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新曲“リスタート”に込めた思いをKOTOKOに迫る

スマホ向け恋愛ゲーム『恋愛リプレイ』OP&ED歌うKOTOKOさんにインタビュー

 アジアの歌姫・KOTOKOが、iPhone / Android用恋愛ゲーム『恋愛リプレイ』 のオープニングテーマ&エンディングテーマをパッケージしたシングル『リスタート』をリリースする。OP『リスタート』は爽やかなラブソングで、ED『Largo』はノスタルジックなウィンター・バラード。2曲ともKOTOKO自身が作詞・作曲を担当した意欲作である。

 初のアジアツアーを経て、より「音楽で世界をつなげていきたい」という想いが強くなったという彼女。どんな気持ちでシングルの制作に向かっていったのか──東京に滞在していたKOTOKOに直撃した。

●「いい日本語を紡いで、海外のみなさんにもわかっていただくのが使命」

――2012年も終わりに近づいてきましたが、KOTOKOさんにとってどんな1年になりましたか?

KOTOKOさん(以下、KOTOKO):毎年「あっという間だったな」って思うんですけど、今年はあっという間っていう感覚とは逆に「長かったな」って感覚もあって。1個1個の出来事が濃くて、出会いもたくさんあった年だったので、今年前半のアジアツアーがもう1年以上前のことのように感じています(笑)。

 また、私が最初に関わったアニメ作品『おねがい☆ティーチャー』が10周年を迎えて、それを記念してファンクラブのみんなとアニメの舞台へ一緒に出掛けられたのはすごく大きい出来事でした(10/5~10/07『KOTOKO LIVE IN SHINAGAWA from おねてぃ&おねツイ10周年記念☆KOTOKOと行こう!聖地巡礼ツアー』)。感謝の気持ちでいっぱいですね。

──初のアジアツアー“KOTOKO ASIA TOUR 2012”で特に印象深かった場所はありましたか?

KOTOKO:全部印象的だったんですけど……特に中国は印象的でしたね。正直言ってしまうと不安があったんですね。時期も時期でしたし、受け入れてもらえるのかなって。でも「せっかく呼んでくれたし頑張ろう!」と思って挑戦のつもりで行ってみたら、ものすっごく歓迎してくれて、ファンのかたが空港にまで来てくれて。大スターにでもなった気分でした(笑)。スタッフさんもすごく良い方で、ライヴも盛り上がって……本当にうれしかったですね。

 東南アジアも印象的でした。特にマレーシアのアニメフェス『Anime Festival Asia Malaysia 2012』が楽しかったです。東南アジアって危ない場所のイメージが強いかたもいるかもしれないんですけど、そんなことはなくて。気を付けていれば問題はないですし、南国のかたって陽気で明るいかたが多くて、ついつい私まで笑顔になってしまいました(笑)。あんなに日本人アーティストが一堂に集まることは初めてのことだったらしくて、ライヴも大盛況でしたね(KOTOKOのほかに、See☆A、FLOWなども出演)。

──海外で得たものが作詞・作曲の意欲にもつながりました?

KOTOKO:そうですね。より音楽で世界をつなげたいという想いが強くなりました。……とは言え、私は日本語の歌詞しか書けないので日本語にはなってしまいますけど、海外のみなさんがアニメやゲームの音楽で日本語を学んでくれていることを知って。それってすごくないですか? その勉強家っぷりに感動してしまいました。だからわたしはいい日本語を紡いで、海外のみなさんにもわかっていただくのが使命なのかなと思ったんです。日本語発音の面白さ、メロディに乗ったときの言葉の転がり方……それを伝えていく役目を担っていかなきゃいけないのかなって思っています。



●「この曲が誰かの支えになったらいいなって」

──『恋愛リプレイ』のオープニング・ナンバー『リスタート』はいつ制作したんでしょうか?

KOTOKO:アジアツアーがひと段落したときに作りました。ちょうど夏ですね。(『恋愛リプレイ』の)お話をいただいたときにすぐ曲のイメージが沸いたんですよ。だからコンセプトはすごく早い段階で決定してたんです。実は3パターンくらいデモがあったんですけど、わたしのイチ押しはこの曲だったのでいい感じで決まっていきました。

(c)bushiroad All Rights Reserved. Developed by IMPACT

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──『リスタート』はエネルギッシュなサビが印象的なラブソングですが、KOTOKOさんの中ではどういうイメージだったんですか?

KOTOKO:Aメロ、Bメロがすっごく切なくて、サビではエネルギッシュに……みたいな流の曲を作りたくて。イメージはしっかりできていたので作りやすかったです。まずはリズムトラックをつけて、メロディをつけて、イメージを固めて、最後にキラキラさせて……みたいな感じでトラックを作りました。

──へぇ、メロディではなく、リズムから作っていくんですか?

KOTOKO:ハイ。イメージから入るときっていつもこんな感じで作っていくんですが、私はリズムで雰囲気を作っちゃうタイプなんです(笑)。ほかのかたの曲でもそうなんですけど、ドラムの流れやリズムパターンでドラマを感じちゃうんですよ(笑)。淡々としていたのにいきなりドラマティックになっていったり……っていう変化が大好きなので、わたしもついついそういう構築をしてしまうんですが……柔らかく歌うところとエネルギッシュに歌う部分の高低差がある構成にしてしまったので、テンション感をとるのが難しいんですよ。だからレコーディングは難しかったです(笑)。

 レコーディングではほかにも難しい部分があって。例えば最初のAメロなんかは、自分で作った段階ではもうちょっとコード感があったんですね。でもアレンジの段階で編曲の(井内)舞ちゃんがメロウな感じにするためにあえてコード感をなくして、よりメロウな雰囲気にしてくれたんですが、歌としての難易度は高くなって(笑)。そもそもキーの設定が難しかったんですよ。「もうちょっと低いほうがいいのかな」「でも下げないほうが気持ちいいし」っていうギリギリのラインでこの音程にしたんですけど、最終的に自分の実力とのせめぎあいになってしまって……自分で作ったのに(笑)。だからこの曲をどうやって表現していくかというのはすごく考えました。

 ……とは言え、レコーディングでは冷静に歌えるから良いんですけどね。やっぱりライヴだと難しくて。先日横浜アリーナで行われたイベント「ANIMAX MUSIX 2012」で初めて披露したんですけど、バンドを背負って柔らかいテンションの部分を歌うっていうのが大変で。あとは鍛練あるのみだなって思っています(苦笑)。

──でもその分育てがいもありそうですね。

KOTOKO:そうですね。レコーディングとは違う場所で歌うことで曲自体が育っていくんです。だから歌っていくうちに“生で歌う『リスタート』”の良さが出てくると思うんですけど、まだいまは生まれたてなのでバンビのように震えて立っているところなんじゃないかなと(笑)。

──(笑)歌詞に関してはどうでしょう? サビの<廻る日々に付箋つけ/たぶん見つけたリスタート>という冒頭のサビが2番で<過ぎ去るときにリボンつけ/それでも選ぶリスタート>に変化するのがKOTOKOさんならではだなと。リボンをつけるって表現が良いですよね。

KOTOKO:ありがとうございます~(笑)。時間は過ぎていって、過去になって、捨て去られるモノかもしれないけど、大事なモノとしてリボンをつけていつまでも愛してあげられたらなって。そういう気持ちを込めて書きました。

──すっごくステキな考えかたですね。歌詞のなかに出てくる<大丈夫>という言葉にも救われました。

KOTOKO:そうなんですよ~(笑)。これはもう、自分の言われたい言葉を入れてるんです。隣にそういう風に言ってくれるかたがいればいいですけど、それぞれみんな必死ですから、そういうときに歌があると心強いのかなって。

 そういう意味では、私はいろいろな人への応援歌が歌える立場にあるので、この曲がだれかの支えになればいいなって思っているんです。……そんな風に言うと大きなことになってしまいますけど、それが歌い手にとっての使命なのかなって思っています。

──ところでさきほど3パターンの曲を作られていたとおっしゃっていましたが、ほかはどんな曲だったんですか?

KOTOKO:実はC/Wの『Largo』は3番目のデモだったんです。最初の段階で「オープニングはバラードがいいんじゃないか」って話と「バラードはエンディングにとっておいたほうがいいんじゃないか」みたいな話があったので「どっちでもいいですよ」って意味でテンポのある曲2曲とバラード1曲を出したんですよ。

──そのバラードが『Largo』だったんですね。ノスタルジックな雰囲気の『Largo』はまるで女の子の日記のような歌詞が印象的です。

KOTOKO:『リスタート』が「恋愛リプレイ」の大筋のストーリーを描いた曲だったので、もう少し女の子の等身大の気持ちに寄り添える曲が欲しいなと最初に思ったんですね。女の子の独り言みたいな感じというか……隣に彼がいるみたいな距離感のなかでの物語を描きたくて。冒頭の“あのね…” って言葉がすぐに浮かんだので、好きなひとに話しかけるような展開の曲にしたかったんです。最初のイメージがそのまま曲になっていきました。

──『Largo』はキラキラとした雰囲気のあるウィンター・ソングですが、歌詞のなかにも“銀杏”(秋~冬)という季節感のあるワードが出てきてますね。

KOTOKO:その空気感は狙ったところで。秋から冬にかけての人恋しさってたまらないじゃないですか。だから本当は切なくてキライなんですよ(笑)。でも大好きなひとがいたらそんな季節もきっと好きになれたりするのかなって。……そうであって欲しいなと思ったんです。例えば、寒い時期に彼のセーターの裾を引っ張ったりする感じとか……憧れるんですよね(笑)。そういう光景を見ていると心があったまるというか、すっごくかわいらしいじゃないですか。……ま、私はそういう経験ができてないので妄想なんですけどね(苦笑)。

──ああ、その雰囲気良いですね! でもこの妄想ってまさに恋愛ゲームをしているときに胸がキュンとなる感覚に近いというか……。

KOTOKO:まさにそうなんです(笑)。しかも自分ができなかったことがこの『恋愛リプレイ』でできるっていう。それってすごく良いことだと思うんですよ。『リスタート』もそうなんですけど、やれなかったことやできなかったことをただ後悔するんじゃなくて、次にチャンスが訪れたらやりたかったことをやれたら良いんじゃないかなって思うんです。

 再スタートってみんな躊躇することですし、勇気のいることなんですけど、きっと……“それで良いんだよ”“大丈夫だよ”って言ってもらいたいんだと思うんです。私もそうですから。だから私が“いいんだよ”ってみんなに言ってあげたいなって気持ちが、このシングルには込められています。いつでもやりなおせるし、いつでもチャレンジできるんだよって伝えたいんです。

──KOTOKOさんの前向きな人柄が表れたシングルですね。ジャケットもKOTOKOさんの素が出ているような……。

KOTOKO:いや~……普段はこんなに落ち着いていないですよ(笑)。今回のジャケットは、今まででいちばん力の抜けたナチュラルな雰囲気になっていて。『リスタート』の世界観に寄せて「お部屋で彼氏のメールを待ってる」みたいなイメージで撮ったんですけど、実はこの原案を出させてもらったのは私で。こういう柔らかい雰囲気の写真にも挑戦したいなって思っていたんです。光が射しているのがポイントなんですけど、撮影当日はすっごく曇ってたんですよ(笑)。

 だからすごく焦っていたんですけど、“晴れ女”が復活したのか、メイクが終わったら真夏のような暑さになって。……逆に大変になっちゃったという……(笑)。でもお天気を味方につけられたことは嬉しかったですね。一時期、ファンのかたに「もう晴れ女って言うな!」って怒られるくらい晴れる確率が低かったんですけど、これで返上です(笑)。

──アハハハ(笑)。では、来年はどんな年にしたいですか?

KOTOKO:毎年「大人になること」って言ってるんです(笑)。まだまだ成長は必要だなと感じているので、日々勉強だなぁ……と思っているんですが、具体的なところでいうとアルバムを出したいですね。前作はいろいろな方と絡んで作ることができたのでそういう実験的なことも入れたいんですが、原点回帰じゃないんですけど自分の作詞・作曲の楽曲を増やしたいなって。

 海外ツアーも続けたいんですが、国内を回る機会を減らしたくないので、もっと国内でライヴができたらなって思ってます。またファンクラブの企画イベントも開催したいですしね。……やりたいことが多すぎて1年じゃ足りなさそうです(笑)。



◆『リスタート』/KOTOKO
iPhone / Android用恋愛ゲーム『恋愛リプレイ』OPテーマ &EDテーマ

発売日:2012年12月19日(水)
価格:1,260円(税込)

【収録内容】
01. リスタート
★iPhone / Android用恋愛ゲーム『恋愛リプレイ』 オープニングテーマ

02. Largo
★iPhone / Android用恋愛ゲーム『恋愛リプレイ』エンディングテーマ

03. リスタート (instrumental)

04. Largo (instrumental)


>>KOTOKO Official web site Mutant Dwarf
>>『恋愛リプレイ』公式サイト

[インタビュー&文・逆井マリ]

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