ドラマCD『文豪シリーズ』第1巻「我輩たちは文豪である」が7月27日発売! 鳥海浩輔さん、藤原啓治さん、石田彰さん、遊佐浩二さん、近藤孝行さんからメッセージ!!
芥川龍之介、夏目漱石、泉鏡花、谷崎潤一郎など名だたる文豪達はいったいどんな生活をしていたのかな? と想像したことはありませんか? そんな想像と妄想? をドラマCD化した『文豪シリーズ』の第1巻「我輩たちは文豪である」が7月27日に発売されます。
芥川、夏目、泉、谷崎の4人の文豪達が天界で生活する中で、彼らが巻き起こすおもしろおかしい出来事が描かれています。あの文豪達がもし秋葉原に行ったら? というエピソードもありますよ! なおキャストは芥川役に鳥海浩輔さん、夏目役に藤原啓治さん、泉役に石田彰さん、谷崎役に遊佐浩二さん、彼らの担当編集者役に近藤孝行さん。どんな文豪を演じてくれるのか、楽しみですね!
当サイトでは収録を終えたばかりの鳥海さん、藤原さん、石田さん、遊佐さん、近藤さんにお話をうかがいました。
――まず収録を終えての感想と、文豪ものという企画についてどう思われたか、教えてください。
夏目漱石役・藤原啓治さん(以下、藤原):5月の北海道のラベンダー畑で、澄み切った青空の下、全身を伸ばしたような実に清々しい感じです。文学的に表現してみました(笑)。文豪ものという企画はおもしろいと思います。今回、モチーフになっている文豪はすべて作品を読んだことがある、好きな作家ばかりで、その中でも夏目漱石を演じられたのはうれしかったです。また今回登場する文豪達に敬意を持ちつつ、名声に泥を塗らないように頑張りました。
芥川龍之介役・鳥海浩輔さん(以下、鳥海):6月のあじさい寺にいるような、情緒のある、きれいな心で臨んで、非常に心が洗われるような時間でした。そんな清らかな作品です(笑)。ここ最近、実在する方を演じる機会が増えていますが、来るところまで来たなと。責任を背負うような気分にもなりましたが、芥川さんの名声やイメージが一段上がればいいなと思いながら演じました(笑)。
泉鏡花役・石田彰さん(以下、石田):まるで8月の抜けるような青空と白い入道雲が浮かんでいて、汗ばんでいるけど、日差しが心地よく感じられる、そんな記憶を思い返すような収録でした。(藤原さん「芝居にも出てたよ」)。また聴こえないはずのセミの大合唱が鳴り続けていたのが印象的でした(笑)。(藤原さん「それは病院に行ったほうがいいよ」)文豪と聞くとお硬く感じるけど、いつも皆さんが聴いているドラマCDと同じ展開ですから(笑)。ドタバタコメディになっているので安心して聴いてください。
谷崎潤一郎役・遊佐浩二さん(以下、遊佐):最初にお話を頂いた時は、文豪ものということで、文学に関わるすごいテーマと作品なのかなと。まさか、こういうセリフをたくさん喋るとは(笑)。文壇について熱く語るのかと思いきや、非常に現代的で俗物的なことを力説した気がします。僕が今、疲れているため、気のせいかもしれませんが(笑)。
新人編集者役・近藤孝行さん(以下、近藤):9月の鳥取砂丘のように熱く、自分の芝居に砂をかむような収録でした(笑)。歴史上の偉人と実際に会ったらどんなふうなんだろうと誰でも想像したことがあると思いますが、それが実現できたような素敵な作品だなと思いました。また今回の4人の文豪を担当する編集さんは気苦労も多くて、大変なんだろうなと思ったけど、予想通り、大変でした(笑)。
――ご自身が演じるキャラの印象と、演じる時に心がけたことを教えてください。
藤原:あまり悪乗りし過ぎないようにと考えました。あと漱石は49歳という設定ですが、年齢よりも落ち着いた感じが必要なのかなと。軽くならないように心がけました。
鳥海:芥川は愚直なまでにまじめな男なので、その部分をひたすら追求しようと思いながら演じさせて頂きました。
石田:彼らは文学者であり、知識人階級なので、そんなにおかしな人達としてやらないほうがいいかなとか、リアリティを意識しようかなと思いました。でも、いろいろ考えた結果、泉鏡花の今回の設定とあのビジュアルから想像されるベタな感じに落ち着きましたね(笑)。最初に持った印象はどうであれ、「みんなが求めているのはここだ!」と意識してやりました。
遊佐:今回登場する文豪4人の中で、一番激しいと思います。一人、飛び抜けた感じがして、不安になる一瞬がありました(笑)。激しい口調で長ゼリフを言うシーンは普段、口にするようなセリフではないため、テイクを重ねて苦労しました。
近藤:僕は新人編集者で文豪さん達に振り回される役柄ですが、傍から見ていて皆さんピッタリなキャスティングだなと思いました。僕は漱石がリアルに好きなので、藤原社長に演じて頂いて最高でした。
――ご自身のキャラ的な聴きどころ、印象的なシーンを挙げてください。
藤原:大人で終始、冷静で落ち着いたキャラですが、ところどころでトボけたところがあるのがおもしろいと思います。でもトボけたところを出し過ぎたり、部分的に笑わせようとは考えず、自然におもしろさが出ればいいなと。秋葉原に行ったエピソードでは何気に喜んでいたり、かわいらしさが出ていて、僕も楽しかったし、好きです。
鳥海:全体に流れる雰囲気やキャラ同士のテンポのある会話を楽しんでもらえれば。芥川は女性にモテる設定になっていますが、どうしてモテるのかはよくわかりません。芥川のシーンは、谷崎潤一郎とずっとギャーギャー言い合っているのと、漱石先生を盲目的に敬愛している二本柱だった気がします。まじめな人がまじめに悩むとこうなるというのがおもしろく描かれているのかなと思います。
石田:泉鏡花はほかの3人に比べると穏やかな性格もあってか、キャラがそれほど強烈ではない気がします。奥さんを溺愛していたり、極度の潔癖症だったり、谷崎さんにはなぜか勝てたりと変わったところもあるけど、泉鏡花単体でなく、ほかのキャラとのチームプレーで物語がおもしろくなっているので、他キャラとの対比から生じる、そこはかとないおかしさを聴いて頂けたらと思います。
遊佐:秋葉原にみんなで行くエピソードは僕も秋葉原のことをあまりよく知らないので、しきたりなど勉強になりました。なぜ神田じゃなかったんだろうという疑問もありますけど(笑)。
近藤:僕のキャラは天才に囲まれた凡人で、放り込まれたらこうなるのかなと。編集者が4人ぞれぞれと接するエピソードは、やり取りの中で4人がどんな人間なのか、わかりやすく描かれていると思いました。また今回、史実を元にデフォルメされたり、強調されたりしているので、ここに出てくる文豪さんは実際はどんな人だったのかなと興味が一層湧くと思います。
――ご自身が演じた文豪の作品を読んだことはありますか? また好きな作品は?
藤原:夏目漱石は読んだことがあります。一番好きなのは『こころ』ですね。
鳥海:芥川龍之介は教科書で読んだことがあるくらいで、具体的に何を読んだかは覚えてません。
石田:泉鏡花は読んだことがないです。連動特典CDでは、4人の中では一番知られていないのは谷崎潤一郎だろう、みたいな掛け合いがありましたが、僕は演じながら心の中で「泉鏡花も同じくらいじゃないか」と思ってました(笑)。
遊佐:『春琴抄』や『細雪』など、有名な作品は読んだことはあります。映画化したり、文学作品のアニメで触れる機会もありました。でも作品を知っていたからといって、演じやすかったということはありません(笑)。
近藤:僕は夏目漱石の『坊ちゃん』が一番好きです。時代が変わっても全然色あせず、今読んでも笑えてしまいます。ボリューム的にも厚くなくて、さらっと読めるけど、心に残るものがあって。現代的でおもしろい作品だと思います。
――今作以外で好きな文豪、作家は?
藤原:たくさんい過ぎて困るけど、思い浮かんだのは三島由紀夫かな。あと子供の頃にすごく読めと言われていたトルストイとかドストエフスキーかな。
鳥海:伊坂幸太郎さんの作品はストレスなく、読みやすくていいですね。デビュー作の『オーデュポンの祈り』から読ませて頂いてます。最新作『あの日、君とBoys』も読みました。
石田:思春期に読んでいたのは堀辰雄でした。『風立ちぬ』から入って、あの頃は堀さんの描くあの世界が異国のようで憧れていました。
遊佐:僕は大学で文学部だったのですが、専攻していたのは国語学だったので、あまり文学作品に触れてきておらず、特にこの作家が好きというのはありませんね。
近藤:紫式部と滝沢馬琴、現代だと森見登美彦さんです。森見さんの作品は和のテイストが好きで全部読んでます。
――今後登場してほしい文豪は?
藤原:フランスの文学者のレイモン・ラディゲかな。あとエドガー・アラン・ポーとかもおもしろそう。
鳥海:司馬遼太郎さん。あと『水滸伝』や『封神演義』を書いた人がどんな作家なのか気になるので登場させてほしいです。どうキャラ化するのか、わかりませんけど。
石田:藤原さんがエドガー・アラン・ポーなら、江戸川乱歩で(笑)。
遊佐:三島由紀夫さんですね。今回の谷崎さんより激しければいいです(笑)。
近藤:ウィリアム・シェイクスピアですね。謎多き人物なので。
――発売を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。
藤原:楽しみにしていればいいじゃないか。そのまま楽しみにし続けていたまへ。
鳥海:夏目先生のおっしゃる通りです(笑)。文豪達の楽しい会話を想像しながら発売を楽しみにしていてください。
石田:ぜひ買って聴いてください。そうすれば文豪シリーズも続くと思います。そうすれば団鬼六さんと、マルキ・ド・サドの対談も実現するかも(笑)。今後も文豪シリーズが広がっていくといいなと思っています。
遊佐:今作は皆さんの期待を裏切らない、いや想像を超えるものになっているかもしれません(笑)。僕自身はやるべきことはやり切った気がします。次作も決まっているそうで、このシリーズが好評なら今後も続々と続くのではないかと思います。もし続いたら三島さんの登場を期待してます。
近藤:文豪好きな人にとって、あったらいいなと思っていたけど、ありそうでなかった企画が実現して、楽しい作品になりました。漱石好きの僕もこのCDの発売と、今後もシリーズが続くことを期待してます。
◆ドラマCD『文豪シリーズ』第1巻「我輩たちは文豪である」
発売日:2012年7月27日
価格:2,625円(税込)
発売:フロンティアワークス
★第2巻は10月26日発売予定!
>>ドラマCD『文豪シリーズ』公式サイト