1stシングル『awake』6月27日に発売! 下田麻美さんにインタビュー
声優の下田麻美さんが歌う1stシングルが2012年6月27日(水)に発売されることが発表された。CDは両A面仕様となる予定で、アーケードゲーム『シャイニング・フォース クロスエリュシオン』の主題歌『awake』と、下田さん自らが作詞・セルフプロデュースを手掛ける『もう一度』、さらにその2曲のカラオケバージョンを含んだ全4曲入りとなる。
今回は、シングルCDの発売発表に合わせて行われた下田さんへのインタビューをお届け! 曲の聴きどころや作詞の苦労話など、ここでしか聞けない話が盛りだくさんの内容となっている。
●3度目にして初のシングルCDは今の下田麻美をストレートに表現! ちょっぴり大人な新境地も開拓!?
――初のシングル発売に際して率直なご感想をお願いします。
下田麻美さん(以下、下田):実は、2009年に発売されたボーカロイドのカバーアルバムに始まり、2010年の年末にはミニアルバムを発売させていただいたりと、数年前からいろんな形で音楽活動をさせていただいておりました。
1stシングル、2ndシングルというように決まった形ではなく、異色な形でのリリースが続いていたので、ここにきてシングルにたどり着くことができたことを非常に嬉しく思っています。音楽の原点に帰って凄くストレートなCDを作りたいと思いながらスタッフのみなさんと力を合わせて制作に取り組ませていただきました。発売はまだ少し先になるのですが、今から非常に楽しみです。
――今回は両A面シングルということですが、まず1曲目の『awake』についてお伺いしてもよろしいでしょうか?
下田:以前、ミニアルバムの方では『シャイニング・フォース クロスレイド』というゲームの主題歌『TRIBE』を歌わせていただいたのですが、今回も引き続き同シリーズの新作『シャイニング・フォース クロスエリュシオン』で主題歌を歌わせていただくことになりました。『シャイニング・フォース』シリーズと言うと「剣」や「魔法」、戦いがテーマですので、今回もその世界観がはっきりと描かれています。
前回の『TRIBE』は、「黄昏」というテーマで夕焼けのオレンジっぽい曲だったのですが、今回の『awake』は私のイメージ的には朝日っぽくて凄く明るいです。『TRIBE』はカッコよくも切ない雰囲気があったのですが、『awake』は力強さや明るさを感じる曲になっています。「拳上げて 怒号鳴らせ」や「くだらない感傷は捨てて」など、戦士らしい歌詞がたくさんあるので歌うのにも凄くパワーが必要です。体力勝負のレコーディングになりましたが、最後には納得のいくものになりました。
――曲の聴きどころを教えていただけますか?
下田:サビの中で「適わない戦いだろうと退けはしない 奪い取れNEW WORLD」という部分があるのですが、そこのメロディが結構張り上げるのでレコーディングでは苦戦しました。私の意地が詰まっているので、ここは注目して聴いていただきたいなと。あとは、楽しい曲なのであまり難しく考えずにリズムにのって耳で楽しんでいただきたいなと思います。
――2曲目の『もう一度…』は下田さん自らが作詞されていますが、こちらはいかがでしょうか?
下田:小学生の頃から作詞が好きで、声優になってから作詞を仕事にさせていただく機会が何度かあったんです。そのときは迷いや難しさはありつつも、波に乗って思うようにいろいろと書いていたのですが、正直、今回は困難MVPでございます。本来なら1番書きやすいテーマのはずなのに、いろいろとプレッシャーを抱えてしまって。『もう一度…』は少し大人の失恋の曲になっています。
今まで、下田麻美というキャラクターがファンの方に持っていただいているイメージは「明るくて元気」という感じだったので、今回はそこをぶち破る形になると思います。新しい一面を見てほしいと思うあまり気合いが入って、レコーディングギリギリまで作詞をしていました。
行き詰った日には夜遅く友達に電話をして「ここのフレーズってもっと別の言い方ないかな?」と相談したり、急に連絡して「今日オールで付き合ってくれ」とアイデア出しに参加してもらったり、スタッフさんが私の詩を見て手助けしてくださったり、いろんな方にお力を借りて書かせていただきました。まだまだ課題が残ることはありますが、いろいろな思いを込めて今の私が書ける曲を書かせていただきました。
――どのような曲調なのでしょうか?
下田:分かりやすく言うと「ミディアムバラード」。アップテンポの中にもしっとりさがあるような、激しくも少し切ない曲です。今まで私は明るくて元気な曲を歌わせていただく機会が多かったので、大人っぽい曲を歌ってみたいなと思うことがありまして。今回はスタッフさんから「1曲は好きなようにやっていいよ」と言っていただいたので、「じゃあ、以前お仕事でご一緒させていただいたことのある作曲家さんで私と音楽の感性が近い方がいるので、その方にお願いできたら嬉しいです」とわがままを聞いていただいて、その方と一緒に作らせていただきました。
街を歩きながら別れた恋人のことを思い出す失恋がテーマの曲なんですけど、Aメロは歩き始めでとか、Bメロになると空模様が変わってきてとか、具体的な指定をして曲を作っていただいたので、メロディ自体も凄く納得のいくものになっています。ファンの方にとって、これが私らしい曲かと言うと未知の部分はあるのですが、今回は私が好みの曲を作らせていただきました。なので、「私もこういう曲大好き」と言っていただけると凄く嬉しく思います。特徴のあるメロディで、1回聴いたら忘れられずに頭の中をグルグルと回るような曲になっています。ぜひ、みなさまのお気に入りリストに加えていただけるような曲になってほしいです。
――作詞をされる際には、自分や友人の経験を基にしたり空想から転換したり、いろいろなパターンがあると思うのですが、今回はどのように作詞を行われましたか?
下田:経験に基づいて書くこともあれば、空想で書くこともありますね。前回のミニアルバムでは、2曲作詞をさせていただいたんですけど、1曲は元気な曲で「立ち止まってなんていられないぜ! どんどん前に進むんだ!」と実体験や生きてきて思ったことを書かせていただいたんです。
もう1曲はミディアムバラードに近い感じの曲で「大学を卒業して、これから企業に羽ばたいていく人たちの送別会のオール明け」という体験したこともないような空想をテーマに盛り込ませていただいて、こういう設定のシチュエーションがあったら演じてみたいなと思うことを書かせていただきました。
今回の『もう一度…(トルツメ)』も私の妄想に寄るところがあって、失恋の曲って体験がなくても聴いていて悲しくなったり、逆に自分と重ねて元気をもらえることが凄くあるんです。私は子供の頃から暗い曲が好きで、失恋の曲が大好物だったので、今回は自分で書いてみたいと思い、書かせていただきました。
――失恋の曲や暗い曲が好きだというお話がありましたが、普段はどういったアーティストさんの音楽を聴かれていますか?
下田:凄く好きなアーティストは尾崎豊さんなんです。あとは、Janne Da Arcの曲が好きです。過去にJanne Da Arcさんの曲に影響されていた時代もありました。今回の曲は、Janne Da Arcさんの曲のように聴く人に同じような経験がなくても伝わりやすいように書ければと思っていました。
――歌に関してはどのような気持ちで望まれていますか?
下田:今まで音楽活動をさせていただいて思っていたのは、声優だからこそできる歌を表現したいなということです。「私の歌声はこれです」とひとつにこだわらず、カメレオンのように自分の声を好きな色に変化させながら歌っていきたいなと思っていました。
ある曲は男の子のように、ある曲は大人の女性のように、ある曲は小さい女の子のように、曲から湧いてくるイメージで主人公に心を重ねてみたり、第三者として歌ったり。そういったシチュエーションを楽しむのが好きなのですが、今回はストレートにいきたいなと思っています。
「曲は大人っぽいけど、下田麻美さんの素顔が感じられる歌だなあ」と言っていただけるような透明感のある表現で歌わせていただきました。着色はみなさまにお任せしますという形で、いろんな方の心にストレートに行き届くように歌っていきたいと思います。
――今回、ジャケットの衣装もご自分で選ばれたということですが、どのような雰囲気をイメージして選ばれましたか?
下田:私らしい感じと言いますか、今の年齢の下田麻美を表現させていただきました。プロデューサーさんから「好きなお店で好きな服を買っておいで」と言われたので、ストレートな雰囲気でいきたいなと。私が普段着ているような服を着て、あまり飾らずに参加させていただきました。
――具体的にどのような服を買われたのでしょうか?
下田:実は、今日着ている服もその内の1着なんです。カジュアルで元気系の服と、シャーベットカラーの女の子らしい服、タイトめのパンツに白のブラウスを合わせた衣装の3パターンを用意させていただきました。全部私らしいんだけれども、飾らないようなイメージで。ジャケットでは、その3種類の洋服が見られる予定です。CDの発売は夏前なのですが、撮影は3月の頭だったので凄く寒かったです。生足で頑張りました(笑)。
――では最後にファンのみなさまへ一言お願い致します。
下田:シングルの情報が解禁になると同時にたくさんの方から「待ってました」という声をいただきました。本当にたくさんの方から応援をいただいたので、テンションやモチベーションが上がって嬉しい気持ちでいっぱいです。今まで自分の中で重ねてきた音楽の土台もありますので、そういった経験を活かして今回のシングルの収録に望みたいと思います。誰もが気軽に聴けるようなCDになると思いますので、ぜひお手にとっていただけると嬉しいです!
――ありがとうございました!
◆『awake/もう一度』/下田麻美
発売日:2012年6月27日(水)
価格:1,260円(税込)
>>下田麻美5pb.特設サイト
>>あさぽんの小屋