ついに公開された『いばらの王 -King of Thorn-』――花澤香菜さん、森川智之さんが初日舞台挨拶「アフレコは命を削るようでした」
サンライズの『スチームボーイ』『FREEDOM』制作チームによる新作アニメーション映画『いばらの王 -King of Thorn-』が5月1日に公開初日を迎え、同日、角川シネマ新宿にて片山一良監督、キャストの花澤香菜さん、森川智之さんが登壇して舞台挨拶が行なわれた。
映画『いばらの王 -King of Thorn-』は、2002年~2005年まで月刊コミックビーム(エンターブレイン)で連載されていた岩原裕二氏の同名コミックが原作。致死率100%の奇病「メドゥーサ」の治療法を求めて、最新鋭のコールドスリープ施設が建造された古城を舞台に、冷凍睡眠から目覚めた少女・カスミたちが、いばらと怪物に支配された未来の世界から決死の脱出劇を繰り広げるSFサスペンスだ。
●アフレコ収録は「命を削るようだった」
去年の8月に行なわれたアフレコ収録では、片山監督から直接指導を受けたと語るキャストの2人。冷凍睡眠から目覚め、変わり果てた世界を目撃する主人公・カスミを演じる花澤さんは「全身で演技をさせていただいたという感じです。監督の情熱がすごく伝わってきたので、期待に応えられるように頑張りました」。
「のどが持つかなと感じるくらいハードで、命を削るような収録でした」と話すのは、施設の惨事に乗じてある行動を起こす物語のキーマン・マルコ役の森川さん。「ディレクションルームも湯気が立つような熱気。今まで声を発する前に、こんなに色々な話し合いをしたことがないくらい監督とディスカッションして収録に入りました」と振り返る。
そんな2人に対し、片山監督は「カスミは魔法も持っていないし、武器の扱い方が上手というわけでもない。普通の女の子が、遭遇する出来事に対して様々な反応をしていくとき、作った演技ではなく非常にナチュラルな芝居が欲しかった。色々オーディションをして、ぴったりだったのが花澤さん。森川さんはどんなことをやらせても安定感があって頼りがいがある。そこに惚れて選びました」とキャスティングに大満足の様子を見せた。
●物語の壮大な世界観を包み込む、MISIAの主題歌にも注目!
さらに片山監督から本作のフィルムは去年の12月末には完成していたと明かされると、MISIAが歌う本作の主題歌「EDGE OF THIS WORLD」の話題に。「MISIAさんにフィルムを観てもらって作詞をしていただけたのは、12月に完成していればこそ。本当に映画に合った素晴らしいメイン・テーマになったと思います。ぜひ曲の終わりまで楽しんでもらえれば嬉しいです」と語った。
最後の挨拶では、花澤さんが「1回といわず、何度も観ていただけると分かるところもあると思います。『いばらの王』だけに、ぜひ自腹を切って“じばらの王”で!」とネタを披露すると、それを受けて「今日、我々も“じばらの王”として普通にパンフレットを買いました(笑)」と続ける森川さん。
そして片山監督が「“1回観ただけでは分からない”という言い方はしません。1回でも理解できるように作っていますが、実はキーワードやセリフなど、ちょっと見逃してしまうと気付かないような仕掛けがしてあります。いま僕の言ったことが気になるようでしたら、やはり2回、3回と自腹で来ていただけるとありがたいです」と締め、舞台挨拶は終了となった。
「いばらの王-King of Thorn-」は、角川シネマ新宿、シネマサンシャイン池袋ほかにて全国ロードショー中。
<取材・文:川口みどり>
『いばらの王 -King of Thorn-』
<スタッフ>
原作:岩原裕二(エンターブレイン刊)
監督:片山一良
脚本:山口宏、片山一良
キャラクターデザイン:松原秀典
スターデザイン:安藤賢司
メカニックデザイン:山根公利
総作画監督:恩田尚之
アニメーション制作:サンライズ
製作:「いばらの王」製作委員会
主題歌:MISIA「EDGE OF THIS WORLD」(アリオラジャパン)
<キャスト>
カスミ:花澤香菜
マルコ:森川智之
シズク:仙台エリ
キャサリン:大原さやか
ティム:矢島晶子
ロン:乃村健次
ピーター:三木眞一郎
ペッチノ:廣田行生
ローラ:川澄綾子
アリス:久野美咲
ヴェガ:磯部 勉
ウォルター:藤田圭宣
>>映画『いばらの王 -King of Thorn-』公式サイト