「映像を見て何回も泣きました」ファンの期待を裏切らない仕上がりにキャスト陣も感動――アニメ映画『蛍火の杜へ』でメインキャラクターを演じる内山昂輝さん、佐倉綾音さんにインタビュー
アニメ第三期の放送を2011年7月に控える、緑川ゆき原作の名作『夏目友人帳』の原点ともいえる作品『蛍火の杜へ』が、短編アニメーション映画として今秋公開が予定されている。
妖怪が住むという山神の森に迷い込んだ少女と彼女を助けた少年の優しくも切ないラブストーリーで、緑川先生独特のノスタルジックで柔らかな世界観に満ちた作品だ。
そんな穏やかな作品で、主人公・ギンを演じる内山昂輝さんと、ヒロイン・竹川蛍を演じる佐倉綾音さんにインタビュー。作品の魅力や演じたキャラクターについてお話を伺った。
――この作品に参加した感想を教えてください。
佐倉綾音さん(竹川蛍役/以下佐倉):実は以前から緑川先生のファンだったので、オーディションを受けられるだけで幸せだなと思っていたら、まさか役をいただけるなんて、率直にびっくりしました。自分がファンとして楽しんでいた分、その面白さをこの作品が好きな人にどうやったら楽しんでもらえるかというのを改めて考え直すのに、とても苦労しました。でもすごく嬉しかったです。
内山昂輝さん(ギン役/以下内山):僕はオーディションの際に原作を読みました。ギンという役は人の形をしているけれど人では最早なく、かといって完全に妖怪側かというとそうでもない、そのどちらでもない特殊な存在です。普通に蛍としゃべることも出来ますが、その中で異質な感じをどうやって出そうかなというのをよく考えたのを覚えています。
――作品の魅力はどういったところでしょうか。
佐倉:この作品が収められている短編集の中で一番好きな作品です。作品自体も凄く世界観がキレイなので、映像化して欲しいなとずっと思いながら読んでいました。
内山:とても独特な感触を持った作品だと思います。ラブストーリーでもあり、とてもコミカルな場面もあるし、かと思いきやコミカルな掛け合いから瞬時にシリアスな場面になって蛍が泣き出すみたいなところもあります。なおかつ妖怪の世界も垣間見れる、いろんな要素が集まっていて、それが総じて独特な雰囲気をかもし出しているのかな思いました。
――キャラクターを演じられていかがでしたか?
佐倉:蛍は無邪気で、その無邪気な部分を残しつつ成長していきます。そこは声だけじゃなくてどういう風に内面を変えたらいいんだろうと、この蛍をやる上で悩みました。いい意味で垢抜けてないというか、とてもリアルで普通の女の子だけど、どこか純粋でキレイなところがある子だなと思います。自分が読んでいてこの女の子をどう思っていただろうというのを参考にどんどんキャラクターを作っていきました。
内山:ギンは大半仮面を被っていて原作を読んでも表情が読めないので、これはどうしようかと思いました。でも俗世間的な悩みや執着を持たないような感じがしたので、熱情的なしゃべり方ではなく、淡々というか冷静な感じでセリフを言っていこうかなという方針を立てました。そして蛍と出会うことで気持ちが揺らいでいくというのを出せればいいなと思いました。
――最後にファンの皆様へ向けて、メッセージをお願いします。
内山:今回、アフレコするにあたってほぼ完成した映像を見せて頂いたのですが、本当にキレイな美しい仕上がりでした。アフレコ中もずっと、これはいい作品になるぞ、と確信していました。いい仕事が出来たんじゃないかと(笑)。今は嬉しい気持ちでいっぱいです。期待してください。
佐倉:映像チェックの時から繰り返し見て何回も泣き、今日もアフレコしていて、ちょっとうるっときてしまいました。とても感慨深い要素を持っていると思います。原作ファンから見ても緑川先生の作品の世界観をすごくキレイに再現されています。劇場でこのキレイな絵をみたらそれこそ…。
内山:うん、大画面で映える感じですよね。
佐倉:壮大な自然だったりとかも本当にキレイに描かれているので、ぜひ劇場に足を運んでいただきたいです。何度でも見ていただきたい作品なので、どうぞよろしくお願いします。
<取材・文:瀬賀ふみ恵>
映画『蛍火の杜へ』
2011年今秋公開予定
<キャスト>
ギン:内山昂輝
竹川 蛍:佐倉綾音
<スタッフ>
原作:緑川ゆき
監督:大森貴弘
キャラクターデザイン:高田 晃
美術:渋谷幸弘
色彩設計:宮脇裕美
撮影:田村 仁
編集:関 一彦
音楽:吉森 信
制作:ブレインズ・ベース
製作:「蛍火の杜へ」製作委員会
※「高田 晃」の「高」は機種依存文字のため、代替文字を使用しております。
>>映画『蛍火の杜へ』公式サイト