TVアニメ『さらい屋五葉』連続企画 メディアファクトリー・河本紗知プロデューサーが語った――「ピンと来たんです!『さらい屋五葉』をマングローブさんが作ったらすごいって」
今回の『さらい屋五葉』連続インタビュー企画は、メディアファクトリーの河本紗知プロデューサーが登場。
作品の製作にあたってDVDなどのパッケージ商品の販売などを手がける、映像メーカー側のプロデューサーである河本氏は、今回の『さらい屋五葉』のアニメ化を最初に提案した人物。企画の提案から今に至る“TVアニメ『さらい屋五葉』誕生ストーリー”が今明かされる!
──まずは、プロデューサーという仕事の内容はどんなものでしょうか?
河本氏(以下・河本):『さらい屋五葉』では、弊社からは私と田中という、もう一人のプロデューサーと二人で担当しております。一番最初に「『さらい屋五葉』をマングローブさんで」というアニメの企画案を出したのが私だったというのと、当時私は宣伝の担当だったので、スタッフの人選や放送枠を決める段階では一時期離れてしまっていたのですが、本格的に企画が動く段階で私が制作に移動して今に至ります。私の仕事は、アフレコやダビングの立ち会いや、監修物の確認事や、イベント準備、HP作成、販促物(チラシなど)や製造物の制作などをしています。
──なぜ『さらい屋五葉』のアニメ化を提案しようと思われたんですか?
河本:実はこの企画が立ち上がったのはかなり前で、当時はまだ『リストランテ・パラディーゾ』も放送されていなかった時期です。(同じオノ・ナツメ氏原作の『リストランテ・パラディーゾ』がTVアニメ化されたのは09年) 今まで見たことがないような映像を企画したいと思っていた時に、書店で原作が積んであるのを見たのが最初です。
目の動きだけのセリフのないコマが印象的だったり、コマとコマの間に独特のテンポがあって。これを当時『ミチコとハッチン』(08年)で付き合いがあったマングローブさんでやってみたら……!? という直感があり、社内の会議で提案しました。
──監督にもお伺いしたんですが、結構本格的な時代劇アニメになっていて、かなり挑戦的な企画だと思うのですが……
河本:最初の企画書の段階から、原作の持つ雰囲気とかテンポの表現を楽しみにしていたのですが、まさかここまでとは、という印象です。雨の音や町の雑踏の聞こえ方や、雨の日の湿気た雰囲気のような“においが感じられる”画作りとか、「できたらいいですね」と考えていたことが、本当に実現されていると思います。
──映像化にあたって、オノ氏と望月監督とはどのようなお話をされたのでしょうか?オノ氏からのリクエストなどはあったのでしょうか?
河本:オノ先生側からは「キャラの関係性さえ壊れなければ、例えば毎話完結のアクション多めのチャンバラでもいい」という、許容範囲の広い話をいただきました。
「原作としてはそういうスタンスなので、監督がやりたい事があればどんどん言っていただいて構わない」とも言ってもらえました。
──キャラクターデザインも原作に忠実で、アニメとしてはかなり独特ですが……
河本:デザインに関しては、キャラクターデザインの中澤一登さんから上がってくるものを、オノ先生も弊社も楽しみにしていました。望月監督にせよ中澤さんにせよ、個々のスタッフの方の原作に対する思いが深いせいか、設定もシナリオもすべてすんなり通りました。
──監督もマングローブさんも、思うところは一緒だったのですね?
河本:そうですね。あとは監督とオノ先生の意見が合っていたというか、オノ先生が監督をすごく信頼してくださっているというのが大きいと思いますね。
―─スタッフの人選についてもう少しうかがいたいのですが、望月監督にお願いした理由とは?
河本:「本格派のドラマ作りが出来て繊細な演出ができる方」をマングローブさんにご相談して、マングローブさんから紹介して頂きました。弊社としても、どのような演出をして頂けるのか楽しみでした。
──望月監督が脚本も音響監督も兼任されていますが、それも最初の段階で決まっていたことなのでしょうか?
河本:監督をお願いすることが決まった後、作品の内容について打ち合わせをする中で、監督は作品の細部にわたりかなり綿密なプランがあるように思われたのと、監督の方からもご提案があったので、この作品においては全体の統一感を出すためにお任せしようということになりました。
──キャラクターデザインの中澤一登さんについても伺いたいのですが……
河本:中澤さんに関しては弊社から希望してお願いしました。メインクレジットとしてはキャラデザなんですけれども、作画監督補佐もされている話数があったりと、非常にお世話になっています。
DVDの特典にはキャラデザのラフや原画修正を載せた小冊子もつきますので、是非楽しみにしていてください。
──放送も大詰めですが、終盤の観どころ等をお教えください
河本:1話の冒頭に過去の回想シーンが入るなど、最後に至るまでの伏線が序盤からきっちり入っていまして、それが最終話にむかって収束していくという、綿密に練りこまれたストーリーなので是非最後まで楽しみにしてください。最後まで見て観終わった後にすんなり来るような、とてもいいラストだと思っています。
もちろん途中からでも、演出や音楽など見応えはすごくあると思いますし、特にこのアニメに関しては、最初から最後までストーリーの“妙”みたいなものが完成されていると思いますので、最初から見て頂いている方にはそこを是非観てください。
<取材・文:渡辺 佑>
<STORY>
気弱ではずかしがり屋な性格のせいで浪人となり、田舎から江戸に出てきた秋津政之助は、偶然出会った遊び人風の男・弥一の用心棒になるよう頼まれるが、政が守ることになった弥一こそ、拐かし(かどわかし)を生業とする賊「五葉」の一味。政之助は剣の腕を見込まれて、「五葉」一味に加えられてしまう。
仕方なく五葉を手伝う政之助だったが、ひとクセもふたクセもある個性的な面々が揃っている「五葉」の仕事を通じて、彼らが抱える個々の事情に関わってゆく事となり、人として成長を遂げていく。
※スタッフ、キャスト、最新情報などは公式サイトをチェック!
<放送情報>
フジテレビ“ノイタミナ”にて毎週木曜 25:15~
関西テレビにて 毎週火曜 25:59~
東海テレビにて 毎週木曜 26:45~
テレビ熊本にて 毎週月曜 26:10~
BSフジにて 毎週土曜 25:30~ 放送中
DVD第一巻は7月23日発売!詳細は公式HPへ
>>TVアニメ 『さらい屋五葉』 公式サイト
>>マングローブ公式サイト