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『フラクタル』放送を記念したニコニコ生解説イベントを開催

『フラクタル』山本寛監督の名指揮者ぶりは今夜のニコニコ生放送でチェック! 50人の吹奏楽団との真剣勝負の現場に潜入レポート!

 監督山本寛さん、シリーズ構成岡田麿里さん、ストーリー原案を東浩紀さんが担当する壮大なオリジナルアニメ『フラクタル』が、フジテレビ“ノイタミナ枠”にて2011年1月13日24時45分より、いよいよスタートする。

 放送開始キャンペーンとして、今晩1月13日24時15分から25時15分にかけて、ニコニコ動画エンタジャムチャンネルにて“フラクタル放送記念ニコニコ生解説イベント”が開催される。同イベントでは関東地方での放送に合わせ、山本監督、クレイン役小林ゆうさんの生コメンタリ―が行なわれるほか、山本監督の指揮によるフラクタルBGM演奏も配信される予定。アニメイトTVでは今回、指揮当日の山本監督と、音楽担当の鹿野草平さんを取材してきたので、お届けしよう。

●『フラクタル』楽曲を山本監督自ら指揮!

 今回の指揮は、鹿野草平さんが手がけた音楽を、作曲者自らが吹奏楽バージョンにアレンジ。50人を超える演奏者を山本監督自ら指揮するという趣向だ。心地良い緊張感の中、まずは鹿野さん、続いて山本監督の指揮による演奏が行われた。実は山本監督は以前、小説『アインザッツ』の企画でも指揮を取っている。その時は一発勝負で無我夢中だったとのことだが、今回は楽器の構成を微妙に変えたりしながら、納得行く音が出るまで何度もこだわって演奏していた。その指揮は本格的なもので、鹿野さんも「指揮は素晴らしかったですよ。前回持っていた指揮棒が今回は無しだったんですが、指揮者は一皮むける時に指揮棒を手放したりするので。次の収録の際には監督に振ってもらおうかと思いました(笑)」と太鼓判を押していたほどだ。

 『フラクタル』で音楽を担当した鹿野さんは、第2回全日本吹奏楽連盟作曲賞で第1位に輝いた気鋭の作曲家。実は鹿野さんの音はアニメーションに大きな影響を受けているとのこと。鹿野さんの評判とアニメにインスパイヤされたとの話を聞いた監督が「実際に音を聴いてみると、非常にエッジが効いた、吹奏楽の中でも新しいサウンドで、かつキャッチーたったんですね。ちょうど『フラクタル』に向けてオケ曲が書ける人を探していたので、彼だったら書けるに違いないと思いました」との経緯で楽曲を依頼したとのこと。鹿野さんは電波ソングを現代音楽的に解釈するとどうなるかを考える中で、山本監督作品の電波ソングにラップを取り入れたところにも影響を受けているそう。鹿野さんにとっては初めての劇伴(アニメなど映像のBGM)とのことで、映像とキャラクターに合わせた劇伴の作り方について、監督の指導やボツなどを受けながら試行錯誤して制作したとのこと。鹿野さんからは、「試行錯誤で非常に面白かったです。最初に曲ごとにストーリーのキーワードを書いた数行のテキストをもらって、それに基づいて一曲ずつ完成させました。『フラクタル』全体のテーマとなる楽曲では、音名象徴という技法で、『FRACTALE』の頭からFa・La(RA)・Cでファ・ラ・ドという音をまず拾ってそれにリズムをつける形で制作しました」との裏話も語られていた。

 二人三脚で作りあげただけあり、楽曲の出来には山本監督も満足で、「ことあるごとにこの音楽を流せばいいというくらい、作品の世界を象徴する音楽になったと思います。監督としては、こうしたキャスティングを外さないのも仕事だと思っているので、鹿野さんの音楽もはまったなとニヤリとしています。作品の世界を二倍にも三倍にも広げてくれる音楽に仕上げてくださって感謝しています」と語っていたのだった。実際の楽曲と山本監督の名指揮ぶりについては、今晩24時15分からの“フラクタル放送記念ニコニコ生解説イベント”をぜひチェックしよう。

(取材・文:中里キリ)

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(C)フラクタル製作委員会
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