楽しければなんでもあり!河原木志穂さんや松本さちさんらが所属するオエセル隊のクリスマスイベント“FCオエセル2008”がキックオフ!!
河原木志穂さんや松本さちさんらが所属するオエセル隊のイベント、“FCオエセル2008 Studio Cube 326”が、2008年12月23日、芝浦・Studio Cube 326で開催された。オエセル隊とは、2004年に放送されたアニメ『ファンタジックチルドレン』に出演した声優たちによるユニット。オエセル隊としては、今回で4度目のイベントとなるが、時間がたっても変わらぬ熱さで仲間が集まるのが、オエセル隊の絆の深さだ。今回のイベントには、オエセル隊の浦田優さん、高口幸子さん、はらさわ晃綺さん、松本さちさん、矢口アサミさん、河原木志穂さんが参加。さらにゲストとして、白鳥みぃさん(“いのり”から改名)、花輪英司さん、後藤哲さんが参加した。今回は前半・ハーフタイム・後半の三部構成で行なわれたイベントから、後半のクリスマスライブの様子を中心にお届けする。
●コンセプトはサッカーチームの仲間たち
“FCオエセル2008”というイベントタイトルを見ればわかる通り、今回のイベントテーマはサッカー! クリスマスなのにサッカーなのは、オエセル隊のチームワークを示そうという意気込みなのか、メンバー全員で揃いのユニフォームを作成し、フットサル場でPV撮影まで行なったほどの熱の入りようだ。イベントは前半・ハーフタイム・後半というサッカー風のスケジュール構成で行なわれたのだが、前半が書き下ろしボイスドラマありのトークショー、ハーフタイムでは過去のイベントを振り返ったり、「ラジオオエセル隊」の公開録音もあり、そして後半が楽曲詰め込みまくりのライブイベント……と、何試合やるの!? と思うほどの“丸一日ファンチルとオエセル隊漬け!”の一日だった。
●いきなり歌劇の幕が開く!
当然観客も通しで参加する人が多く、会場は最初からできあがったムードのなか、ライブはスタート。なんでもありのオエセル隊イベントらしく、初っ端からいきなりミュージカルメドレー!高口幸子さんと河原木志穂さんと松本さちさんによるオープニングナンバーで幕を開けると、そのまま河原木さんがステージ上に残ってのソロナンバー、更に矢口アサミさん、松本さちさんが加わっての壮大なナンバーへと続いていく。なんといっても印象的なのは、流れが一瞬たりとも途切れないこと。ステージ上で早着替えを交えながらメンバーを入れ替え、多彩な演目をテンポよくつないでいく。ステージから消えていたメンバーが中二階に張り出したテラスから現れて独唱を見せたりと、めまぐるしく移り変わる楽しいステージだった。中でも、高口幸子さんと河原木志穂さんをダンサーに従え熱唱した、さち王子こと松本さちさんのヅカっぷりは必見だった。最後はオエセル隊の6人が勢ぞろいしてフィナーレナンバーを歌い、ミュージカルパートは終了。
●チットとヘルガのゴールデン歌謡ショー!
ここでメンバー全員が、FCオエセルのフットサルユニフォームに衣装チェンジ。ここからはオエセル隊歌謡ショーの時間だ。まずはサッカーの試合前チーム紹介テイストのPVで、メンバー全員とキャラクター名を紹介。のみならずオエセル隊の面々がフットサルを楽しむ映像までが流され、ようやく客席も今日のイベントのテーマを思い出した様子。メンバーの呼び名も、ここからは中の人ではなく、役名にチェンジ。歌謡ショーは、誰もが知っている有名ナンバーが続く合間に、ドラマ仕立ての録音MC“チットとヘルガのゴールデン 歌謡ショー”が挟まれ、オエセル隊のイベントらしい世界観提供と、曲紹介を両立するという天才的なアイデアだ。そして、“歌謡曲”のチョイスが、いかにもオエセル隊ならではのものだった。ヒースマ(はらさわ晃綺さん)・デュマ(花輪英司さん)・アギ(浦田優さん)による羞恥心「羞恥心」のノリノリのパフォーマンスを皮切りに、歌声初披露となるセス(後藤哲さん)の「ブーメランストリート」、ハスモダイ(松本さちさん)・タルラント(矢口アサミさん)・ティナ(河原木志穂さん)・ソレト(高口幸子さん)の女性陣によるSPEED「White Love」など、懐メロを中心に全17曲の歌謡ショー。中でも河原木志穂さん自身もメンバーの一人である声優ユニット“Plume”をセルフパロディしたヒースマ(はらさわ晃綺さん)・ティナ(河原木志穂さん)・ハスモダイ(松本さちさん)による色物パロディユニット“ブリュム”でアイドル顔負けの踊りを見せたはらさわ晃綺さんや、仲間や客席から「キモい!」とおいしいいじり方をされていた後藤哲さんなど、男性陣の吹っ切れたような弾け方が印象的だった。
●改名した白鳥みぃさんの癒しの歌声
歌謡ショーが全員での「恋愛レボルーション21」で締めくくられたところで、ステージは一旦クールダウン。河原木志穂さんの「やっとみんな落ち着けるコーナーです。お客さんもみんなここまで見ていてハラハラしてる感じが伝わってくるので(笑)」との呼び込みから、『ファンタジック・チルドレン』OP「voyage」を歌ったいのりさん改め白鳥みぃさんがステージに登場。しっとりとした空気の中、聖歌の一節と「きよしこの夜」をまずは披露。白鳥さんにとっては、これが改名後の初めてのライブだそう。続けて以前オエセル隊イベントのために作った曲「ポラリス」、白鳥さんの中でオエセル隊をイメージするという新曲「ピカ」、そして「手のひら」を披露。いのりさんは「私オエセル隊のイベントは皆さん笑ってくれるから大好きなんです。明日明後日、すてきなクリスマスを過ごしてくださいね」と語っていた。これまでのライブとはうってかわった落ち着いたムードに、「色々穢れたものが洗われたよう」(河原木志穂さん)、「穢れまくったものが!!」(松本さちさん)と、オエセル隊の面々も浄化された様子だった。そしてライブのラストは、オエセル隊といえばこの曲!! 松本さちさんが作詞し、河原木志穂さんが振り付けを担当した「オエセルカーニバル」を全員で熱唱し、「メリクリ!」と声をそろえてライブは一旦幕となった。
●アンコールはクリスマスソングメドレー!
だがもちろん、ライブはここでは終わらない。アンコールには全員がサンタ帽をかぶって再登場。松本さちさんの「クリスマスなので、クリスマスメドレーを8人でやりたいと思います!」の声と共に、「ジングルベル」「そりすべり」「きよしこの夜」と、定番のクリスマスソングを合唱。高口幸子さんの「ママがサンタにキッスした」、河原木志穂さんと松本さちさんの「神の御子は今宵しも」を挟み、再び全員での「ウィンターワンダーランド」と「We wish you a merry Christmas」が続く、本格的なクリスマスライブだ。これには河原木さんも「やっとクリスマスって感じがしてきました」と一言。クリスマスということで、白鳥みぃさんも交えてのサインボール投げなどが和気あいあいと行なわれ、最後は「ポラリス」を大合唱してハッピーエンド……と思われたのだが。舞台袖から響く、松本さちさんのセルフアンコールに合わせて、会場からは再びの大アンコール! 再びメンバーがステージに揃うと、『ファンタジックチルドレン』OP「Voyage」を客席と大合唱。最後は松本さちさんの「今日は本当にありがとうございました! 私たちオエセル隊、そして客席のみんな! ずっと『ファンタジックチルドレン』を、好きでいましょうね!」との言葉で、大団円を迎えたのだった。前半から含めると丸一日の長時間に及んだイベントだったが、終演後もメンバーは物販ブースに出て、帰りがたい様子のファンたちと、時間ギリギリまで交流を続けていた。ライブを通してみると、ミュージカルあり、色物から本格派までの歌謡ショーあり、クリスマスライブあり……と、メンバー自身も「詰め込みすぎた」と語るほどのぎっしりと詰まった内容。メンバーとお客さんが楽しめればなんでもいいという、大衆演劇のようなエンターテイメント性のあるライブ。ファンにとっては、来年のクリスマスもオエセル隊と一緒に過ごしたいと思ったであろう、充実の一日だった。