ファンタジーサウンドストーリー『花想少女~Lip-Aura~』のドラマCD&ソングアルバムが10月26日同時リリース! 霜月はるか、日山尚、Annabel、織田かおりにインタビュー
『ティンダーリアの種』や『グルオットの眠り姫』など、オリジナルストーリーをベースにした歌で物語を描いていくファンタジーボーカルアルバムを作ってきた霜月はるかと日山尚さんによるファンタジーサウンドストーリー『花想少女~Lip-Aura~』。ドラマCDとソングアルバム『花想少女~Lip-Aura~幻想歌曲集』が10月26日にリリース! 霜月さん、日山さんの両プロデューサーと、作品中で歌っているAnnabelさん、織田かおりさんにお話をうかがった。
●『花想少女~Lip-Aura~』のドラマCDとソングアルバムが同時リリースになった理由とは?
――まず『花想少女~Lip-Aura~』についてご説明ください。
日山尚さん(以下日向):『花想少女~Lip-Aura~』は私が企画・脚本・作詞を、霜月さんがサウンドプロデュースとボーカルを担当している、ラグクーアという幻想世界が舞台の、人が願っている幻想を見せるリプアラという青い花を巡る三人の兄妹の物語です。ドラマCDは声優の方々に演じていただいたボイスドラマと、各キャラの心情や物語を描いた歌と音楽が融合することで、作品の全体像が完成するというファンタジーサウンドストーリーになっていて、『花想少女~Lip-Aura~前奏曲』が序章で、今作が本編になってます。
霜月はるかさん(以下霜月):ドラマのボリュームが大きく、歌をフルバージョンで入れて1枚のCDに収めるのは難しくて。ドラマCDでも収録リミットのギリギリで、あと3秒でCDに入りきれなかったくらい(笑)。ドラマを聴いたらきっと歌もフルで聴きたいと思う方もいるでしょうし、私達もフルで聴いていただくことで物語や詞の意図が伝わるのでぜひ聴いていただきたくて、ソングアルバム『花想少女~Lip-Aura~幻想歌曲集』もリリースすることになりました。
●Annabelさんと織田さんはキャライメージに合った歌い手
――本作の歌い手としてAnnabelさんと織田さんを起用した理由は?
霜月:各キャラの心情を歌って頂くことになるので、キャスティングに近い部分があって日山さんと相談して決めました。Annabelちゃんは前作から引き継いでイリヤ君の曲を歌ってもらって、本編から登場した魔術師アリエスの曲はかおりちゃんがいいかなと。キャラクターのイメージに基づいた人選でした。
――歌い手として参加されているお二人の今作の印象や感想は?
Annabelさん(以下Annabel):私は『前奏曲』から参加させていただいていて、その時は主人公のイリヤ君の純粋でひたむきな感情を歌っていました。今回の本編で、まったく違ったイリヤ君の表情や内面が見えてきて驚きました。また本編に入って、より世界が広がったように感じたし、深い物語があるんだと思いました。
織田かおりさん(以下織田):ドラマCDの収録を見学させていただきましたが、声優さんの熱演に引き込まれて、中盤からクライマックスへの展開にハラハラしました。
●「きれいさを失わずに攻めた」ファンタジックで壮大なサウンド
――『幻想歌曲集』に収録されたフルバージョンの曲もそれぞれボリュームがあって。1曲聴くだけでもかなりの満足感がありました。
霜月:ツインボーカルの曲がほとんどで、トリプルボーカルの曲まであって、私もがっつり聴いた感がありました。
日山:複数ボーカル曲はそれぞれの歌詞も絡み合っていて、違ったことを歌ってるので、歌詞カードを見ながら、一人ずつの歌声にフォーカスをあてて聴くと歌詞の意味やボーカリストの魅力を味わえると思います。
――曲はどれも壮大でファンタジック。音も分厚く、途中にエレキギターが入ったり変化もあって、不思議な感じがしました。
霜月:厚みのあるサウンドになりました。作曲のMANYOさんやmyuさんと話したのは、「きれいなところは失わないで攻める」。世界自体が持っている幻想感や繊細さや美しさは壊さずに音楽的には攻めると。薄暗くて、沈んだ雰囲気で抑圧された感じの幻想世界で、描いているのは人間の感情なのできれいなだけでなく、サウンドで汚れた部分を出してみたり。
●Annbelさんは主人公・イリヤ、霜月さんは様々な女性キャラの心情を歌う
――歌い手のお二人は完成した曲を聴いてみた感想は?
Annabel:まず驚いたトリプルボーカルの「君の跡形 ~Whites nen zai, rin o eclef~」。パートの掛け合いが複雑で、まったく全貌が見えなくて。だから完成形を聴いてすごく計算されていることがわかって感心しました。さすがMANYOさん!
織田:完成したのを聴いた時、感動しちゃいました。
霜月:私も二人の声が入っていても自分が歌うまでわからなかった(笑)。歌詞カードも色分けしないとわからなくて。
日山:せっかくツインやトリプルなので皆さんに歌ってほしいと思って、歌詞カードも色分けしてもらいました。こういった歌曲は、歌うのはもちろん、曲を作るのも相当大変だと思うんですが、そこは作曲家として信頼しているMANYOさんとmyuさん、そして霜月さんに無茶を言わせて頂きました(笑)
霜月:この3人で歌ったからこそ、それぞれの声質がそれぞれのキャラにはまったのかなと。一緒に歌っているからAnnabelちゃんはよりボーイッシュに聴こえるし、かおりちゃんはよりお姉さんっぽく聴こえて、キャラが活きてきた気がします。
――霜月さんとAnnabelさんで歌う曲が半分以上を占めてますね。
霜月:Annabelちゃんはイリヤ君、私はカトレアだったり、リプアラの立ち位置だったりしますが、二人で歌うとキャラクター性は引き立ちますね。
Annabel:私も常にはるかさんの可憐さが引き立つように(笑)。
霜月:私もいつもより少女比を高めて歌ってます。女性同士なので、キャライメージは意識しないと。また歌詞によって会話をしてる時と全然違うことを歌っている時があって。すれ違っている様を歌う時は寄り添わなくていいけど、会話の時はちゃんと聞いてなきゃいけないし。演技に近いところはあるかもしれない。
Annabel:そこが難しくもあり、やりがいもあって。はるかさんとがっつりやれた喜びもありました。
●織田さん&霜月さんの曲は魔術師アリエスの過去や想いを歌った外伝
――織田さんは霜月さんと「月灯りと糸車 ~Alies ol iok~」を歌われていますね。
織田:私は今作からの参加になりますが、前作を聴いた時、各キャラの感情を歌っていたので心情を吐露するような曲なのかなと思ったら、自らの昔話を語って歌うというものでした。なので、私は幻想というよりはリアルなところに一人いるような感覚でした。
霜月:「月灯りと糸車」はアリエスというキャラの抱えている過去を歌ったどちらかというと外伝に近い曲で、他の曲とは違う感じですね。アリエスがメインで、リプアラが絡んでくるという設定でした。
織田:お姉さんっぽくて言われてもピンとこなかったので暗めに歌うのが正解かなと。アリエスが普段見せなかった顔を見せる場面では、展開がすごい曲なので、一番マッチするような歌い方になるまであまり考え過ぎず、本能で歌いました。間違ってると言われなくてよかったです(笑)。
霜月:リプアラは幻想を見せたり、誘う花なので直接話さないけど、寄り添うみたいな立ち位置で、アリエスが一人語りしてるけど、実はそばにリプアラがいたという演出があって。いろいろな場所に現れるのでヘッドフォンで聴くと特に印象が変わるかも。
●リプアラの見せる幻想にあなたも魅せられてみる?
――複数ボーカルの曲はアクロバチックなものが多いような。
織田:「月灯りと糸車」をもらった時、難しくて「やってくれたな」って(笑)。
Annabel:歌い手にはすごくハードルが高いですね。
霜月:私もMANYOさんもアクロバチックな曲が多いので(笑)。Annabelちゃんとは私達の曲をよく歌ってもらっているのでついてきてくれるだろうという安心感、かおりちゃんはSound HorizonやFictionJunctionでこういうタイプの曲は慣れてるでしょうし。二人が普段やったことがない曲もあるのでそこも注目です。
織田:いろいろな音域、声質、カラーで歌わせてもらってます。
Annabel:ロック調でかなり攻めている「汚れた箱庭」とか。myuさんからボンテージを着て、ドSな感じで歌ってと言われたり(笑)。
――『花想少女~Lip-Aura~幻想歌曲集』に1曲BGM風の楽曲があります。
日山:「Cattleya ~Sinal o ir Lag~」はmyuさんに作っていただいて、歌詞もコーラスも霜月さんが歌っていて、普通に聴いても浸れる感じで。ドラマ中でも結構流れる曲で、カトレアの夢の中のシーンのために書いていただきました。
――物語性を気にせず、歌を聴くだけだと心地よさがあるんですよね。
霜月:幻想を見せる花の夢を見るお話なので、気付かぬうちに曲を聴いてたらリプアラの見せる幻想に飲み込まれてたということですよ(笑)。
●歌声の素晴らしさ、会話の掛け合い、緻密な歌詞の絡みをじっくり聴いてほしい
――最後にメッセージをお願いします。
Annabel:私に新たな一面が見えるボーカルCDになりました。世界観が深くて、浸れる作品なのでドラマとボーカルCD、合わせて楽しんでください。
織田:この幻想にひたれる作品もなかなかないと思います。ぼんやりした中にも美しさがあり、リアルな心理描写もあって、そこが聴きどころなのかなと。今後につながっていくことを願っています。
霜月:歌曲集だけでも物語の世界観や歌による会話のような掛け合いが楽しめると思います。ファンタジー好きの方だけでなく、音楽的にも楽しんでもらえるし、歌詞も絡み方など緻密に考えて作っているので、読み解くと新しい発見があるはずです。曲を聴いたらわかる、ドラマの裏設定などもあったりするし、BGMも歌とも絡んでいるので、ぜひセットのコンプリートボックスで聴いてください。
日山:ちなみにドラマCDでは霜月さんが出演しているところもポイントです。
霜月:最初と最後でちょこっとだけね(笑)。
日山:音楽は霜月さんプロデュースで、ドラマのシナリオや歌詞に関しても相談に乗ってもらいながら、二人で綿密に作り上げていきました。各キャラクターとリプアラの世界観を楽しんでください。素敵な歌い手の方に歌っていただいた曲がフルバージョンで聴ける『幻想歌曲集』もよろしくお願いします。
ドラマCD『花想少女~Lip-Aura~』
2011年10月26日発売
3,150円(税込)
発売:ティームエンタテインメント
『花想少女~Lip-Aura~幻想歌曲集』
2011年10月26日発売
2,625円(税込)
発売:ティームエンタテインメント
『花想少女~Lip-Aura~コンプリートボックス』
2011年10月26日発売
2枚組5,775円(税込)
発売:ティームエンタテインメント
『花想少女~Lip-Aura~』特設サイト