今度は宮野さんが生語り！　公開記念4週連続イベント第三弾「朗読：宮野真守×イラスト：ワカマツカオリ＜伏の森＞スペシャル朗読付き上映」レポート！

　2012年11月10日(土)、東京・テアトル新宿において、映画『伏　鉄砲娘の捕物帳』の公開記念イベント第三弾が行われた。

　今回は、なんと信乃を演じた宮野真守さんによる朗読劇！　原作『伏 贋作・里見八犬伝』より、信乃のひとり語りパート「伏の森」の一部を朗読してくれた。しかも、スクリーンには、イラストレーター・カマツカオリ氏が描き下ろした美麗なイラストが映し出され、花を添えている！　カマツ氏は、原作・桜庭一樹氏が書くアナザーストーリー『伏 もうひとつのプロローグ』で、挿画を担当していることでもお馴染みだ。

　会場には大勢のファンが集まり、宮野さんの朗読、そして宮野さんと宮地昌幸監督とのトークを楽しんでいた。

会場は立ち見が出るほど大盛況！

朗読パートではアニメとは、ちょっと違った世界観を展開！

　ちょっとハードな物悲しい物語で、ラストは会場から大拍手が送られていた。宮地監督も「聴いていて、入り込んでしまいました」と大感動だ。そして、続いてのトークパートでは「信乃と浜路は、映画のお話の後、どうなったのだろうか？」が話題になった。

　これについて宮野さんは「すごく意味深だなと思ったんですね。信乃が会いに来ないで、手紙だけ来るじゃないですか」とコメント。そして宮野さんは、浜路と信乃は、あの後会えないじゃないかと思ったそうだ。

　それに対して、宮地監督は「2人が会える予感はあるけど、そう簡単に、キャッキャとしては会えないと思うんですね。信乃も色々殺生しているしで、おいそれと幸せな暮らしはしちゃいけないんじゃないかって。なんか花火大会の日だけに、あの狗の面を被って、姿を隠して、浜路を遠くから見るとか……。それを浜路も分かっているとか、そういう感じで逢瀬は続くのかな……とは思います」と話してくれた。

　最後の挨拶で宮野さんは「原作だと、カギカッコで区切られているから分かりやすいんですが、朗読では、どの立場で伝えようか悩みました。毛野の台詞でも、語っている信乃自身が色々感じて、毛野ともリンクして様に伝えられればと思い、頑張りました。原作では、他の伏の話も色々展開しているので、これをきっかけに、毛野や雛衣のその後も読んで、確かめてほしいなと思います」とコメント。

　そして宮地監督は「今日、朗読を聞かせてもらって、また信乃や浜路に会いたいなと思いましたね。作品を作り終わった後って、少しずつお客さんのほうにお渡しして、育んでもらうと思うんです。その寂しさも含めて、少しずつ作品を客観的に見られる様になってるのかなって。皆さんもまた、映画の中の信乃と浜路に、会いに来てもらえると嬉しいなと思ってます」と話してくれた。

　こうして、イベント第三弾は、情感たっぷりに終了した。　なお週末に行われていた公開記念イベントも、次の第四弾がラスト！　次の11月18日(日)に開催されるイベント第四弾では、宮地監督、原作者の桜庭氏、映画のビジュアルイメージを担当したokama氏によるSPトークが池袋で開催(※詳細は公式サイト参照)される！　是非とも、こちらもチェックしてほしい！

短い時間であったが、トークも大盛り上がり！

■映画『伏 鉄砲娘の捕物帳』

【キャスト・スタッフ】
浜路／寿美菜子、信乃／宮野真守、冥土／宮本佳那子、道節／小西克幸、船虫／坂本真綾、 凍鶴／水樹奈々、馬加／神谷浩史、家定／野島裕史、
住職／竹中直人、世四郎／劇団ひとり、滝沢馬琴／桂歌丸

原作／桜庭一樹著「伏 贋作・里見八犬伝」（文春文庫刊）
監督／宮地昌幸
脚本／大河内一楼
ビジュアルイメージ／okama
人物設計／橋本誠一
美術監督／吉原俊一郎
美術設計／青木薫
音楽／大島ミチル
主題歌／Chara『蝶々結び』（Ki/oon Music）
アニメーション制作／トムス・エンタテインメント
配給／東京テアトル


>>映画『伏 鉄砲娘の捕物帳』公式サイト
>>桜庭一樹 『伏』｜文藝春秋 特設サイト
>>寿美菜子と宮本佳那子のふせらじ！

［取材＆文・小俣猛］