ロボットアニメファンを繋ぐもの……それは「魂」だっ！　熱き魂を伝えるライブイベント「スーパーロボット魂 2012“春の陣”」レポート

　2012年4月29日(日)、東京・お台場の「Zepp Tokyo」において、ロボットアニメソングのライブイベント「スーパーロボット魂(スピリッツ) 2012“春の陣”」が開催された。

　「スーパーロボット魂」は、今年で15年目を迎えるロボットアニメソングのライブイベントで、過去に22回の公演が実施されてきた歴史あるライブシリーズだ。『マジンガーZ』シリーズの楽曲でお馴染み、我らのアニキこと水木一郎さん、ロボットアニメのみならず、多数のアニメソングを歌う堀江美都子さん、『ドラゴンボール』シリーズをはじめとして、アニメソング歌手の代表的存在である影山ヒロノブさん、『聖戦士ダンバイン』のオープニングで知られる渋くて力強い歌声を持つMIQ(MIO)さんなど、ロボットアニメソングを歌う多くのアーティストが登場する。そんな、熱すぎるライブイベントだ。

　古くは『マジンガーZ』や『コン・バトラーV』、新しい作品では現在放送中の『アクエリオンEVOL』。そしてマニアックな『電脳冒険記ウェブダイバー』の『Fighters』など、ファンの期待に充分応えた楽曲がチョイスされた本ライブの模様をレポート！

ライブイベント「スーパーロボット魂(スピリッツ) 2012“春の陣”」の様子。

●観客＆出演者全員が精神コマンド「魂」状態！　アツすぎるロボットアニメソングの世界を見よ！

　まずライブのオープニングを飾ったのは、水木一郎さん、堀江美都子さん、影山ヒロノブさん、MIQさんの、『スーパーロボット魂』スタート時メンバーによるライブテーマソング『鋼の魂』。来場したファンもろとも、「最初からクライマックスだぜ！」と言わんばかりの盛り上がりを見せる。

　1曲目とは思えないくらいアツい1曲目を歌い上げると、4人による開幕の挨拶が行われた。その際、水木さんが「今回は15周年ということで、オープニングSE(効果音)は、第1回ライブの音源を使っているんです」とコメント。初期からライブへ通っているファンからは、特に大きな声援が上がった。

　挨拶を終えると水木さんは「今回から30年を目指す！」と宣言し、ついに本編が開幕！　影山ヒロノブさんの『HEATS』、MIQさんの『TIME TO COME』、堀江美都子さんの『ボルテスVのうた』、水木さんと堀江さんによる『CROSS FIGHT!』が立て続けに演奏される。『CROSS FIGHT!』の「クロスファーイ、クロスッファイッ！(クロスッファイッ！)」という掛け声など、ファン側も声を出すタイミングが完璧で、舞台とファンが完全に一体となって、見事に歌詞通り「燃えつくして」いた。それに続くのは、水木さんによる『マジンガーZ』楽曲メドレー。「普段はあまり歌わないのですが」と水木さんが前置きしていることからも、これがどれほどに貴重なライブなのが分かるだろう。

　『マジンガーZ』メドレーの熱も冷めやらぬうちに、お台場に等身大ガンダムが帰ってきたことを記念して『ガンダム』楽曲が連続して演奏された。『機動戦士ガンダム第08小隊』から始まり、『機動戦士Zガンダム』など、宇宙世紀シリーズのガンダム楽曲でも特に人気の高い作品と楽曲がチョイスされた。最後の『ETERNAL WIND～ほほえみは光る風の中～』の演奏が始まった時、会場の雰囲気が一転。青色のライトと、会場に星を映し出すように光るミラーボールが、楽曲同様の優しい雰囲気を作り出していた。

　続いてはショッカーO野さんの司会を挟み、今回『スーパーロボット魂』ライブに初登場となるアーティスト、渡辺学さん、きただにひろしさんのステージが開幕。アニメソングユニット『JAM Project』の一員であるきただにさんが初登場とは意外だったのか、ファンからは「ええー!?」という声も上がっていた。きただにさん本人も、影山さん、遠藤さんと並んでステージに立つと「はーい、JAM Project5分の3でーす」とネタにしており、初登場をネタとしてイジられるのもまんざらではない様子(？)。

　水木さん、堀江さん、影山さん、MIQさん、遠藤さん、きただにさんの6人による、それぞれがアコースティックギターやコンガ(太鼓)などを使った『スーパーロボットスペシャル なんでもこいバンド』コーナーがスタート。どこかエキゾチックな雰囲気の漂う『アストロンガー』や『戦う兜甲児』が演奏され、来場したファンたちも手拍子で演奏に参加するという、非常に斬新なステージとなった。『アストロンガー』を演奏し終えた水木さんが、最初に会場入りしたファンに使用した楽譜をその場で渡すなどといったサプライズも。

●後半戦は休みなし！　熱気はまだまだ冷めないゼェェーット！

　アツいアツい前半戦が終わり「小休止などいるものか！」とばかりに後半戦が始まった。懐かしい作品の楽曲が多く披露された前半戦に比べ、後半戦は新しい作品の楽曲を手がけるangelaさん、AKINO with bless4さんといったアーティストが登場。angelaさんは前回の『スーパーロボット魂』から2年目の出演で、前回に続いてファンと共に踊り付きの演奏を披露。さらにAKINO with bless4さんの『創聖のアクエリオン』が演奏された時は、来場者からは「1万年と2千年前も愛してるー！」という見事な合いの手が入り、今にもZepp Tokyoが変形して創聖合体しかねない勢いで来場者全員が歌いきった。

　前半戦以上に勢いある後半戦は、立て続けに遠藤さんの『勇者王誕生!』、鮎川さんの『風のノー・リプライ』、堀江さんの『マジンガーエンジェルのうた』、影山さんの『Fighters』、MIQさんの『ダンバインとぶ』、水木さんの『コン・バトラーVのテーマ』、水木さん、影山さんによる『おれはグレートマジンガー』が演奏される。最後は水木さん、堀江さん、影山さん、MIQさんによる『時を越えて』でライブが締めくくられた。

　ほぼ全く間を挟まず、『勇者王誕生！』に至ってはワンフレーズまるまるファンたちが歌ったにもかかわらず、疲労している姿はまるで見えないとは、スパロボファンのその『勇気』恐るべし！　そんな状況で、アンコールが出ないはずがない！　長い長いアンコールの末登場したのは、やはりライブ初期メンバーの4人である水木さん、堀江さん、影山さん、MIQさん。歌う楽曲は『熱風！疾風！サイバスター』。サビ部分で「アァカシックバスタァー！」と叫びたくなったのは、筆者だけではないはずだ。

　アンコール曲を歌い終えた出演者たちは一列に並び、ひとりずつ来場者へと挨拶の言葉を贈り、本当の最後の曲『マジンガーZ』のテーマソング『マジンガーZ』を出演者全員で歌い上げる。最後に水木さんはマイクを置き、最後の3本締めを行うため「皆さん、ご唱和願います！」と、マイクを通さない素の声で会場に呼びかける。地鳴りのような3本締めを会場全体で響かせ、「スーパーロボット魂 2012“春の陣”」は幕を閉じた。

　なお本イベントは毎年行われており、水木さんの宣言通りきっと来年も行われることだろう。また、「スーパーロボット魂 2012 “大阪　春の陣”」と称して、5月5日には大阪公演も実施されている。興味を持たれた方は、ライブの公式ホームページをチェックしてみよう。ただ暑苦しいだけではない、信じられないような感動があなたを待っているはずだ。

＜セットリスト＞
タイトル　アーティスト(敬称略)　登場作品

・1曲目『鋼の魂』
水木・堀江・影山・MIQ　スーパーロボットスピリッツ

・2曲目『HEATS』
影山ヒロノブ　『真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』OP2

・3曲目『TIME TO COME』
MIQ　『第4次スーパーロボット大戦』イメージソング

・4曲目『ボルテスVのうた』
堀江美都子　『超電磁マシーン ボルテスV』OP

・5曲目『CROSS FIGHT!』
水木・堀江　『破邪大星ダンガイオー』OP

・6曲目『マジンガーメドレー』(ぼくらのマジンガーZ、Zのテーマ、空飛ぶマジンガーZ、マジンガーZ)
水木一郎　『マジンガーZ』

・7曲目『嵐の中で輝いて』
米倉千尋　『機動戦士ガンダム第08小隊』OP

・8曲目『永遠の扉』
米倉千尋　『機動戦士ガンダム第08小隊 ミラーズ・リポート』ED

・9曲目『MEN OF DESTINY』
MIQ　『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』OP2

・10曲目『Z・刻をこえて』
鮎川麻弥　『機動戦士Zガンダム』OP1

・11曲目『水の星へ愛をこめて』
森口博子　『機動戦士Zガンダム』OP2

・12曲目『ETERNAL WIND～ほほえみは光る風の中～』
森口博子　『機動戦士ガンダムF91』ED

・13曲目『In My Justice -翼の伝説-』
渡辺学　『超者ライディーン』OP

・14曲目『GO!GO!レスキュー』
きただにひろし　『出撃! マシンロボレスキュー』OP

・15曲目『嘆きのロザリオ』
影山・遠藤・きただに　『超重神グラヴィオン』OP

・16曲目『Break Out』
影山・遠藤・きただに　『スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ』OP

・17曲目(AGコーナー)『アストロンガー』
水木・堀江・影山・MIQ・遠藤・きただに　『アストロンガー』OP

・18曲目(AGコーナー)『戦う兜甲児』
水木・堀江・影山・MIQ・遠藤・きただに　『マジンガーZ』挿入歌

・19曲目『Spiral』
angela　『アスラクライン』OP

・20曲目『蒼穹』
angela　『蒼穹のファフナー HEAVEN&EARTH』ED

・21曲目『Shangri-La』
angela　『蒼穹のファフナー』OP

・22曲目『君の神話～アクエリオン第二章』
AKINO with bless4　『アクエリオンEVOL』OP

・23曲目『月光シンフォニア』
AKINO with bless4　『アクエリオンEVOL』ED

・24曲目『創聖のアクエリオン』
AKINO with bless4　『創聖のアクエリオン』OP

・25曲目『勇者王誕生!』
遠藤正明　『勇者王ガオガイガー』OP1

・26曲目『風のノー・リプライ』
鮎川麻弥　『重戦機エルガイム』OP2

・27曲目『マジンガーエンジェルのうた』
堀江美都子　『マジンガーエンジェル』イメージソング

・28曲目『Fighters』
影山ヒロノブ　『電脳冒険記ウェブダイバー』ED2

・29曲目『ダンバインとぶ』
MIQ　『聖戦士ダンバイン』OP

・30曲目『コン・バトラーVのテーマ』
水木一郎　『コン・バトラーV』OP

・31曲目『おれはグレートマジンガー』
水木・影山　『グレートマジンガー』OP

・32曲目『時を越えて』
水木・堀江・影山・MIQ　『スーパーロボット大戦』

【アンコール】
・『熱風！疾風！サイバスター』
水木・堀江・影山・MIQ　『スーパーロボット大戦』

・『マジンガーZ』
水木一郎・全員　『マジンガーZ』OP

【出演者(敬称略)】
水木一郎・堀江美都子・影山ヒロノブ・MIQ・森口博子・鮎川麻弥・遠藤正明・米倉千尋・AKINO with bless4・angela・きただにひろし・渡辺学

【バンド】
SRS-BAND(ギター：松尾洋一・ベース：村上聖・キーボード：松原博・ドラム：板垣正美)

【コーラス】
アップルパイ(平山佳代子・杉山小絵子)・ザ☆カインズ(貴日ワタリ・常見弘士・斉藤淳一)

【司会】
ショッカーO野