてお返しを渡すようです。

お返しを渡す前に、山田は留年を回避したことを報告。無事いっしょに3年生になれることを喜び合う2人。山田は「卒業式、絶対いっしょに筒持って写真撮ろうな!」と1年後のことを当たり前のように約束してきました。

1年後の想像なんてしていなかった西は、驚きと照れで顔を真っ赤に。ですが、こういう余計な疑いや不安を抱かない山田だからこそ考えすぎる西と相性が良いんでしょうね。

平静を取り戻した西は「ギリギリじゃなく卒業しようね」と真剣な表情。彼女に西、友達に谷がいれば、山田の卒業もなんだか安心できる気がします。

そして最後は平と東。2人のやりとりはもう定番となった下校中の電車内。最初のストーリーのときよりも少しだけ2人の座る位置が近づいていてその絶妙な距離感がたまりませんでした……!

谷と平が義理チョコのお返しを用意していたことをはじめ、今日の何気ないことを話す2人。少し会話が途切れたタイミングで、平は「これもらって」と両手いっぱいのお菓子を東に手渡します。

「え?こんなもらっていいの?余った?」と自分はガム1粒しかあげていないために東は少し困惑気味。平としては、1年の頃からずっと気にかけてくれていたことに対するお礼の気持ちなのですが、あまりにも過去のことであるため意図を伝えきれないと思ったようで、「ただ俺が東にそうしたいだけ」と。

東は「へえ…」と返していましたが、ほんの少しだけ特別なものを感じている様子。手のひらいっぱいに載せられたお菓子が夕日に照らされ、ほのかなぬくもりを帯びているようにも見えました。

「繋がりをなくしたくないと思った」

ついに迎えた終業式。楽しかったクラスでの最後の時間を思い思いに過ごす鈴木たち。最後は部活やアルバイトのないメンバーでプリを取りに行き、解散となりました。

そこには平と東も参加しており、帰りはやっぱり電車で2人。じゃんけんで勝って現物のプリをもらえた平は、大事そうに定期ケースにしまっています。このときチラッと見えたイエティシールは以前東からもらったものですよね(第9話参照)。皆さん覚えていらっしゃいますか?

電車に揺られる2人の間に会話はなく、漂うのはどこか寂しげな雰囲気。「あーあ、2年生終わっちゃった」という東のモノローグから、この1年がとても楽しかったのだろうなと言うことが感じられました。

名残惜しさを感じながらも、電車は滞りなく2人を降車駅へと運び、平は「じゃあ…」とそのまま別れようとします。

すると東から「あのさ、飯食い行かん?」と一言。お腹が空いているのではなく、まだこの時間を終わらせたくない(帰りたくない)と思ったのです。

平も同じことを感じていたようで「わかる」と同意。2人はそのまま近所のファミレスに行くことに。

入店してみたものの、よく考えるとここは地元。平は元同級生がいないかと不安な気持ちもあるようですが、意図的に不安を払おうとしている節はありつつも、以前よりは大丈夫だと思えるようになっている様子。ちゃんと前進してるじゃないか、平。

他愛もないことで笑い合う2人の雰囲気は柔らかく、温かい空気感も最高でした……。2人だけで延長した2年生最後の時間が幸せなものだったことが伝わってきましたね。

そんな時間ももうおしまい。いよいよ別れる時間となったその時、「もし次のクラスなんか嫌なこととかあったりしたら愚痴とか聞くからさ また話聞いてもらっていい?」と東がお願いすると、平も切なげな顔で「頼むわ」と返答。

「繋がりをなくしたくないと思った」

東が平に声をかけたのは、この繋がりを、関係を、クラスが離れることで無くしたくないと思ったからでした。今まで人への執着を見せなかった東にとって大きな変化です。

しかし、平は東の“好きなタイプ”には当てはまらず、むしろ正反対と言える男子。ですが、何だか心配で、でも面倒で、他の人よりも楽で、距離があると寂しくて、近づくと嬉しく感じる──他の友達よりもほんの少しだけ特別な存在であることは確か。

「今そわそわするこの気持ちは……一体どれなんだろう」

自分の気持ちの変化に気づきつつも、その正体まではわかっていない東。ここから2人の関係にどんな展開が待っているのでしょうか……。

第19話「グラデーション」次回予告

作品情報

正反対な君と僕
作品名 正反対な君と僕
スケジュール 第1期:2026年1月11日(日)〜2026年3月29日(日)
第2期:2026年7月5日(日)~
MBS・TBS系全国28局ネットにて
あらすじ いつも元気いっぱいだけど周りの目を気にしてしまう女子・鈴木と、物静かだけど自分の意見をしっかり言える男子・谷。

正反対な二人が誤解や勘違いをしながらもお互いを尊重し、ゆっくりと理解を深めていく姿と、友人たちとの学校生活を描くラブコメディ。
話数 第1期:全12話
キャスト 鈴木:鈴代紗弓
谷:坂田将吾
渡辺:谷口夢奈
佐藤:平林瑚夏
山田:岩田アンジ
東:島袋美由利
平:加藤渉
西:大森こころ
本田:楠木ともり
スタッフ 原作:阿賀沢紅茶
監督:長友孝和
シリーズ構成・アニメーションプロデューサー:内海照子
キャラクターデザイン:みやこまこ
サブキャラクターデザイン・総作画監督:小園菜穂
総作画監督:﨑本さゆり 早川加寿子
メインアニメーター:前原里恵 伊澤珠美
美術監督:中村千恵子
色彩設計:秋元由紀
撮影監督:塩川智幸
3Dディレクター:越田祐史
編集:黒澤雅之
2Dデザインワークス:越阪部ワタル
音楽:tofubeats
音響監督:木村絵理子
音響効果:安藤由衣
録音調整:太田泰明
選曲:合田麻衣子
アニメーション制作:ラパントラック
製作幹事:松竹アニメ事業部
主題歌 OP1:「メガネを外して」乃紫
OP2:「猫じゃらし」7co
ED1:「ピュア feat. 橋本絵莉子」PAS TASTA
ED2:「運命の君」Mega Shinnosuke
電子書籍 『正反対な君と僕』電子書籍(コミック)

(C)阿賀沢紅茶/集英社・「正反対な君と僕」製作委員会

この記事をかいた人

わたなべみきこ
出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。
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