松本零士氏の『オズマ』がテレビアニメで放送開始! メインキャストのインタビューお届け!
『銀河鉄道999』、『キャンプテンハーロック』などのSF超大作を生み出した日本マンガ界の巨匠松本零士氏。その松本零士氏が1980年に執筆し、未公開だったシナリオ『オズマ』がWOWO開局20周年企画としてアニメ化された。アニメの総監督に『装甲騎兵ボトムズ』、『サイボーグ009』などで有名な高橋良輔氏、デザイン協力に『ロードス島戦記』、『地球へ・・・』などを手がけた結城信輝氏などの豪華メンバーでこの作品を作っているのだ。
『オズマ』は砂漠化した未来の地球を舞台にしており、謎の超巨大移動物体オズマを巡る緊迫したストーリーと重厚な人間ドラマを描いたSFストーリー。
今回はメインキャストであるサム・コイン役の柿原徹也さん、マヤ役の田中理恵さん、ミメイ役の藤村歩さん、バイナス役の田中敦子さん、ギド・ガイラー役の速水奨さんら5名のインタビューをお届けする。
――キャラクターの印象や演じてみての感想をお聞かせください。
柿原徹也さん:サムというキャラクターを知る前に、まず『オズマ』という作品の世界観を自分の中に取り入れる作業をしました。砂の世界で必死に生きている人間たちがいて、そんな世界で生き抜いていくサムは1本筋の通った男の子なのかなと感じました。オーディションを受けたときから絶対に演じたいと思っていた役だったので、自分で自分にプレッシャーを与えつつ、周りからのプレッシャーも感じて、非常に良い緊張感の中でお芝居をさせていただいています。
田中理恵さん:1話は、見てくださる方が「この女性は大きな軍隊に追われていてどんな存在なんだろう?」と思うような逃亡シーンから始まります。サムに助けられて、バイナス艦長に守られて一緒に旅を続けていくのですが、私自身が先々のシナリオを見ていないので、マヤについてはまだまだ深い謎が秘められている女性だと感じました。
藤村歩さん:オーディションの際に「まず私だったらどうするか?」を考えて、思いっきり素直にまっすぐミメイというキャラクターを演じました。演じる際に気を使っているところは、サムに言いたいことを言うシーンがある時も、あまりきつい物言いにならないように、あくまでも恋心を持った可愛らしいキャラクターになるように演じました。ミメイは船医見習いの女の子なので、船医としての顔がこれから徐々に出てくれば、また違った一面が見られるのではないかなと思っています。まっすぐで頑張り屋な女の子で、演じていて楽しいです。
田中敦子さん:クールで格好良い女艦長なので、松本零士先生の原作のイメージを損なわないように、頑張りたいと思います。敵役が速水奨さんなので、楽しく演じさせていただいています。
速水奨さん:仮面をつけた役なので、今まで自分が演じてきた色々な作品のパターンから「仮面を取ったら実は良い人なのではないか?」と自分の中で想定していまして、そういう感じで演じてみたら「それは却下」って言われました(笑)。「もっと悪く、もっと悪く」ということで、自分の中の最近失っていた黒いものを頑張って出そうというか、その辺りで四苦八苦しています。最終的にはひどい憎まれキャラで終われれば本望です。サムをはじめ良い人たちと対峙できるだけの同じパワーを持ったライバルで居続けられたら良いなと思っています。
――印象に残ったシーンや台詞をお聞かせください。
柿原徹也さん:印象的だったのは「僕の名前はサム・コイン」と名乗るシーンです。自分がこの役で全6話を生き抜いていかなければいけないんだ、という気持ちにさせてくれて一番印象に残りました。
田中理恵さん:1話目は怯えた状態でサムにも接していて、「ありがとう」という台詞と自分の名前を言うぐらいで、2話目も色々あり苦しんでいるシーンが多い状況でした。台詞という台詞をまだマヤは発していない中ですが、気に入っているシーンは、サムとミメイのやり取りや、サムが笑わせてくれるときにクスクスと笑うシーンがつかの間の安堵のようで好きです。
藤村歩さん:本日の収録(2話)で、一番最後に収録した私の台詞は、サムとマヤがちょっと良い雰囲気になっているのを見てムッとするミメイのアドリブなんですが、「可愛くない」と言われて録り直しました(笑)。可愛い役はなかなか演じないのですが、可愛く一生懸命演じたので、そこは聞いて欲しいなと思います。
田中敦子さん:艦長なのでほとんどが張ったり、叫んだり、皆に指示を出したりで、会話らしい会話をしていないのですが、そんな中で古くから一緒に船に乗っていると思われるエジボーラ(機関長)のことを「おやっさん」と呼んでいるのが印象的でした。信頼関係を感じられる唯一人間らしい台詞だと思います。
速水奨さん:バイナスが本当に格好良いんですよ。「よし俺もああいう風にやろう」と思ってライバル心を燃やしているのですが、僕の周りは副官とかオペレーターが可愛い女性で固められているんですよ。これも「なんか良いな~」みたいなね(笑)。
藤村歩さん:ハーレムですね。
速水奨さん:そうそう(笑)。僕の中ではそれを小さな糧にしてこれから演じていきたいと思います。
――松本零士先生の作品に参加する意気込みをお聞かせください。
柿原徹也さん:世界でも巨匠と言われる松本零士先生の作品に参加させていただけること自体が、非常に光栄なことだと思っています。松本先生が21世紀に発表する初の作品ということで、先生の錚々たる作品の中でも『オズマ』を代表作にしてもらえるよう、そして皆様に認めていただけるように頑張りたいと思います。
田中理恵さん:WOWOWの生放送番組(3月4日ありがとうの無料放送2days!)に出演した時、松本零士先生のインタビューを見て、とても士気が高まりました。松本先生の言葉を肝に銘じてこれから全6話を頑張っていきたいと思います。
藤村歩さん:私も一緒にWOWOWの番組に出させていただいて、松本零士先生が「キャストの声は残るし作品を作っていくのは皆さんだ」と仰ってくださいました。どの作品も1本1本全身全霊で演じたいと思っているのですが、今回は実際に松本先生のメッセージを直接受け取れたので、より一層応えていけたらという気持ちが強くなりました。
田中敦子さん:松本零士先生の作品ということで、監督自身も緊張しているというお話をされていたのですが、役者も含め皆、緊張していると思います。6話という短いシリーズではあるのですが、このメンバーで一生懸命やることによって、それが1年分ぐらいの作品に匹敵するほどクオリティーの高い作品になると思います。ぜひ見ていただきたいですし、それが松本先生の作品に対する、私たちの恩返しのような気持ちで高めていきたいと思います。
速水奨さん::僕は声優デビューが1980年なのですが、そのデビュー作が松本零士先生の『1000年女王』でした。それから32年ぶりに松本零士先生の作品に出会ったということで、本当に深い縁を感じます。そういった意味で32年間やってきたことをすべて、いやそれ以上のものをこの作品に投入できたらと思っています。
――番組を楽しみにしているファンの皆様へメッセージをお願いします。
柿原徹也さん:全6話と約3時間の作品なので、ぜひたくさんの方に見ていただきたいです。よろしくお願いします!
田中理恵さん:生放送(前述の3月4日のありがとうの無料放送2days!)を見たくださった方は、絶対に本編を見たいと思っていただいたと思います。1話は無料放送なのでぜひ見ていただいて、2話以降も全話を見ていただけるように全員で頑張っていきます。オープニングとエンディングもCDが欲しくなるくらい素敵な曲です。
藤村歩さん:私たちも先のお話を知らされていない状況なので、マヤの存在もそうですが、色々謎めいていて、見てくださる方と同じように続きを期待しています。あと、飼い猫のミーちゃんも演じていますので、ミメイちゃんだけじゃなくてミーちゃんもよろしくお願いします。
田中敦子さん:WOWOWの開局20周年記念番組ということで、1話は無料放送ですし、これを機にWOWOWに入っていただいて全話を楽しんでいただきたいと思います。
速水奨さん:全6話なので、ジワジワと皆でコミュニケーションをとるゆったりとした時間がありません。1話ですでに役者陣のチームワークはとても良い状態で、2話でさらに高まっているので、この状態で密度を濃く演じていきたいと思っています。そういった意味で耳にも心地よい作品になると思います。柿原ファンは見ないと(一同笑)、田中理恵ファンも、藤村ファンも、アニメーションが好きな方はぜひ注目してください。よろしくお願いします。
【放送概要】
WOWOW開局20周年記念番組 松本零士「オズマ」
放送日時: 3月16日(金)スタート(全6話)[第1話無料放送]
毎週金曜深夜0:00~
WOWOWプライムにて放送
>>「オズマ」公式サイト