大人気の秘密をトークで探った「ノイタミナ大解剖」――三ツ矢雄二さんと櫻井孝宏さんが語った『空中ブランコ』『東のエデン』……
10月15日~18日、秋葉原UDXにて行なわれた『ジャパン・アニメコラボ・マーケット2009』(JAM2009)。17日にはUDX THEATERにて、フジテレビほかにて放送中の深夜アニメ枠“ノイタミナ”の下半期作品の最新情報を発表する「ノイタミナ大解剖」が開催された。
2部構成で行なわれた今回のイベントでは、第1部に11月の劇場公開をひかえた『東のエデン』をはじめとした“ノイタミナ”下半期作品の展開が紹介され、第2部では最新作『空中ブランコ』から、第2話の先行上映とともに、メインキャストの三ツ矢雄二さんと櫻井孝宏さんによるトークショーを実施。本作の魅力や演じるキャラクターについてトークを繰り広げた。
●最新作『空中ブランコ』の第2話を先行上映!
10月15日に放送がスタートした“ノイタミナ”の最新作『空中ブランコ』は、さまざまな悩みを抱えた患者たちが、破天荒な治療を行なうトンデモ精神科医・伊良部一郎のもとに訪れるというストーリー。極彩色の映像に、コラージュした実写や2Dアニメが融合する、『モノノケ』『怪~ayakashi~化猫』の中村健治監督ならではの斬新な手法を用いた“ハイブリッド・アニメーション”だ。イベントでは、第2話の「勃ちっ放し」が放送に先駆けて上映され、伊良部一郎役の三ツ矢雄二さんと、田口哲也役の櫻井孝宏さんがステージに登場した。
最初、伊良部に“大・中・小”のキャラクターがいることに戸惑ったという三ツ矢さん。「伊良部(大)は僕の得意分野なのですが、伊良部(中)はけっこう美青年。考えてみれば『タッチ』以来美青年は演じていなかったので、どうやればいいのか迷いました」と振り返る。さらに現場では伊良部(小)を演じる朴ろ美さん(“ろ”は王に路)と、2人でキャラクターを作りあげようとしていたと話す三ツ矢さんだが、「役を作るというよりも、伊良部として自由でいることが作品のテーマに繋がる。そう思ったら体が軽くなったような気がして、2話目以降から自由に演じることができた」と続け、「この歳になって画期的な作品の主役をやらせていただける。とても幸せな気持ちで演じています」と喜びを語った。
●櫻井さん「こんな役は一生に一度もないはず」
第2話で、局部の勃起が止まらなくなってしまうという区役所職員・田口哲也を演じた櫻井さん。役のオファーを受けた当時について、「たぶんアニメーション作品で、こんな役は一生に一度もないはず。『これはチャンスだな』という勢いで演じました」と意気込みを語る。16年前に声優学校の学生だった櫻井さんを指導したことがあるという三ツ矢さんは、「キャストとして共演するのは今回が初めて。マイク前で同等の立場になって感じたことは、よくぞここまで勃ってくれたなと(笑)。見事な“勃ちっ放し”でした」と櫻井さんの演技に称賛をおくり、櫻井さんも「16年の結晶です!」と応えていた。
患者として登場するキャラクターは、声優キャストがほぼ実写で登場するという『空中ブランコ』。司会をつとめるニッポン放送の吉田尚記アナウンサーから「第2話放送の翌日とか、外を歩いていると『昨日勃ってた人だ!』って気付く人もいるのでは?」と聞かれると、「不思議とまんざらでもない」とコメントする櫻井さんに客席は爆笑。ちなみに実写パートの撮影では、顔をトリミングするために水泳帽をかぶり、ポイントごとに動きを計測するマーカーをはって中村監督の演出を受けていたのだとか。「現場では合成前だったので、水泳帽をつけた僕の映像でアフレコをしていました(笑)」と櫻井さん。
また今後登場するキャストについて三ツ矢さんは「キャラクターが自分の顔なので、俳優がドラマをやるように演技をしている。その人の演技力というか、持ち味が色濃く反映されているなと感心しています。皆さん役の入り込みかたが凄いので、そのあたりも見どころとして楽しみにしてほしいです」と語った。
●三ツ矢さん「『自分を好きになろう』と思える作品に」
作品のテーマについて話題がおよぶと、「登場する患者たちは症状が極端に描かれていますが、ある種の不安感とか強迫観念みたいなものは誰もが持っているはず」と語る三ツ矢さん。「伊良部は具体的な治療はしない。一緒に遊ぶ感覚で過ごしていくことで、最終的に患者の気持ちが楽になっていく。治療をしたり、薬を飲んだりというのは医学において大切かもしれませんけど、『生きていく』ということにおいては、まず自分を知って、その自分を許してあげることも大事なことなのでは。そういうところから『自分のままでいいよ』『自分を好きになろうよ』と思える作品になればいいなと思います」と続け、「『空中ブランコ』を観た後に、皆さんがちょっと笑顔になってくれたり、眠る前にほっとしてもらえたら嬉しいです」と会場へメッセージを送った。
さらに会場では、フジテレビモバイルサイトにて限定配信される『空中ブランコ』のスピンオフ作品『妄想ブランコ』の櫻井さんバージョンを初披露。これは放送に連動した短編小説を患者役のキャストが朗読するというもので、杉本有美さん演じるマユミに注射をうたれたときに、TV放送ではとても言えないような患者たちの妄想を10名のキャスト陣が熱演している。ちなみに櫻井さんバージョンの『妄想ブランコ』は、10月22日の第2話放送と同時に配信される予定だ。
●『東のエデン』最新情報も公開!
このほか“ノイタミナ”の最新情報として、『東のエデン』に関する様々な展開が発表された。まず作品の舞台ともなったユナイテッド・シネマ豊洲にて、10月20日より期間限定の「東のエデンCafe」がオープン。「咲のもう放っといてアップルティー」などのオリジナルメニューや、原画や背景美術などの展示も行なわれる。そして吉祥寺パルコの「PARCO CITY×東のエデンプレミアムショップ」は、第1弾が11月20日~12月13日、第2弾が2009年1月6日~24日の期間限定でオープンする予定だ。
ファミリーマートのネットショップ「ファミマ・ドット・コム」では、咲&滝沢のペラモデルキットと『東のエデン 劇場版II Paradise Lost』の特別鑑賞券がセットになったコラボ限定商品を11月上旬より発売。そしてユナイテッド・シネマ豊洲では上記の「東のエデンCafe」のほか、TVシリーズ最終話に集結した2万人のニートにちなんだ「AKX20000」キャンペーンも実施。こちらの詳細は順次公式サイトにて発表されるとのこと。イベントでは2010年1月放送の『のだめカンタービレ フィナーレ』のアナウンスもあり、今後も“ノイタミナ”の展開に注目が集まりそうだ。
>>『空中ブランコ』公式サイト
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(C)空中ブランコ製作委員会
(C)東のエデン製作委員会