音楽
梶浦由記さんプロデュースライブ「Yuki Kajiura L..

梶浦由記さんがプロデュースする「Yuki Kajiura LIVE.♯3」を開催。KalafinaやFictionJunction YUUKA の新曲も披露!公式ファンクラブも結成決定!!

 2008年はアニメ『空の境界』や『真救世主伝説・北斗の拳』、北野武監督の『アキレスの亀』などの音楽制作、楽曲提供に加え、ライブ、Kalafinaのプロデュースワーク、Sound horizonのRevoさんとのコラボレーションなど精力的な音楽活動を繰り広げ、話題の渦中の人となった梶浦由記さん。7月の渋谷O-EASTでのライブの模様を収録したDVDの発売を記念し、そして2008年を締めくくるべく、「Yuki Kajiura LIVE.♯3」を2008年12月27日、神奈川・横浜BLITZにて開催した。梶浦さんはソロワークをFicitonJunctionとして行い、様々なシンガーを起用しながら独特の音楽世界を築いてきた。ライブではどんなステージが見られるか。


●オープニングアクトのKalafinaからサプライズ発表!

 オープニングアクトは『空の境界』の主題歌でブレイクしたKalafina。暗転するとステージを覆い隠す白く大きなカーテン状の幕に、緑の木々と川、海を連想させる映像が映し出され、幕が落ちると3人がステージに。清涼感のあるイントロから美しい歌声の三重奏が神秘的な世界を作り出す「fairytale」。12月24日に発売されたばかりのニューシングルで、『空の境界』第6章『忘却録音』の主題歌となっている。バイオリンのやさしい音からビートが徐々に激しくなり、スマッシュヒットを記録し、Kalafinaの名前を世に轟かしたファーストシングルに収録の「oblivious」。美しいメロディラインにデジタルビートと3人のボーカルのハーモニーが絶妙な曲だ。歌い終わると打って変わって元気な声で自己紹介するWakanaさん、Keikoさん、Hikaruさん。

 3曲目の「君が光に変えて行く」は1stシングルに収録されていた曲で、壮大なバラード。歌い終わると「久しぶりなのでリリース当時のことを思い出しながら歌いました」と語った。そして重大発表が…。2009年初春に1stアルバムがリリースされることと、現在放送中のアニメ『黒執事』の1月からの新ED曲を担当し、アルバムと同時リリースされるというニュースに会場からは拍手。お客さんからの祝福に3人もうれしそう。お礼代わりにその新曲「lacrimosa」をいち早く披露。民族音楽っぽい雰囲気のミディアムナンバーで3人のコーラスワークの美麗さも言うまでもなく素晴らしい曲。ファンにリリースへの期待を膨らませたに違いない。4曲を歌い、満足そうにステージを去る3人。しかしステージはまだ始まったばかり。

 ライブのイラストイメージにもなっている神殿の柱のような白い筒状の塔がステージ上方から4本降りてくるとメインアクトにはKalafinaのステージでも演奏していたギター、ベース、ドラム、バイオリン、マニュピレーターのバンドメンバーに、ボーカルは赤と黒を基調にした衣装のKAORIさん、KEIKOさん、WAKANAさん、YURIKO KAIDAさん、そして梶浦さんもピアノのイスに腰を下ろす。FictionJunctionメンバーがステージにそろった。1曲目はゲーム『XenosagaⅡ』のテーマ曲「the image theme of XenosagaⅡ」。エスニック調のメロディとコーラスから大きく展開するそのスケール感に度肝を抜かれた。2曲目の「fiction」は梶浦さんのソロ名義でのファーストアルバムのタイトルチューン。英語詞の曲で、ルーズでタイトなギターフレーズとバイオリンの音色の融合が見事。

●夏との気温差30度!ファンの熱気は!?

 最初のMCコーナーになり、梶浦さんは「こんばんは。寒い中、ようこそいらっしゃいました。ありがとうございます。この間、夏にやった時との温度差約30度。極端な感じで(笑)」とごあいさつ。夏のライブを収録したDVDにも触れ「自分で見てもいい出来だなと(笑)。皆さんの応援のおかげでいいDVDができました」と言うとすぐに「アルバムも出します! 『Everlasting Songs』というタイトルで2月25日に発売されます。FictionJunctionの名義でやった曲はいろいろなサウンドトラックに別々に収録されているのでまずはそれをひとつのアルバムにしたくて。今までいろいろなアルバムに収録されていた曲をまず集めて、それプラス私が楽曲提供してきたものでみんなのお気に入りをセルフカバーという形で録り直したり、歌詞を少し変えたりしました。新曲もほんのちょっとだけ入ってて。どんな曲が収録されるか、皆さんも気になるでしょうからそこから3曲やりたいと思います」と話すと歓声と拍手が起こった。「here we stand in the morning dew」は千葉紗子さんのシングル「さよならソリティア」のカップリングで、セカンドアルバム『everything』に収録された曲で心が弾む清涼感のある曲、「dream scape」は『ツバサクロニクル』の挿入歌でFicitonJunction KAORI名義で発表した曲。「銀の橋」はアニメ『アクエリアンエイジ Sign for Evolution』の明日美のキャラクターソングで、それぞれソロ曲だがカルテットボーカルになり、よりメロディ、サウンド的にも厚さを増した気がする。演奏後、梶浦さんは「日本語詞の曲が3曲続いたのは私のライブでは初めてじゃないかな? 日本語ってわかりやすくていいね」と笑った。ここでまたアルバムについて「今、CD1枚79分にどれだけ入るか、瀬戸際の戦いをしています。何曲入っているかはここでは伏せておきます。75分くらいだったら負けて削ったと思ってください」。さて結果はいかに?

 「日本語の曲が続いたので今度は英語の曲を」と、6曲目と7曲目は共にアニメ『.hack//SIGN』のサウンドトラック。曲名に“twilight”=“黄昏”と入っているが落ち着いた雰囲気の「key of the twilight」、ギターやドラムのビートが響く「in the land of twilight,under the moon」は対照的だがどこか物悲しさを感じる部分が共通しているかもしれない。「in the land of twilight,under the moon」の曲間では歌姫達の姿を見て、ちらりと微笑んだ。

●歌姫紹介で和やかムードに!

 梶浦さんが4人のボーカリストを紹介する「歌姫紹介」のコーナーではWAKANAさんは「高音担当で、大のサメ好きでサメの話ではイキイキする。恐竜も大好き。生き物以外は東京タワー」、YURIKO KAIDAさんは「歌もののコーラスには何度も参加してもらっていて、私のサウンドトラックにはなくてはならない人。今ハマッているのはマカロン食べ比べ」、KEIKOさんは「低音から中音までこなすコーラスの柱を担当してくれます。しっかりしているようでおっちょこちょい。パスモやスイカをよくなくす。今日も切符なくなったって大騒ぎ」、KAORIさんは「低音から中音、高音まで、メロディも素晴らしいし、コーラスも歌い上げてくれる素敵な歌い手さん。最近凝ってるのは沖縄音楽とインド音楽。あとブーツ集め」と一人ひとり紹介されるたびに本人から突っ込みや「内緒って言ってたのに」と泣きが入っていて、場内も和やかなムードになっていた。

 「forest」はEmilyBindgerさんが歌っていた『エル・カザド』の挿入歌で、『FICTION』収録の「winter」は梶浦さんのピアノ伴奏とKAORIさんの歌のみ、アニメ『真救世主伝説 北斗の拳~ユリア伝』の主題歌「花守の丘」、アニメ『コゼットの肖像』のコゼット役・井上麻里奈さんが歌ってたED曲「宝石」としっとりとした曲調の歌を続け、会場は息をのんで聴き入った。シンプルな曲だからこそ曲とボーカルの良さが際立ち、心を揺さぶられる。そんないい雰囲気の後、「2曲目から10曲続いて意味のある言葉で歌を歌っていたんですね。私は造語で曲を作ることが多いんですけど(笑)」と梶浦さんが話すと緊張した空気がやわらいだ。

●後半戦は怒涛!そして衝撃の復活劇!

 バンド紹介をはさんで後半に突入。アニメ『ツバサTOKYO REVELATIONS』のOP曲でサクラ役の牧野由依さんが歌っていた「synchronicity」はアップテンポのナンバーだが、KEIKOさんとKAORIさんのツインボーカルで、ギターの是永さんがアレンジを施すとスピード感が増してよりカッコイイ曲になった。ボーカルの二人もステージを左右に動き回り、ダンスも決めてみせた。ここからラストまで怒とうの連発。『NOIR』の「salva nos」はKAIDAさんがオリジナルも歌っている。ステージ左右に赤いカーテンが降り、会場のテンションも上がる。ステージに向かい、こぶしを幾度も振り上げた。『舞-HiME』のサウンドトラック「目覚め」でも勢いは止まらない。本編のクライマックスは『アクエリアンエイジSign for Evolution』の「Zodiacal sign」。クラシック的なメロディに梶浦さんらしい造語。そして攻撃的なサウンド。歌姫達と一緒に梶浦さんも右手の人差し指を振ったり、腕を左右に広げたり、コーラスにも参加した。

「今日は今年6回目のライブで、今年最後のライブでした。2008年は幸せなことしかない1年でした。2009年も皆さんとこうして幸せだなと思いながら、音楽を同じ場所で楽しめることを祈っています。また来てください」というメッセージを送り、本編最後は『.hack//SIGN』のサウンドトラックでアジアンテイストのゆったり流れるサウンドと美しいハーモニーの「open your heart」で締めた。

 しかし「open your heart」はこれから始まるアンコールへのクールダウンであったかのように、打ち込みのデジタルビートのイントロが始まると手拍子が早くなる。そしてKAIDAさんとKAORIさんが聴き覚えのある“ヤンマーニ”のコーラスをし始めると声援は大きくなった。そこにバイオリンの伴奏も続くとなんとYUUKAさんが登場。誰もが待ち望んでいたFicitionJunction YUUKA(FJY)の復活の瞬間に、会場は最高のボルテージに。信頼する梶浦さんの横でYUUKAさんも気持ちよさそうに歌う。「こんばんは! YUUKAです」とあいさつすると予想以上の大きな反応に「わぁ~、すごいです!」と興奮気味。「FicitionJunctionの長女です。みんな、びっくりした?」と梶浦さんが会場にたすねると大きな歓声と拍手。ここでまたうれしいお知らせ。まずYUUKAさんが南里侑香としてソロシングル「オデッセイ」を2月25日にリリースする(梶浦さんいわく「実はこっそり聞かせてもらったけどいい曲ですよ」)。同じ日にリリースする『Everlasting Song』にもFJYの新曲「記憶の森」が収録され、2009年に発売のOAD『ツバサ春雷記』のED曲になっているとのこと。「“オデッセイ”はFJYとまったく違った曲で、同じ日にFJYと南里侑香の曲が同じ日に発売されるのはうれしいです」(YUUKAさん)。梶浦さんは「新曲はアルバムまでお楽しみ……とは言わずに聴いてください!」とここでも新曲を投入。梶浦さんのライブでは出し惜しみがまったくない。どこまでもサービス精神が旺盛なことに改めて感心した。「記憶の森」はゴスペルのようなイントロからすぐにトップギアに入るアグレッシブなサウンドで、YUUKAさんのせつなさ全開のボーカルとFJY復活を印象付ける1曲になりそうだ。

●ダブルアンコールでもうれしいニュースが!09年にも期待だ!!

 ダブルアンコールでは全員がライブのシンボルイラストが描かれたTシャツを着て再登場し、ミドルテンポのナンバー、アニメ『ツバサ・クロニクル』の挿入歌「ユメノツバサ」 を歌う。場内も「ララララ」と声を合わせ、一体となった。この日最後のMCでも梶浦さんからうれしいニュースが。今春スタート予定のアニメ『パンドラハーツ』の主題歌をFictionJunctionが担当することと、梶浦さんの公式ファンクラブが3月1日に設立されることが発表された。この日、そして今年最後となる曲は「この曲と決めていた」という「聖夜」を全員で合唱して2008年のラストライブの幕を閉じた。

 この日のステージを目撃した人達は、これから更にアグレッシブな音楽活動が展開されていくと確信できたはず。2009年も音楽界、アニメ界をリードする梶浦さんの今後に注目したい。

<SET LIST>

FRONT ACT:Kalafina
1.fairytale
2.oblivious
3.君が光に変えて行く
4.lacrimosa

MAIN ACT
1.the image theme of XenosagaⅡ
2.fiction
3.here we stand in the morining dew
4.dream scape
5.銀の橋
6.key of the twilight
7.in the land of twilight,under the moon
8.forest
9.winter
10.花守の丘
11.宝石
12.synchronicity
13.salva nos
14.目覚め
15.zodiacal sign
16.open your heart

ENOCORE
17.nowhere
18.記憶の森
DOUBLE ENCORE
19.ユメノツバサ
20.聖夜
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