吉野裕行vs遊佐浩二、王子様対決のゆくえは!? ドラマCD『王子様(笑)シリーズ』Webラジオ「ぷりらじ」公開録音イベントをレポート!
2012年10月14日、東京・イイノホールにて『王子様(笑)シリーズ』Webラジオ「ぷりらじ」の公開録音イベントが開催された。『王子様(笑)シリーズ』とは、おとぎ話をリスペクトしつつ、謎に包まれた王子様の実態を独自の解釈で紡いでいくドラマCDシリーズ。
昨年7月にはシリーズ初のホールイベントが開催されたばかりだが、今回はラジオの公開録音イベントということで、番組のメインパーソナリティである竹本英史さん(従者・弟王子役)、ゲストに吉野裕行さん(「源氏物語」の王子様)、遊佐浩二さん(「白鳥の湖」の王子様)が登場。約2時間のイベントを大いに盛り上げた。
●イベントのはじまりはラジオと同じくドラマパートから!
イベントが始まると、まずは番組でおなじみのドラマパートがスタート。冒頭ではチャラ男な「源氏物語」の王子様が観客に「かわいい子ばっかりいるね!」と話しかけつつナンパ。「「白鳥の湖」の王子様はプリンセス(観客)への想いを語りながらも吐血。そんな天然な2人をまとめつつ進行役として頑張る従者兼弟王子と、それぞれのキャラクターを象徴した自己紹介が行われた。
ドラマが進むなか「せっかく(王子である)おふたりがそろっているんですから、特別なことをお願いしたいんです」と従者が提案。すると「白鳥の湖」の王子様は、「会場のプリンセスたちにジャンケンをしていただいて、勝った人に僕の生吐血ハンカチをプレゼントします」と宣言し、会場の笑いを誘う。それに対し「源氏物語」の王子様は、「たったひとりだけじゃなくて、みんなを楽しませてあげたいじゃん? ということで、会場の姫たちでジャンケンして残った姫をオレがお持ち帰り~♪ 白鳥さんと半々で……」と甘い言葉をささやき、観客からは「お持ち帰りして!」との歓声が上がっていた。
ノリノリでトークをするふたりを止めつつ、従者はリスナーのおたよりをご紹介。これをきっかけに、3人で“連歌”を詠むことに。名句に現代用語をつけくわえた歌に観客は大爆笑していた。そしてドラマはテンポよく進んでいき、2人の王子と従者のドラマが終わると、「王子様」ではなくキャストによるトークパートへ突入!
●「源氏物語」の王子様と「白鳥の湖」の王子様、それぞれの印象とは?
吉野さん、遊佐さんは番組に1回ずつ出演しているということで、遊佐さんは「ラジオに1回しか出てないのに、イベントに呼ばれるとは思いませんでした」。吉野さんは初回配信時に出演したそうで、収録後に「これ大丈夫か? このままでいいのかな? と2人で真剣に話しあった」と、反省会をしたことを竹本さんが明かした。
イベント冒頭のドラマについては、「座って演じるのはきつい」と吉野さん。「いつもは立って演じていて、僕は体を動かしながらつっこんだりしているんです」(竹本さん)、「僕もどちらかというと体が動くんです。今日は抑え目ですけど」(吉野さん)と普段の収録の様子についても話してくれた。また、今回「源氏物語」の王子様と「白鳥の湖」の王子様がドラマ初共演ということで、それぞれのキャラの印象を話しつつも、シリーズ10人目の王子様を演じた遊佐さんは「他のキャラの隙間をぬって、ぬって演じてる」と語っていた。
そんな遊佐さんは、「以前、どの王子と気が合うかという話をしていて、「源氏さんとあう」とスタッフに言われたんですよ。今日会ってみたら、からめねぇ! って思いました(笑)」と正直な気持ちを話してくれた。吉野さんは「白鳥の湖」の王子様をずっと「しらとりさん」と思っていたそうで、「台本読んでて、「今回の人(新キャラクター)はしらとりって言うんだ…何の王子様だろう?」って思ってたんです」と明かしてくれた。
それぞれの暴露トークで盛り上がったところで、リスナーからのおたよりをご紹介。「「源氏物語」の王子様はチャラ男、「白鳥の湖」の王子様はホスト。3人から見て、どちらの王子が女性にモテると思いますか?」という質問が登場。「女性をもてなすという意味ではホストじゃない?」と答えた遊佐さんに対して、竹本さんは反論。「チャラ男の方がモテるんじゃないですか? 軽めにつきあえるし」。すると遊佐さんが少し納得したように「確かに後くされがなさそう」と言うと、それまで黙っていた吉野さんがすかさず「何に対して? それは大人な内容? 夜の営み?」と発言し、会場を沸かせていた。その後、議論を繰り広げていたが、その結果は……ぜひラジオを聴いてみてほしい。
続いては「竹本さんと吉野さんから、新加入した遊佐さんに、作品への心構えや秘密を教えてあげてください。遊佐さんはとんでもない作品に参加してしまった、と思ったことは?」という質問。竹本さんと吉野さんいわく、とくに心構えや秘密はないようで、話はしだいに今後のシリーズ展開についての話に移行し、意外なキャラクターが新しい王子様候補に選定。3人のおもしろトークに、会場は盛り上がっていた。
また、公開録音の最後には、次回のイベント開催について発表。2013年5月19日開催予定で、ゲストには鈴村健一さん、置鮎龍太郎さんほかが参加するという。なお、今回の公開録音の模様は12月4日から配信予定なのでお聴き逃しなく。
●遊佐さんの超ドS発言に観客、大興奮!!
公開録音が終わると、イベント開始前に観客が回答したというアンケートをもとにしたトークコーナーへ。「遊佐さんも吉野さんもテンションが高い役ですが、演じる前に心がけていることはありますか?」という質問には、「頭のなかをからっぽにすること。考えちゃうとできなくなちゃうから」と遊佐さんが答えれば、吉野さんは「口ゆるめな感じ。チャラ男のセリフを言うからね」とコメント。
「もし遊佐さんが家来に雇うならどんな人がいい?」という質問では、「仕事ができること。無茶ぶりにも耐えられる人。例えば僕が「コーヒー飲みたい」って言って、コーヒーを持ってきたらそれを床にこぼした後、「もう1杯、いれてきてくれないかな?」と言ってもコーヒーをいれてくれる人。「こぼしたコーヒーで床が汚れてるよ?」と言ったら、「申し訳ございません。私が悪いんです」って素直に謝る人」と、超ドS発言。
それに対して竹本さんが「素直だと手ごたえないですよね? のれんに腕押しみたいな……」と質問。遊佐さんは楽しげな様子で「何も思わずに僕に従う人は嫌。自尊心はあるからこそ、その屈辱に耐えしのぎながら……というのがいい」と語れば、観客のテンションは最高潮に達したようで、大歓声が上がっていた。
●吉野vs遊佐、王子様対決スタート!
トークで大盛り上がりのなか、続いては「真のプリンスはどっち!? 王子様決定戦」へ。吉野さん、遊佐さんが「王子なら勝ってあたり前」という3つのバトルで対決し、勝者が「真のプリンス」になるという対決だ。
最初の対決は「姫の心は『歌』で読み取れ! 現代語訳対決」。これは、ある和歌の現代語訳の一部が空欄になっており、和歌を見ながらどんな訳が入るのかを想像して回答していくというもの。
第1問目は、「今はただ 想い絶えなむ とばかりを 人づてならで いふよしもなく」=「○○○○○。でも…人づてでなく、自分の口で直接言いたい」というもので、遊佐さんは「今なら分割手数料はタダ! って社長が言ってる」と某社長の口癖を引用し、さらに某社長のものまねを披露し観客を笑わせていた。ちなみに正解は「今となっては、アナタを想うのを諦めます」。
次は「いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る」という和歌。「どうしようもなく、あの方が恋しい時は…」の下の句の訳を回答…とここで、吉野さんは秘密兵器・ipadを取りだして検索をスタート。その結果、「夜の衣を裏返して着て寝ます」(正解:「パジャマを裏返して寝ます」)と答えを導き出して勝利。
最後は「風に散る 花たちばなに 袖しめて 我が思ふ妹が 手枕にせん」=「風に散っていくたちばなの花の香りを袖に移して、○○○○○」というもの。吉野さんはすばやく検索を終えると、「『風に散る花』と言えば、氷川きよし!」と回答。氷川きよしさんの歌が、検索でヒットしたそうだ。
対する遊佐さんは「鎌倉は小町通りがいいよね!」と「手枕」を「鎌倉」と誤訳をして会場の笑いを誘いつつも、文学部出身という遊佐さんは「私が思う女(ひと)がうでまくらにしてねている」とロマンチックな答えを披露。しかし正解は「愛する妻に、腕枕をするとしましょう」とニアミスだった。
●吉野さんの甘いささやきと、遊佐さんの……?
続く「目指せ、ささやき上手! 決め台詞ぴったんこ対決」は、公式サイトで実施した事前アンケートをもとに、あるシチュエーションのなか多数のユーザーが望む答えを、3択のなかから選んで回答するというもの。
最初に吉野さんが答えるのは「電話を切るとき、彼から『おやすみ』の前に言われたい台詞は?」で、3択は「1:明日。起こしてくれない? 2:もう切らないとだよな…。 3:切るなんて無理だ。」。センターに立った吉野さんは、「切るなんて無理だ。これから会いに言ってもいいか?」とアドリブ交じりにかっこよく言うものの、不正解。ユーザーの答えは「1:明日。起こしてくれない?」だったそう。
遊佐さんが回答するのは「朝からどんより気分がぬぐえないとき、彼に言ってもらいたい慰めの台詞は?」で、3択は「1:無理するなよ。 2:頑張ってこい。 3:そんな顔されても困る。」。「難しいなぁ…」と言いつつ、センターに立つと「そんな顔されても困る。笑顔になるまで行かせられないだろ?」とすてきなアドリブを追加したものの、正解は「1:無理するなよ。」だった。
不正解が続くなか吉野さんへの2つ目の問題は「ケンカした彼が部屋にやって、そこで言われたい仲直りの台詞は?」で、3択は「1:ごめん、俺が悪かった。 2:謝られに来てやったんだけど? 3:いいから部屋に入れてよ」。
吉野さんは「ちょっとやりにくいんで、僕が部屋のドアをノックしたら『はーい』って返事してもらっていいですか?」と観客に提案。観客が彼女役になり、スタート。吉野さんは観客の「はーい」という返事を受け、「ごめん、俺が悪かった。お前がいない毎日なんて、想像でも耐えられなかった…」とささやいて見事正解。
遊佐さんへの2つ目の問題は「自分のせいで怒らせた彼に謝ったあと、言ってほしい台詞は?」というもので、選択肢は「1:やっと言えたね。 2:え? なんのこと? 3:へえ、それでイイと思ったの?」の3つ。3番目があまりにも遊佐さんらしい台詞ということで、竹本さんと観客は「3番」を選んでほしいと、一緒になって「3番!!」をコール。
そんな声援を受けた遊佐さんは3番を答えることなく、「やっと言えたね。えらい、えらい。ご褒美に、何してあげようか?」と1番を回答し正解。だが満足しない観客と竹本さん、吉野さんのリクエストに応えて、3番バージョンもやることに。「へえ、それでイイと思ったの? だーめ。許さないよ? ……許してほしいなら、わかってるよね?」とセクシーにささやき、会場をわかせていた。
●フルーツに大満足のあとは、いよいよイベントも終盤へ
最後の対決は「魔女の果実に惑わされるな! 利き高級フルーツ対決」。ステージに登場したフルーツのなか、どれが1,000円以上する高級フルーツなのかを回答するというもの。メロン、なし、りんご、プルーン、ドラゴンフルーツ、ぶどう、柿が登場すると、竹本さんのルール説明を聴きながらも、吉野さんはおもむろに試食を開始。終始試食を続けた吉野さんは、対決が終わる頃には、満足げな表情を浮かべていました。
ちなみに、吉野さんはりんごとぶどうを、遊佐さんは柿となしを選択。吉野さんは全問正解、遊佐さんは全問不正解に終わり、3つの対決の結果、吉野さんが勝者に決定し見事「真のプリンス」の座に輝いた。
番組スタッフから「真のプリンス」の証として王冠を贈られた吉野さんは、「フルーツが非常においしかったです。まさに食欲の秋でした」と感想を述べつつも、「ここまでの長い戦いのなか、後半に入って足が止まってからゴールが遠くて…なんとかしたいなって思いました」と、マラソンランナーのようなコメントで観客を笑わせてくれた。
さまざまなコーナーで楽しませてくれたイベントもついにエンディングに。最後は3人から観客へメッセージが送られた。
吉野さん:このシリーズ、相変わらず心配です。スタッフにしっかりと方向性を示してもらいたいなと思いました(笑)。ドラマCDからラジオに発展し、2回目のイベントが開催されました。僕は2回とも出演していますが、みなさんとこうやってお会いしてシリーズを応援してくださる方が本当にいるんだなと実感しました。今後もラジオを聴いていただいて、シリーズのノリを理解していただけるとうれしいです。
遊佐さん:思いのままにやらせていただいて楽しかったです。イベントに出演する王子は、2人までが限界だと思いました。たくさんそろえちゃうと大変なことになります(笑)。今回はいい勉強になったと思います。今後も続いて行く『王子様(笑)シリーズ』、これからも応援してください。またイベントに呼んでいただけるとうれしいです。
竹本さん:今回も従者、そしてパーソナリティとしてやらせていただきましたが、僕は従者がしっくりくるなぁと思って、心地よくやらせていただきました。楽しい時間を過ごせたこと、ありがたいなと思います。
本シリーズはドラマCD/デートCD、ラジオ、イベントとさまざまな展開でファンを楽しませてくれている。次回のイベントは2013年5月とまだ先だが、CDやラジオなどでシリーズを復習する時間はたっぷりとある。他の作品とはまったく違う「おとぎ話の王子様(笑)」の魅力を、ぜひ感じてみてほしい。