声優
演劇ユニット「乙女企画クロジ☆」が『エンガワノクラゲ』上演

福圓美里さんと松崎亜希子さんの演劇ユニット「乙女企画クロジ☆」が『エンガワノクラゲ』を上演! 能登麻美子さんと門脇舞以さんも客演で参加!!

 福圓美里さんと松崎亜希子さんの演劇ユニット「乙女企画クロジ☆」の第9回公演『エンガワノクラゲ』が5月13日から16日まで新宿スペース107にて上演された。また能登麻美子さん、門脇舞以さんらが客演として参加した。

●「乙女企画クロジ☆」は福圓さんと松崎さんの二人劇団

 福圓美里さんと松崎亜希子さんによって結成された演劇ユニット「乙女企画クロジ☆」。会場の押さえから制作、キャスティングまですべて二人で行い、ステージでも二人以外の出演者は共演という形の“二人劇団”。現在では公演チケットが手に入りにくく、プレミア化するほどの人気演劇ユニットとなった。

 2005年の初演から数えて9作目になる今回は森 悠さん作・演出の『エンガワノクラゲ』。海辺の家を舞台に、兄弟漫画家と妹、急死した兄の嫁と謎の関係の男など、様々な人物達が織り成すヒューマンドラマ。


●兄弟漫画家と兄嫁をめぐる愛憎劇。封じられた記憶と感情の扉が開けられる

 ここで物語を簡単に紹介しよう。潮みづきの作家名で活躍する兄弟漫画家、俵井みつる(波多野和俊)とゆくを(藤波俊平)は海沿いの家を自宅兼仕事場にしていた。そこにはみつるの妻、多美(能登麻美子)も暮らしており、兄弟の妹・なぎこ(福圓美里)もちょくちょく遊びに来ていた。

 しかし、みつるが不意の事故で急死。まだ悲しみが癒えないまま、連載の締め切りは確実に迫ってくる。なかなか描けないまま焦る、ゆくをの前に突然、敦(武藤啓太)が訪れる。多美は弟と説明するが、なぎこは二人への疑惑と不快感をぬぐいきれない。

 そんな敦を追って妊婦の倫子(松崎亜希子)までやってきた。カオスな状況の元、あわてる人々をよそに、ずっと変わらず落ち着いている多美。しかし誰も彼女の中に湧き出す感情のマグマが今、まさに爆発寸前であることを誰も気付いていなかった……。


●リアルな人間像を突きつけてゾクっとさせながらも離さないクロジ☆の魅力

 クロジ☆は、これまでの公演で人間の奥底に流れる情念を時にコミカルに、時に鮮烈に描いてきた。今作では何を考えているのか、わからない多美に対して、敦、みつる、ゆくを、なぎこ、倫子達はむき出しの感情をぶつけてくる。そのコントラストが各人物の心情や人間模様を、より鮮明に照らし出している。登場人物にはそれぞれ劣等感あり、愛情表現にも不器用だ。まさに愛すべき人間達であり、ワキ役がいないところはいかにもクロジ☆らしい。

 そして物語の中心軸にいる多美だが、冷静だったが終盤で見せた感情の爆発、翌日には何事もなかったように日常を繰り返そうとする姿は、男性にとっては不可解に感じるかもしれない。しかし、これこそクロジ☆が一貫して描いてきた、ドロドロした、リアルな女の情念なのだ。

 コミカルに繰り広げられる物語を人事のように笑って見ていると急に突きつけられるリアルな女性像にゾクっとさせられる。「女性って怖い! でも、もっとのぞいてみたい」とひかれる。だからクロジ☆の舞台はおもしろい!


●結成時の目標だった第10回記念公演は来年上演

 福圓さんと松崎さんが二人三脚で続けてきたクロジ☆は「とにかく10回までは続ける」と誓っていた節目の10回公演を来年迎える。会場は前作『きんとと』を上演したシアターサンモール。クロジ☆にしかできない、さわやかでドロドロした、魅せる舞台を期待したい。

<TEXT:永井和幸>

CAST
三浜多美:能登麻美子
徳本敦:武藤啓太
俵井みつる:波多野和俊
俵井ゆくを:藤波俊平
俵井なぎこ:福圓美里
星野倫子:松崎亜希子
鴨原新:中津川朋広
多美(少女時代):門脇舞以
敦(少年時代):橋本昭博
敦の父:竹田雄
北川温海(声の出演):木村はるか

乙女企画クロジ☆第10回記念公演
2011年3月18~21日
東京・シアターサンモール

>>『乙女企画クロジ☆』公式サイト

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