新谷良子さん怒涛のライブツアーファイナルはStudio Co..

新谷良子さんが全14カ所に渡るライブツアー『新谷良子 Live Tour はっぴぃ・はっぴぃ・すまいる ’09 chu→lip☆Toy Parade』を完走!ツアーラストのStudio Coast公演をリポート

 最新アルバム『MARCHING MONSTER』を引っさげて4月18日より過去最大となる全国14カ所のライブハウスツアー『新谷良子 Live Tour はっぴぃ・はっぴぃ・すまいる ’09 chu→lip☆Toy Parade』を敢行した新谷良子さん。各地で盛り上がりを見せてきたが遂に6月7日、新木場Studio Coastにて最終日を迎えた。6月3日にはNEWシングル「ReTIME」をリリースしたばかりとホットなタイミングであり、一番大きな会場でのツアーラストとなる。


●ライブコンセプトは移動式遊園地

 ライブ会場はちゅーりっぷ王国、お客さんは国民、そして新谷さんが姫という世界観で毎回ライブを展開しているが、入場するとモノローグドラマが流れているのはいつも通り。開演時間になるとPBB(ピンク・バンビ・バンド)のメンバーとのトーク。そして「このツアーは“移動式遊園地”なんだけど、名前を何しようか?」のくだりでツアー名の“Toy☆Parade”をみんなで叫び、スタート……だったが今回は更に過去13公演を振り返るトークが続き、リピーターはビックリ!客電が暗くなると影ナレで新谷さんと演奏するピンク・バンビ・バンド(PBB)のメンバーとツアーを振り返るトークが始まる。場内では笑いが起きながらも最終日だということを改めて実感したかのようにテンションが上がっていく。


●激しいナンバーの演奏とほのぼのMCのギャップが楽しい

 「みんなで盛り上がろうね。じゃあ行くよ!」の新谷さんの声と共にイントロが流れると、一瞬で新谷さんのカラー、ピンクのルミカに染まる。ステージが明るくなると小さな台にのっていた新谷さんは広い会場をぐるっと見渡した。OPを飾るのは『MARCHING MONSTER』の1曲目「Welcome to the Parade」。PBBの派手に奏でるパンキッシュなナンバーを元気よく歌い踊る新谷さん。「Bandwagon」、「Seven color palette」などしょっぱなハードで速いナンバーの連続に息上がる客席。バンド紹介でもメンバー一人ひとりが会場をあおる。しかし新谷さんは「周りの皆さんにごあいさつし合いましょう!」とうながすと客席のあちこちで「よろしくお願いします」とあいさつ会が始まったり、ビデオ撮影のクレーンカメラに「こんにちは」をしたり、ほのぼのとした雰囲気に。これがちゅーりっぷ王国なのだ。


●中盤は怒とうのスパート、8連チャン!

 でもこのMCはつかの間のブレイクタイムで、会場名をみんなでコールした後は再び激しく熱いパフォーマンスが繰り広げられる。「CANDY☆POP☆SWEET☆HEART」から続く4曲はアップビートのオンパレード。「CANDY☆POP~」の“オレンジに染まって~”のフレーズになるとピンク色だった会場がウルトラオレンジ色に早変わり。新谷さんも幸せそうだ。「ハリケーンミキサー」ではバンドメンバーのソロパートもあり、1人ずつ指名されるメンバーもノリノリ。「雨のスリーコード」からの4曲はミディアム、バラードなどの多様な曲でいろいろな表情を見せる。インストナンバーの「Secret Garden」から「雨のスリーコード」の流れはメンバーの演奏力、新谷さんの表現力に圧倒された。結局、「new story」まで連続8曲というハイスパートだが突っ走る新谷さんとPBBに、ついていくお客さんもすごい体力だ。


●このツアーでの新谷さんをイメージした「アイロニカルスター」

 8曲歌い切るとMCで会場を見ながら、「『new story』ではできるだけみんなの顔を見ようと思って歌ってきたけど、どの場所でもみんながニコニコしてくれてるのがうれしくて」と微笑んだ。たぶん新谷さんの笑顔を見たら誰でもそうなるだろう。また会場には女性専用ゾーンを設けていて、そこからのたくさんの声援に「わぁい、黄色い声だ!」と大喜び。テンションがまた一段上がったよう。

 「この調子でアゲアゲで行きましょう!」と再開したのは「このツアーの私」と話していた「アイロニカルスター」。週末たびにライブハウスでファンと会える“ウィークエンドハニー”状態が習慣になっていて「終わるのが不思議」と話していた。各地の思い出が駆け巡ったのでは。「L&L」では歌詞にちなんでギターのR・O・Nさんが客席にコインを見せ、華麗に投げ入れた。「Trickstar’s next Trick ‘09」では新谷さんらしいスピードラップを披露。「会場全員と話せないので」と入れたコール&レスポンスも。しかし「慣れていない」ため、ひとつの文章を区切った変わった形になったが、新谷さんもみんなも一体感を感じられて楽しそう。


●様々な想いあふれる終盤3曲

 ライブはいつの間にかもう終盤。「この2曲は今の自分を強く出していきたいなと思いながらレコーディングした曲で、ライブでも想いが入ってしまって」という2曲を歌う姿から想いの強さが伝わってきた。会場も後押しするように「Wonderful World」では会場につるされた大きなミラーボールが地球儀のように回り、「月とオルゴール」では黄色のルミカもちらほら。「幸せだったツアーの最後にこの曲を聴いてほしくて」と語り、歌ったのは「空にとける虹と君の声」。アルバム制作時に何度も自分を見つめ、考えた末に完成した曲だった。最初にライブで歌った時にはヘビーな空気が流れた。この日もR・O・Nさんのピアノから奏でられる旋律からもせつなさも感じられたが、新谷さんの表情には明るさや希望が感じられた。ステージ上段につながる階段が現れ、七色のライトに照らされ、一つひとつステップを上がる姿はいろいろな経験や想いを経て、少しずつ歩みを進める姿と重なった。終盤の3曲は1曲1曲が大きく、続けて歌うことはこれまで想像できなかった。しかしこの長いツアーで得たもの、たどり着いた答えが見つかったのかもしれない。


●今ツアーのライブDVD化を発表!

 アンコールではファンにはおなじみのライブでしか聴けない曲、新谷さん作詞の「はっぴぃ・はっぴぃ・すまいる」を歌うと、改めてありがとうの言葉を述べる。楽しかったツアーが終わることがまだ信じられないことや、「昨日、眠れなくて、今日のセットリストの詞を繰り返していたら、何周もしちゃった」と遠足の前日状態だったことも明かした。またライブDVDのリリースも発表。内容や発売時期は未定だが、「各会場の様子を撮影したロードムービーっぽい感じになりそうです。会場ごとにあったドッキリもたぶん収録されていると思います」。そして「ポカポカになってね」と6月3日発売の新曲のカップリング曲「スパイス」を歌い、このツアーの象徴とも言える「MARCHING MONSTER」に。楽しいパーティチューンに歌い踊った。イントロではピンク色の紙が大量に噴射された。「Toy Paradeの年間パスポートです。期限は今日までだけど(笑)」と新谷さん。そのまま、PBBメンバーと客席に一礼してステージ袖に消えた。


●「ReTIME」で締めくくり、次なるステージへ

 鳴り止まぬアンコールに再度、登場した新谷さんは「寂しい気持ちと超楽しかったという気持ちと、いろいろな気持ちが混ざっています。いろいろあったけど各会場、笑顔で『楽しかったね』と終われたことがありがたくて」と告げる。そして「お客さんやスタッフさん、メンバー、みんな必要な人達です。本当はいろいろ言葉で伝えたいけど、うまくできなくて。この曲で私の想いに触れてください」と話すと新曲「ReTIME」。このツアーのためだけでなく、今までの想いを歌にしたという曲だけに、新谷さんも彼女を見守るお客さんも思わず涙。共に過ごした時間の尊さとこれからも一緒に歩んでいきたい。そんな気持ちが伝わってくる。歌い終わると会場からPBBコールが大きく響く。涙をこらえつつ、「ありがとうございました! 今日は楽しかった!」と生声で叫んだ。ツアーラストは感動的なシーンで幕を閉じた。「Toy Paradeという形でないけど、また会いましょう!」と約束した新谷さんの次なるステージは9月に行なわれるビッグイベント、ランティス祭りだ。初の野外ライブでどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。新たな挑戦が待っている。


<SET LIST>

1.Welcome to the Parade
2.Bandwagon
3.Seven color palette
4.CANDY☆POP☆SWEET☆HEART
5.ハリケーンミキサー
6.wonderstory
7.crossingdays
8.雨のスリーコード
9.promise ring
10.sugarpot
11.new story
12.アイロニカルスター
13.L&L
14.Trickstar’s next Trick ‘09
15.Wonderful World
16.月とオルゴール
17.空にとける虹と君の声
ENCORE
18.はっぴぃ・はっぴぃ・すまいる
19.スパイス
20.MARCHING MONSTER
DOUBLE ENCORE
21.ReTIME
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