ドラマ『もやしもん』リレーインタビュー企画:キャスト編――美里薫:西田幸治さん&川浜拓馬:木村明浩さんインタビュー「観どころは僕らとCGの共演!(西田さん)」「唯一の役作りは“標準語”でした(木村さん)」
この夏最大の話題作は超ミクロな“菌”がテーマ! フジテレビ“ノイタミナ”ほかで好評放送中のドラマ『もやしもん』。放送もいよいよ盛り上がって、原作とは一味違う展開に、マンガ&アニメ版からのファンも目が離せないよね!アニメイトTVがお送りしてきた連続インタビュー企画、今回はみなさんお待ちかね、美里薫役の笑い飯・西田幸治さんと、川浜拓馬役のバッファロー吾郎・木村明浩さんが登場だ!キャスト発表直後から話題となったこのキャスティングだけど、2人は本格的なドラマ出演は初めてだったそう。慣れない撮影は大変だったの? はねゆりさんが話してた黒沢さんの武勇伝って? これからさらに盛り上がるドラマをより一層楽しめるスペシャルインタビューです!
――おふたりはドラマ出演のご経験はあったんですか?
木村明浩さん(以下、木村):ふたりとも連続ドラマは初めてです。
西田幸治さん(以下、西田):僕は全12話の内の3話だけという形なら出演したことがあります。
――全話を通して、また主要キャストで出られたというのは初めてなんですね。連続ドラマにご出演されてのご感想をお願いします
西田:「大変だった」の一言に尽きますね。時間がかかるということが本当に大変でした。待ち時間もそうですが、カメラやアングルを変えての撮影も大変。そういうことはお笑いをやっているとないので……。
木村:「待つよ」とか「待たされるよ」など、噂で聞いていた通りでした。僕らは舞台で育ってきた人間で、こんなに待たされることはまずないし、役者さんを見ていると、みなさん当然のように待っているので、噂は本当だったんだなぁと思いました。
――寒い時期に撮影されたそうで、キャストのみなさんが「寒かった」とおっしゃっていたのですが?
西田:寒い、本当に寒かった! お昼ご飯に温かいトン汁を炊いていただいて、本当に嬉しかったです。特に黒沢さんがお昼ご飯を楽しみにされていたのが印象でしたね(笑)。休憩に入ると真っ先に、マネージャーさんに「取ってきてくれ!」と指示をだしていましたよ(笑)。
――はねゆりさんにインタビューした際に、黒沢さんが“武勇伝”をお話になられていたとおっしゃっていたのですが……
木村:すごくためになるよいお話しでした。本当のスターというのはどういう人物なのかというのを、上から目線ではなく語ってくださり、本当にすごい方なんだなぁって改めて思いました。その当時の、黒沢さんも含めて銀幕のスターというのは、僕らの描いていたスターのままでした。黒沢さんではないのですが、現場到着に間に合わないときにパトカーが先導して撮影現場に入ってきたとか。言えない武勇伝もたくさんありましたが(笑)。
――黒沢さんはドラマの経験があり、スタッフを含めた誰よりも経験者なので、お二人に演技指導をされていたと聞いたのですが?
木村:黒沢さんにはたくさん助けていただきました。「その台詞はコッチを向いて喋ったほうがカメラに映るよ」とか。
西田:そうですね。
木村:僕に長い台詞があり、覚えられなかったんですが、何度か重ねて行くうちにようやく言えそうになったとき「カメラの位置を変えます」となり中断しかけたんです。そうしたら黒沢さんが「木村くんが良い感じだから、このまま撮ろう!」と仕切ってくださって、緊張が解けてOKテイクを撮ることができました。
西田:第1話で、キビヤック(海鳥を発酵させた臭~う食べ物)を扱うシーンがあるんですが、黒沢さんが「苺ジャムをつけたらいいんじゃないかな?」という提案をしていました。
木村:そうそう。「ジャムをつけたほうが、この鳥を食べている感じがより増すんじゃないか」と言っていましたね。僕らからするとトップスターだから、そういう汚いことをするのは嫌がるのかな? と思っていたら、自らが率先して「鳥に手を突っ込んでいるシーンなんだから、もっとジャムを付けてよ!」と言っていました(笑)。
西田:ジャムにまみれて2~3時間、撮影されていましたよ(笑)。
――他のキャストの方はいかがでしたか?
木村:中村くんのおかげでラクに撮影することができました。
西田:やはり僕らはお笑い芸人で、役者さんに対してどう話しかけていいのか分からなかったんですが、中村くんが僕らのほうに来てくれて「みんなで一緒にご飯食べましょう」とか「飲みに行きませんか?」とか、誘ってくださって。
――飲みに行ったんですか?
木村:行きましたよ、撮影の合間に「どこかご飯に行きましょう」と、ご飯を食べに行ったり、その後、撮影が終わってからも、東京で飲みに行ったりもしました。
――では撮影以外でも交流が広がっていたんですね
西田:木村さんはこの前、加藤夏希さんとタッグ組んで大喜利やっていましたよね(笑)。
木村:そうそう(笑)。この『もやしもん』で共演させていただいた流れで、夏希ちゃんに「大喜利で対決するイベントがあるんやけど出てくれへん?」とお願いしてみたら「あ、いいですよ」と軽くOKしてくださりました。夏希ちゃんは今まで大喜利をやったことがないと言っていたんですが、とても上手かったです。
――加藤さんのボンテージはいかがでしたか?
西田:寒い時期の撮影だったので、可哀相だなと思いました。ただ、僕らはやっぱり嬉しかったですね(笑)。
木村:似合っていました。「こんなにボンテージが似合う人が居るんや!」って。僕はずっと乳を見ていましたけどね(笑)。
西田:木村さん……机に両肘を付けて、手にあごを乗せて下から見るようにずっと見てましたよね(笑)。
――それはドラマの中のシーンではなくて?
木村:プライベートで(笑)。カメラの位置を変えたりする待ち時間があるじゃないですか。そのときに「ええなぁ」って(笑)。キレイでしたね、本当に。
――では今度は演じられたキャラクターについてですが、以前“AR記者会見”の際に木村さんは「大学2年生をやるんですが……」とおっしゃっていましたよね。大学2年生をやることになってどう思いました?
木村:間違いじゃないの? と。僕は今、前厄なんで……(笑)。このお話をいただいたときに僕は、学生たちを見守る一歩引いた大人の役なのかなと思ったら「川浜で。」と言われたんでかなり戸惑いました(笑)。
――ドラマも初出演で、大学2年生という役どころを、自分なりにどういう風にしていこうと思いましたか?
木村:僕、川浜は好きなキャラクターなんですが、背格好は別にして、根っこの部分はすごく2枚目なヤツ、男気があってニヒルな人柄ですよね。だから、キザにふるまおうかなと思って挑んでみたんですが、けいこ場や現場で「そうではなく、美里と一緒にはしゃいでください」と言われてしまいました(笑)。一歩引いている川浜だから疑問に思っていたんですが「いいです、楽しんでください」と言われて、結果、川浜は……“僕自身”です(笑)。
――ドラマ版の川浜は素の木村さんなんですね(笑) じゃあ、演じるのもラクになったんじゃないですか?
木村:そうですね(笑)。ただ、標準語だけを気にしました。西田とアドリブをやっているととっさにでそうになるのが、やっぱり関西弁なんですね。普段から西田と「なにしてんねん」とか「やめぇや!」とか言い合っていたので、唯一の役作りと言ったら、標準語かもしれませんね。
――西田さんはいかがでしたか? 今回は色んなところで西田さんのキャスティングについてはまり役だと話題になりましたが?
西田:これは……ほぼ、演じていないですね(笑)。原作の石川先生には「二人で好きにやってください、それが楽しみです」とおっしゃっていただいていたので、好きにやらせてもらいました(笑)。
木村:コレ(美里)、お前やもんな(笑)。
――石川先生とお話されていたんですね? お二人の演技を観て何かおっしゃっていましたか?
西田:いや、ニヤニヤしていましたね(笑)。
――では最後にドラマ『もやしもん』の見どころをお願いします
西田:菌が主役のドラマですよね。さっきCGと合成された完成品を観させていただいたんですが、本当にすごいですね(笑)。僕らが撮影していたときは何もなかったですからね。やっぱり、僕らの俳優の演技とCGの菌が重なった映像を楽しんでほしいです。
木村:原作とはストーリーが若干違うので、原作やアニメを知っている方は戸惑うかもしれませんが、オリジナルが含まれた実写ドラマならではのストーリーを楽しんでいただきたいです。1話の酒樽が倒れるシーンの酒樽はCGなんですよ。倒れて流れたお酒も実は水だったんですが、湯気が出ていたり。
西田:入学式のシーンでは桜が満開でしたが、あれ、撮影しているときは枯れ木だったんですよ(笑)。
木村:知っている僕らでさえ気付かなかったところが多かったくらいCGがなじんでいました。CGの完成度も見どころだと思います。
<聞き手:だーくまたお>
<取材・文:岡 有希>
ドラマ『もやしもん』
毎週木曜24:45~フジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送中
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