新谷良子さん声優デビュー10周年記念ベスト盤『BEST BAMBI BOX』発売記念! WEB3媒体連動企画 アルバム全曲紹介と特別編集の楽曲を聴ける![中期編]
2011年、声優デビュー10周年を迎えた新谷良子さんがベストアルバム『BEST BAMBI BOX』を2月9日にリリース! それを記念して、『アニメイトTV』、『とれたて!ほびーちゃんねる』、『マイコミジャーナル』のWEB3媒体で連動企画を開催!
アルバム収録の28曲とPV9曲の全曲紹介を「前期」、「中期」、「後期」に分けてそれぞれ各サイトで掲載。各期ごとに特別編集した曲も試聴できます。また「未来」をテーマに、「役者」、「音楽活動」、「ライブ」についても語ってもらいました。
当サイトでは2ndアルバム『Pretty Good!』収録曲からの「中期編」をお届けします。
――まず今年、声優デビュー10周年を迎えられた感想は?
新谷良子さん:そんな気が全然しなくて。正直、2~3年で消えると思ってました(笑)。でもアニメデビュー作の『ギャラクシーエンジェル』は、『ギャラクシーエンジェる~ん』まで約5年もやらせていただいて。その間、他のお仕事もいただけてよかったです(笑)。いまだに自信を持てないままなんです。
――ベスト盤『BEST BAMBI BOX』も先日、発売されました。
新谷さん:ベストアルバムのお話をいただいた時、最初は抵抗があったんです。私とスタッフさんで曲を選んで「ベストです」と言うのは押し付けがましい気がして。でも10年やってこられたのはファンのみんなのおかげだし、出すことで喜んでもらえるなら、みんなで一緒に作りたいと思って、選曲を投票で決めることにしました。投票結果を見て、驚きもあったし、みんなのそれぞれの曲への愛情が感じられて、完成した今、幸せなアルバムができて嬉しいです。
――以前、2007年に『The Great bambi Pop Swindle』という裏ベストを出しているのがおもしろいですね。
新谷さん:2月14日発売で、バレンタインプレゼント的な。買ってもらわないといけないけど(笑)。シングルのカップリング曲でアルバムを作りたかったんです。それまでカップリング曲はアルバムに入れていなくて、好きな曲や大切な曲ばかりなので日の目を見させてあげたいと思って。
――今回のベスト盤はCD2枚、PV収録のDVD1枚の3枚組。別にPV集で出してもいいほどで、まとめてしまうのはもったいないくらいの豪華さです。
新谷さん:何でしてくれないんだろ?(笑) 最初はDVDを一緒に収録するのはイヤだったんです。DVDはトールサイズのケースじゃないと何か違うって(笑)。
――でもライブ映えする曲が多いし、歌っている時の表情やパフォーマンスでかなり印象が変わりますから、初めての方にも親切だし、正解だと思いますよ。
新谷さん:ありがとうございます。よろしければライブにも足を運んでもらえたらいいなと思います。きっと楽しいですよ! でも10周年企画のスタートをBOXの形で出していただけるのは嬉しいことです。今、10周年とベストアルバム発売を記念したWEBラジオ番組『新谷良子のchu→lip☆RADIO』も配信中ですのでそちらもチェックしてください。
●『BEST BAMBI BOX』全曲セルフレコメンド[中期編]
<Disc1>
M11.スィートサマー[2005/5/25:2ndアルバム『Pretty Good!』収録]
(アルバムのジャケットを見て)すごい服、着てる(笑)。表はいいけど、裏はちょっと恥ずかしい。表紙で絵本を読んでて、カバーを取るとその絵本の表紙が出てくるギミックがあって。収録曲は前作と同じように元気で明るい感じの曲が多いですね。このアルバムから4曲も入るなんて意外でした。ライブでもあまり歌う機会がないのに。だから聴きたいと投票してくれたのかな。この曲は喜多村英梨ちゃん一番のお気に入りだそうです。歌うのには苦労しました。高速ラップ曲の1stシングル「ワガママdate show」のレコーディングで「滑舌が良すぎてカッコ悪い」と言われたトラウマがよみがえって(笑)。曲調は激し目でロックっぽいけど、歌詞の内容が恋する女の子のセンチメンタルな気持ちを綴った、セピア色な感じがいいんです。ゴツい曲なのにかわいい声をのせて、しかもサビが泣けるというのは好きみたいで、この曲もサビがすごく好き。そのサビに“花火がはじけた時”というフレーズがあって、R・O・N君が花火の音を入れようとしてたら、同時期リリースのアーティストさんのCDにそんな効果音を入れた曲があってやめました。
M12.Chained Diary[2005/5/25:2ndアルバム『Pretty Good!』収録]
私の中の暗黒面が出たような(笑)。投票では10位でビックリしました。メッセージソングっぽい曲を歌ってみたいと思ってたけど、このアルバムに入れていいものなのか、悩みました。でもこのアルバムに入れるからインパクトもあると思って収録しました。でも歌詞カードにはファンタジーでキャピっとした私がいて(笑)。私=笑顔みたいなイメージから外れたこともしたくなったんですよね。苦しみや悩みも歌うことで、人間味を出したかった。私はつらいことや悲しいことがあるから喜びや楽しさを実感できると思ってて、そういう意味の奥行きをこの時、出したいと考えたからここまで振り切ったんじゃないかな。
M13.Pretty Good![2005/5/25:2ndアルバム『Pretty Good!』収録]
「Chained Diary」の次がこの曲って笑っちゃいますね。投票結果を時系列順に並べたからこその意表をつく並びで。「私って意外に引き出しあるかも」と思える(笑)。このアルバムまではタイトルチューンは自分で作詞すると決めていて、私が付けた曲名がタイトルになってました。この曲はタイトルが先で、「何とかなるよ」みたいな掛け声的な意味です。みんなに元気になってほしいなと思って。なのに、「ファンシー☆フリル」に続く、ハレンチソングって言われて。“アタシだけに見せて 誰にも見せないトコ”がハレンチだって。そんな気まったくないのに。あとこの曲もそうだけど、私が書く詞って1番と2番で微妙に「てにをは」を変えてて、そのおかげで、ライブでよく間違いそうになるという弊害もあって(笑)。この曲こそアルバムのジャケットイメージ通りのかわいい女の子の曲になったと思います。
M14.Tomorrow(new)[2005/5/25:2ndアルバム『Pretty Good!』収録]
私がパーソナリティをしていたラジオ番組のCD『chu→lip☆リボルバー』に「Tomorrow」という曲があって、その曲をリマスタリングして収録していたので(new)なんです。ファンの方やライブスタッフに好きと言っていただくことが多いし、サビでうるっとこさせる好みの曲なのに、なぜか歌詞をすぐに覚えられないんです。ライブで歌う時は一番苦労してるかも。たぶんレコーディングで割とすんなり歌えたから残らないのかな(笑)。詞は背中を強引には優しく押してくれるような。そこが現代の草食系男子には心地よかったのかしら(笑)。これまでの道のりを振り返るようでもあり、新たに出発する曲でもあり、このアルバムに入るのにふさわしい曲なのかなと思います。
<Disc2>
M1.CANDY☆POP☆SWEET☆HEART[2006/5/24:8thシングル]
アニメ『姫様ご用心』のED曲で、宮崎羽衣ちゃんとトレーラーのステージでゲリライベントをしたのを思い出します。恋する女の子の曲ですが、1番と2番では女の子と男の子の関係性もかなり変わって。2番で何か越えてしまったような。“サンデーモーニング”から“マンデーモーニング”と1日しか経ってないのに(笑)。たぶん告白されたのかな。かなりテンポが早い曲なので息継ぎが大変でした。だいぶ歌っているので今では何も感じないけど。初めてライブで歌った時、大サビ前の“このまま一緒にオレンジに染まって”を歌うと会場がサイリュームで一斉にオレンジ色になって驚いたし、感動しました。今はオレンジじゃないサイリュームを持ってる人も隠してくれたりする気持ちも嬉しくて。『ランティス祭り』でもそうで。素敵ですよね。最近は直前に目を閉じるようにしてます。まぶたを開けた瞬間の感動を味わいたくて。
PVは「恋の構造」や「Wonderstory」とは違いますね。前の2曲はドラマパートも含めての作品だったけど、この曲ではPVのみで成立させることを考えたから。あと私自身も子供っぽさが少し抜けたかな。メイクも変えて。音楽制作やライブなどでお世話になっているピンク・バンビ・バンドのメンバーもフィーチャーされて。バンドのPVっぽいかな。
M2.STEREOLOVE[2006/11/15:3rdアルバム『空にとける虹と君の声』]
この曲は歌う時にすごく苦労しました。最初はゆっくり目なのに、急加速してラップになるという。アップダウンが激しい。サビで私も振りをつけちゃったから難易度も増して。軽く緩い感じもやりたいなと思って、作られた曲です。R・O・N君からは「ちょっと難しめな曲を作って困らせてやろうと思うんだけど、クリアしちゃうからどんどん難しくなっちゃうんだよね」と言われたことがあるんです。相乗効果で私も上達していく。けど、迷惑だなと思う自分もいて(笑)。このくらいから、それほどレコーディングには時間がかからなくなってきた気がします。歌う部分はいっぱいあるのに。高速ラップにも慣れて。今、「ワガママdate show」を歌うと遅く感じてしまって。慣れって怖い(笑)。詞の内容は恋する女の子は走り出したら止まらないんですという曲です。
M3. 空にとける虹と君の声[2006/11/15:3rdアルバム『空にとける虹と君の声』]
重い曲ですね。すごく悩んでいた時期で、引っ張られるようにスタッフも暗くなって。アルバムジャケットも黒いくもり空(笑)。このアルバムと『Pretty Good!』の間に1枚あったような錯覚してしまうほど。この曲をタイトルチューンにすると決めた時、「CANDY☆POP☆SWEET☆HEART」と「Happiest Princess」の置き場所は難しかったです。「人って本当につらい時には泣けないんだな」と思っていたけど、この曲を聴いた瞬間に涙がこぼれて。アルバムで1番最初にレコーディングしたんですけど、その時にも泣いて。その後の「STEREOLOVE」の歌入れも駅に降りてからスタジオに足が進まなかったのを覚えてます。でも時が解決してくれて。ライブでも普通に歌えるようになりました。『空にとける~』は重めなトーンのアルバムになりましたが、みんなが受け入れてくれたことで、勇気をもらって次に踏み出すことができました。
M4.ロストシンフォニー[2007/6/27:9thシングル]
投票で1位になった曲です。当時のインタビューで「ずっと歌い続けてこの曲を完成させます」と言ったんですが、歌っても歌っても終わらない気がして。
サビの“足りない旋律”じゃないけど、足りない部分がいまだにわからない。楽曲としてはシンフォニーのタイトルに負けない、完成した素晴らしい曲なのに。その壮大なのに未完成な感じがいいのかもしれない。自分の曲をあまり聴かない私も聴きたくなります。
PVはモノトーンでカッコイイ映像なのに、バンドを見ると笑っちゃうのはなぜだろう? 制作過程では色味やカットにこだわりました。それなのに自分の動きがぎこちなくて、後で見て後悔しちゃう。私じゃない人に動いてもらったほうがよかったかなって(笑)。
M5.Parallel Paradise[2007/6/27:9thシングル・カップリング]
「ロストシンフォニー」のカップリングだからこそ、楽しくお祭りみたいな曲にしたくて。朝までパーティ気分でアゲアゲに盛り上がろうという曲ですね。だからライブにはピッタリです。かわいいだけだとダメだと思って、レコーディングでは精一杯トゲトゲしさを出したつもりなのに、「かわいすぎる」と言われて。私の声って脳天気に聴こえちゃうのかな。これって、得なのか、損なのか、よくわからない(笑)。
M6.Wonderful World[2007/12/19:4thアルバム『Wonderful World』]
フルアルバムで唯一、タイトルチューンが1曲目に来ました。私の歌の中では割とざっくりした歌詞かな。メッセージソングというか。イメージっぽい歌詞だから受け取る人によって、とらえ方が違うと思ってたら、自分で歌う時もレコーディングとライブでイメージが全然変わって。どんどん変化していく曲だなと今でも思います。よく私の曲の詞に登場する“終わりの始まり”もこの曲キーになっていて。最初に使ったのはたぶん『Pretty Good!』に収録された「ラストソング」だったと思うけど、サビ“きっとeverlasting 終わりと始まり繋がって”はまさにそうだと思ってます。ちょっと中二病っぽいけど、人生ってそういうものかなと。『空にとける~』の頃だったらたぶん歌えなかったと思う。お芝居っぽく感じてしまって。あの時期を越えたから歌えた曲ですね。
PVは不思議な映像。
ここでご紹介した「中期」は約2年半のことなのに大激動だったなと。いろいろなことを模索して、暗闇の中から光を見つけた感じです。ここから迷いなく音楽に向き合えた気がします。
●「新谷良子の未来」ライブ編
――2004年6月に行われた初ライブ『はっぴぃ・はっぴぃ・すまいる'04 chu→lip☆LIVE』で、ちゅーりっぷ王国の世界観を築いてからここまで
新谷さん:2005年の『さまぁらいぶつあー“はっぴぃ・はっぴぃ・すまいる'05 chu→lip☆Legend”』まではストーリーも作って、開演前にもドラマを流して。エンターテイメント性は意識してました。
――アルバムのビジュアルでポップさやファンタジーっぽさを想像してライブに行くと新谷さんの躍動感や激しさに驚くと思います。
新谷さん:私のライブって激しいんですか? 『Pretty Good!』発売後の『“はっぴぃ・はっぴぃ・すまいる'05 chu→lip☆Legend”』まではキャピキャピしてた気がします。バンビポップの曲調がアッパーでハイビートな曲が多いから歌う私だけでなく、会場のみんなのテンションも上がるんでしょうね。あんなにたくさんの笑顔を見たら幸せな気持ちになります。
――パフォーマンスもすごいです。『“はっぴぃ・はっぴぃ・すまいる'07”chu→lip☆ARMY』での「あいのうただから」でひざまずくシーンや『“はっぴぃ・はっぴぃ・すまいる'08”chu→lip☆Medalist』のSHIBUYA-AX公演の「snow drop」で雪が降る中、倒れる場面はすごみがあって記憶に残ってます。
新谷さん:みんなからもあのシーンのことは言われて。恥ずかしい。「snow drop」は自分で作詞した時からやりたかったんです。
――初の全国ツアー『“はっぴぃ・はっぴぃ・すまいる'05 chu→lip☆Legend”』では故郷の金沢で凱旋公演もありました。
新谷さん:TVでCMが流れたり、地元の新聞に広告が載ったみたいで。それまで声優になったことを友達に知らせてなかったのにバレました(笑)。知っている顔がたくさん見えて不思議な感じがしました。でも望んでできることではないので、すごく幸せだと思います。照れくささもあったけど。
――『はっぴぃ・はっぴぃ・すまいる'09 chu→lip☆Toy parade』では追加も含んで2カ月ない期間で14公演。かなりハードです。
新谷さん:正直、始まる前は「やだな」とびびってました(笑)。始まると楽しくて、普段は行けない場所に行って新しい笑顔に出会えることの喜びがあって。念願のバンドワゴンも作ってもらったり、東京に戻ってきたら寂しくなって。
――今後、どんなライブをやりたいですか?
新谷さん:全国ツアーの楽しさを知ってしまったので、またたくさんの会場を回るツアーがやりたいです。ちゅーりっぷ王国に代表されるエンターテイメントは追求していきたいけど、『はっぴぃ・はっぴぃ・すまいる'09 chu→lip☆Toy parade』みたいお祭りっぽさもなくしたくないので、今、いろいろ考えてます。でも最終的には私のライブはみんなが笑っていられる場所でありたいなと思います。元々、ライブ会場に一歩入ったら別世界というのをやりたくて、ちゅーりっぷ王国の設定を作ったので、日常のことを忘れて、みんなも私達も笑顔になれて、終わった後も笑ってバイバイできる。それはずっと変わらないと思います。私らしく、私にしかできない楽しいライブを目指していきたいです。
<取材・文:永井和幸>
※『BEST BAMBI BOX』「中期」編楽曲の試聴はページ下部のPLAYボタンをクリック!
<『BEST BAMBI BOX』/新谷良子>
20112月9日発売
価格:3枚組(2CD&1DVD)4,500円(税込)
発売:ランティス
新谷良子、声優デビュー10周年&バースデー記念ライブ決定!
ベストヒットで綴る絶対に見逃せないスペシャルライブ!!
<『Ryoko Shintani 10th Anniversary はっぴぃ・はっぴぃ・すまいる 30 chu→lip☆BEST LIVE』>
2011年3月26日(土)27日(日)日本橋三井ホール
開演:26日=18:00 27日=12:30/18:00
料金:各5,800円(オールスタンディング・税込)※1ドリンク500円別
問合:コンサート事務局・03-3353-7745(13:00~18:00)
3月6日(日)より、ぴあ・イープラスにて発売開始!!
WEB3媒体連動企画『BEST BAMBI BOX』全曲紹介
>>「前期」編は『マイコミジャーナル』へ
>>「後期」編は『とれたて!ほびーちゃんねる』へ
>>新谷良子公式サイト『はっぴぃ はっぴぃ すまいる』
>>新谷良子公式ブログ『はぴすま☆だいありー』
>>WEBラジオ番組『新谷良子のchu→lip☆RADIO』