芸能活動25周年記念!初のカバーアルバム「まんまる」をリリースした松本梨香さんインタビュー
女優、声優として活躍中の松本梨香さんが、今年、芸能活動25周年を迎え、自身初となるカバーアルバム「まんまる」をリリースした。
アルバムに収録されている曲は、『銀河鉄道999』『機動戦士ガンダム』など、懐かしのアニメ作品の主題歌がカバーされ収録されており、松本さんが作詞・作曲したオリジナル曲「まんまる」も収録されている。また、アニメ主題歌はカバーするにあたり、新たなアレンジを加え、懐かしくも新しく感じ、親しみやすい作品に仕上がっている。
今回、松本さんにロングインタビュー。芸能活動25周年を迎えてやCDについてなど、たっぷりとお話を伺った。
●振り返ってみると、あっという間の25年
――今年は、芸能活動25周年になるということですが、今、25年間を振り返ってみていかがですか?
松本さん:あっという間だったなと思いますね。周りの人は25周年って聞くと「おぉ、凄いね~」ってなるんですけど、自分としては一歩一歩前進してきたなという感じがするので、振り返ってみたら「あ、25年経ったんだ」という感じですね。
――この業界で仕事をしようと思ったきっかけというのは?
松本さん:私の父が大衆演劇の座長をやっておりまして、小さい頃から舞台などに触れる機会がたくさんあったんです。
その時に、小さいお子さんから年配の方まで、家族揃って、毎日手を繋いで楽しそうに劇場に足を運んでいるのを見ていたんです。全く知らない人の心に飛び込んでいって表現することで、人が笑ったり泣いたり喜んだりしてくれる姿を見て、「凄いな」と思ったんですよ。「心を揺らすことの出来る仕事」って素敵だなと思って、自分もそういうのをやりたい!という気持ちが芽生えていたんですね。だから、小さい時のこの思い出が今の仕事をするきっかけになったんだと思います。
――小さいころから今まで多くの舞台に立たれてきたと思いますが、舞台に立つ仕事ではない“声優”という仕事に興味を持ったきっかけは?
松本さん:舞台をずっとやってきて、自分が大病を患ったんです。当分、舞台をやってはいけないというドクターストップがかかってしまい、退院した後も、勿論舞台には立てませんでした。そんな時に、自分はどうしたらいいんだろうと悩んでいたんです。そうしたら先輩やお友達が、「舞台だけじゃなくて、色々な所に表現出来る場所があるんじゃない?」とアドバイスをしてくれて、そこからラジオドラマとかに出演していたんです。そこで、事務所に「これからは色々とやらせて下さい!」とお願いしたら、アニメーションのオーディションがあるけどやってみる?と。その時は「何でもやります、やらせて下さい!」という気持ちでした。自分を試してみたかったというのもあったので…それが、20歳くらいの時でした。
――舞台に立ってお客さんの目の前で表現するのではなく、声だけで表現する声優という仕事はやってみた時はいかがでしたか?
松本さん:凄い難しかったです。「これでいいのかな」って毎日考えていました。本当に表現出来ていたのか不安で、いつも悩んでいました。舞台に立っていた時と声優の仕事を始めてみての一番の違いは、“間”が自分の“間”ではないということでした。“間”とか尺とか、アニメーションの動きに合わせるとか…今まで、自分の自由な“間”でやってきたので、制約のある中で演技する、というのが難しいなと感じていましたね。
――今後の舞台出演の予定はありますか?
松本さん:そうですね、来年からまた舞台にどんどん立とうと思っています。表現というのは、枠がないと思うんです。だから、色々な表現をしながらみなさんにメッセージを伝えていこうと思っているので。自分が生きてきて何かに共感したり、感じたりすることってあるじゃないですか?そういうのを、私が表現しながら、皆さんに“松本梨香”というフィルターを通して、伝えていけたらいいなと思っています。
――ちなみに、今まで出演した舞台の中で、一番印象に残っている舞台というのは?
松本さん:全て、ですね。全ての舞台が自分にとっての財産で、全ての舞台が宝物なので選べないです(苦笑)
―― 一緒に舞台に立っている役者仲間の方は、“声優・松本梨香”の活躍を見てどのようにおっしゃっていますか?
松本さん:「全然違う!」って、「さすが、プロだね」って言われます。とにかく、凄い関心されますね。「声優さんって色々出来るんだね」って(笑)。
私が子供の役をやったアニメを見た人からは、「本当に子供が喋っているみたい」とか言われますし。外国映画の吹き替えをやった時も私がやっていると分からないみたいですね。エンディングに日本語吹き替えの声優名が出るじゃないですか?あれを見て、「あの吹き替えは、梨香さんじゃん!」みたいに気づくみたいですよ(笑)。そういうのを聞くと、嬉しいですよね~してやったり!という気持ちになります。一女優としても演じられているんだなって、改めて思います。
●大人と子供の架け橋になってほしくて……
――さて、現在、松本さんのカバーミニアルバム「まんまる」が好評発売中です。このアルバムを発売しようと思ったきっかけをお聞かせ下さい。
松本さん:思い返してみると、今までオリジナルでCDを出させて頂いてはいたのですが、大ヒットとまではいかず…でも、私自身は気にしてはいなかったんです。いい歌が歌えているんだからいいじゃんって。でも、アニメソングとして『ポケットモンスター』の主題歌を歌わせて頂いて、そこで私が歌を歌うことを多くの人に知ってもらえて、そこで思ったんです。自分の歌を聞いてもらえる場を作ってくれたのはアニメソングなのかなって思ったんです。アニメに感謝しているんです。だから、恩返しがしたいなと。もっともっとアニメソングが活気づいて盛り上がっていったらいいなと思って、そういうのに自分が賛同出来たらいいなと思い、そこでカバーアルバムを出そうと色々と考えて、アルバム発売まで至ったんです。
――収録されているアニメソングも懐かしい曲が多い気がします。
松本さん:そうですね。メロディがはっきりしているというのは、収録曲が歌われていた1980年頃の時代だと思っているんです。それに、今でも古臭い感じがしないんですよね。当時、聞いていた人たちはもう大人になっていると思うんです。だから、この収録曲を大人が聞いたら、いい曲だなって感じると思うんです。でも、小さい子たちにもこのいい曲を共有してもらいたいですし、大人と子供の架け橋みたいになってほしいなって思うんです。
例えば、『銀河鉄道999』を見ていた女の子が大人になって、お母さんになって、懐かしみながらこの「銀河鉄道999」を聞くでしょ?で、お母さんが「銀河鉄道999」を口ずさんでいたら、子供も「銀河鉄道999」を知るじゃないですか?そのうち子供も歌えるようになって、お母さんと子供が歌って…みたいに、コミュニケーションの一つになったらいいなって。
――「銀河鉄道999 feat.タケカワユキヒデ」「Eternal Wind~ほほえみは光る風の中~」「やさしさに包まれたら」「生きてこそ」の4曲を選曲された理由を教えて下さい。
松本さん:今の等身大の自分が歌っても説得力が出るような歌を歌いたかったんです。自分も年齢を重ねて、こういうことを伝えていきたいって、今思っていることが現れていたのがこの4曲だったので、たくさんいい曲がある中でも、この4曲を選ばせて頂きました。
でも、実は他にも理由はあります。『銀河鉄道999』は好きなアニメでしたし、歌っているゴダイゴさんが好きだったので、「銀河鉄道999」を歌いたいと希望しました。次に『機動戦士ガンダム』シリーズの中からも1曲は選びたいなと思っていて、それなら自分が関わった作品でと思い、「Eternal Wind~ほほえみは光る風の中~」を歌いました。また、色々な曲を聞いて「これは自分にあっている!」と思って選んだのが「生きてこそ」です。「これは絶対に歌いたい!」と、揺るがない1曲でした。「やさしさに包まれたら」は、凄い名曲だと思いますし…全体的に、このアニメだから…というよりも、曲優先で選びました。自分が「今、歌いたい!みんなに伝えたい!」という曲が、この4曲だったので。
普段の元気な感じというよりも、芯は強く持ちつつも、自然体で歌っている曲が多いと思います。全部、アコースティックな感じでアレンジしているので、お風呂に入っている時やリラックスしている時に皆さんにも口ずさんで貰いやすいようになっています。
また、曲によっては、私がキャラクター的なものを演じた声や掛け声的なものも収録されています。CDの中で歌だけではなく演じた声も一緒に入れることが出来るというのは、私ならではだと思うので、どこに入っているのか、チェックしてみて下さい。
――CDの最後には、松本さんが作詞作曲された「まんまる」という曲が収録されています。この曲はどのような曲なのでしょうか?
松本さん:「まんまる」というのは、愛とか幸せとか人と人との輪とか、心があったかくなるような曲があったらいいなと思い、「まんまる」を作りました。でも、実は、曲名は後につけられたものなんです。
私は、両親にとても愛されて育ったんですよ。その、家庭愛というのを色々な人に伝えていきたいという思いから、自分が小さい時にお母さんがおにぎりを作ってくれて、自転車で山下公園まで行って、山下公園で一緒におにぎりを食べた思い出とか、そういうの懐かしい幸せな思い出を詞に託して、書きました。
子供の頃って、お父さんといる時よりも、お母さんといる時の方が長かったと思うんです。お母さんが色々教えてくれたし、元気で明るくてたくましくて、そういうエネルギーを吸収して育ってきた気がするんです。だから、そんな強さや幸せな想いを詞に載せてみました。
また、今、シングルマザーの方も多いというお話を聞いていたので、自分が愛された思い出や気持ちも込めつつも、詞自体は子供目線で書いたので、お母さんへの応援メッセージになればいいなと思います。
――今のお話を聞くだけでも、松本さんの家族への愛情が伝わってきますね。
松本さん:そうですね。芸能生活25周年を迎えて、改めて家族に感謝していますし、これからも幸せであってほしいですし。ずっと、繋がっていて、家族が輪のままであったらいいなと思っています。この先、いつまで自分が声優として女優として活動していけるかは分からないけれども、家族愛を自分なりにみんなに伝えていきたいなと思っています。
このCDの発売前に聞いてくれた後輩がいるんですけど、「生きてこそ」を聞いて、私らしいなって思ったらしいんです。で、最後に「まんまる」を聞いて号泣してしまったそうでして。その後輩は、お母さんに凄く反発していたそうなんです。とにかく反抗していたそうなんですけど、「まんまる」を聞いて、今までそうして反発していたんだろうとか、お母さんに感謝しなきゃとか、お礼を言わなきゃって思ったみたいで、「この曲を作ってくれてありがとうございます」って連絡をもらったんです。それを聞いて、私は凄い嬉しくなっちゃって…あぁ、やっぱり私はそういうことをみんなに伝えたかったんだなって。だから、皆さんに「まんまる」を聞いて頂いて、是非、メッセージを感じ取ってほしいです。
あと、実は「まんまる」を作る際に題材にした曲があるんです。小さい頃の童謡なんですけど、お母さんと子供のやりとりを歌った歌なんです。「あれもしてあげる、これもしてあげる」と何でもお願いを叶えてあげるよ、という歌になっているんですが、最後に「いい子にしていたらね」というオチがつくんです。「まんまる」も同じテイストで作りたくて…「♪ママとならハッピーライフ~」という歌詞があるんですけど、その後にどんな歌詞が続いているのは、CDで聞いて頂ければと思います(笑)。
――ありがとうございます。次に、CDジャケットについてもお聞かせ下さい。
松本さん:見て頂くと分かりますが、凄い自然体で撮っているんですよ。“松本梨香”を身近に感じて頂けるようなものになっています。ノーメイクで撮っているのもあるんですよ~私の素の部分を撮影してもらったというか。先ほども言いましたが、このCDを小さい子にも聞いてもらいたいですし、ジャケットも見てもらいたいと思ったので、ジャケットも見開きの見やすい形にしてもらいました。
――では、最後に、ファンへのメッセージをお願いします。
松本さん:今年、来年とライブやイベント、そして舞台を行います。是非、遊びに来て下さい!
私は皆さんが支えてくれるからこそ、こうやって立っていられるので、今後とも応援を宜しくお願いします!
CD■「まんまる」
好評発売中 1,575円(税込)
収録曲:「銀河鉄道999 feat.タケカワユキヒデ」「Eternal Wind~ほほえみは光る風の中~」「やさしさに包まれたら」「生きてこそ」「まんまる」
>>オフィシャルホームページ「RICA-NET」
>>松本梨香 official blog『JollyDog』 powered by Ameba