『まど☆マギ』ファンコンサート開催! 練習風景レポ&インタビュー

交響楽団「ワルプルギスの夜」による『魔法少女まどか☆マギカ』オーケストラ・コンサートが4月6日に開催! その練習風景をインタビューとともにレポート!

 今から2ヶ月後となる2013年4月6日(土)、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』(以下、『まどか☆マギカ』)の楽曲を演奏するオーケストラ・コンサートが、東京・八王子のいちょうホールで開催される。

 演奏を行うのは、『まどか☆マギカ』ファンによって結成されたオーケストラ、交響楽団「ワルプルギスの夜」。指揮には、ゲーム音楽などの演奏で知られる「リトルジャックオーケストラ」の常任指揮者を務める志村健一さん、コンサートミストレスには、アーティストのMIZさんを迎えてのフル・オーケストラコンサートが実施される。

 本イベントは、いわゆる“公式”のイベントではなく、『まどか☆マギカ』ファンの有志が集まることで実現した、二次創作イベントだ。現在は、各種権利関係の許諾を受けた“公認”の二次創作活動として、各所で話題となっている。

 営利目的ではないため、公演における入場料などが無いのも、大きな特徴だ。同公式サイトでは「この音楽イベントは興行ではなく『お客様』はいません。演奏者もスタッフも来場者も、『参加方法こそ異なりますが、この音楽イベントの一般の参加者』という認識をお持ちいただきたく存じます。」とのアナウンスが掲載されており、その意欲のほどが伺える。

 今回は、そんな「ワルプルギスの夜」の練習風景を取材する機会をいただけた。最後には、本公演に関するインタビューも掲載しているので、興味がある人はそちらもチェックしてみよう。

■ 楽しみながらクオリティを磨いていく、「ファンイベント」ならではの練習風景をレポート!

 練習会場にはフル・オーケストラの楽器がズラリと並び、その最前列に指揮を執る志村健一さんが立つ。

 最初に演奏を聴いた際は、アマチュア楽団とは思えない迫力に圧倒され「もう完成しているのか!」と感じられてしまった。しかし、そこに志村さんが指示を加えると、絵に新たな陰影が描き込まれるかのように、音楽がさらに鮮やかに変化する。

 筆者が練習現場にいたのはほんの1時間程度ではあったが、その短い時間にも、トライ&エラーは何度も何度も繰り返されていた。その場で変化が分かるほどのスピードで音楽が洗練されていく様子はあまりに新鮮で、クチをポカーンとあけて聴き入ってしまった。

 しかし、『まどか☆マギカ』ファンによるイベントというだけあって、現場には緊張した様子はほとんどなく、一旦演奏が終われば軽く雑談が入るほどに、演奏者たちは打ち解けていたようだ。そんな、作品や音楽を「真剣に楽しむ」という姿勢が、楽曲のクオリティを生み出しているのかもしれない。

■ 契約者達による『まどか☆マギカ』の祭典「ワルプルギスの夜」の裏側に迫る!

ここからは、練習終了後に実施した、本公演に関するインタビューを掲載する。運営のイベントに関する裏話や、公演の見どころなどについて、交響楽団「ワルプルギスの夜」(以下、「ワル響」)運営チームのオザキさんとホルン奏者兼事務局長のうなぽさんに語っていただいた。


中央:コンサートミストレスのMIZさん、写真左:事務局長のうなぽさん、写真右:運営チームのオザキさん

中央:コンサートミストレスのMIZさん、写真左:事務局長のうなぽさん、写真右:運営チームのオザキさん

――最初に、交響楽団「ワルプルギスの夜」に関する紹介をお願いします。

ワル響:私達「ワルプルギスの夜」は、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の音楽が大好きなファンが集まったオーケストラです。ファンが高じて「自分たちの手で演奏したい!」という気持ちから生まれた集団ですね。言ってみれば企画モノで、呼びかけに応じてくれた方々が、現在は大体100人ほどおります。

――100人とは、かなりの大所帯ですね。……全員が演奏するのですか?

ワル響:いえ、演奏者が約80人と裏方の約20名合わせた人数になります。かなり大きな集まりになったので、設営などの準備に回るスタッフにも、色々と協力してもらっていますよ。

――このコンサートの存在は、各所でかなり話題になっていますね。ここまで話が広まるとは、予想されていましたか?

ワル響:いえ、さすがにこれほどに大きな規模になるとは、最初は思いもしませんでした。それだけ『まどか☆マギカ』や、梶原さん(『まどか☆マギカ』の音楽制作を担当した、梶浦由記さん)の音楽を愛する人がこんなに多いんだ、ということを改めて実感しましたね。

――楽団の名前「ワルプルギスの夜」は、どのような理由で付けられたのですか?

ワル響:「ワルプルギスの夜」は、『まどか☆マギカ』に登場する最強の魔女の名前ですよね。ですが、その元ネタはドイツの伝承にある「4月最後の夜に行われる魔女の集会」なんですよ。契約を済ませた我々演奏者とスタッフが4月に集まるということで、名前を決定しました。残念ながら2013年4月30日は平日で、コンサートを開催するには不向きのため4月6日としました。

――なるほど。確かに演奏者とスタッフは全員契約を済ませていますからね!(公式サイトを参照)

ワル響:はい(笑)。つまりは「ワルプルギスの夜」だ、ということです。ちょっと「お祭り」感があるイベントになればと。

■ ひとことのつぶやきから始まった、交響楽団「ワルプルギスの夜」

――では続けて、このコンサートに関する話が立ち上がった経緯について教えて下さい。

ワル響:この集まりには「主宰者」がおりまして、その方がツイッター上で「『まどか☆マギカ』の音楽をフル・オーケストラで演奏できたら、それはとってもうれしいなって……」と、何気なくつぶやいたのが、すべての始まりでした。

――ツイッターからスタートした企画だったんですね。

ワル響:そうなんですよ。事務局長のうなぽがそれに反応し、話を進めていくうちに人が増えて話が大きくなって……。と、そんな具合に話が流れて、現在の形になりました。主宰者を含む最初5人が、現在「運営」という立場で場を回しています。

――今回指揮を担当されている志村健一さんも、ゲーム関連のオーケストラ楽団に携わられていますよね。やはり、志村さんやコンサートミストレスのMIZさんも、そういったコミュニティの中から参加された方なのですか?

ワル響:そうですね。やはり『まどか☆マギカ』の音楽が好きで始めたイベントですので、指揮者やコンサートミストレスも、作品への理解が深い方にお願いしています。

――となると、志村さんやMIZさんは『まどか☆マギカ』をご存知だったと?

ワル響:志村さんにご相談した際は「知ってるし観てるし、しっかりと全部わかるよ!」と、かなり愛のある反応をいただきました(笑)。コンサートミストレスのMIZさんも、もちろん『まどか☆マギカ』をご存知でした。

――ツイッターのつぶやきが、ここまで巨大な集団とイベントに発展するとは……。凄まじい熱意を感じます。どういった方々がイベントに参加されているのですか?

ワル響:演奏者側では、ゲームやアニメの音楽を演奏するアマチュア団体のコミュニティやゲーム・アニメ好きの音大生、ニコニコ動画の「演奏してみた」に関わる方などを中心に、色々な方面の方々にご協力をいただいています。

――こう大規模になってしまうと、下準備の期間も短くは済みませんね。どの程度の時期から、話を始めていたのですか?

ワル響:この企画が話題に上ったのが一昨年(2011年)の11月ごろで、本格的に権利関係などの許諾を得るために動き出したのは、去年(2012年)の1月ごろになります。許諾の手続き等は3月~4月ごろで、その際に「非営利であれば問題は無い」という結論になり、現在に至ります。

――非営利といえば、「ワルプルギスの夜」は二次創作イベントとしては珍しいほどに、権利関係に対して誠実に対応しているという印象があります。

ワル響:活動するにあたっての前提条件が作品への「リスペクトと愛」なので、イベントを実行するにあたって誰かが迷惑を被るような状況は、絶対にあってはいけない、と考えています。なので、特に権利関係のご相談に関しては、しっかりと行なっていますよ。……実際、告知物にも一切キャラクターものなどは使用していませんし。

――あっ、気が付きませんでした。確かに、ホームページのどこを見てもキャラクターがいない!

ワル響:ホームページや広告は、『まどか☆マギカ』らしいイメージで「らしく」見えるように作っています(笑)。

――公式サイトには「お客さん」という立場は存在しない、といった表記がありましたね。その意図はどこにあるのですか?

ワル響:我々はアマチュアですから、好きで演奏をしています。なので、演奏する側も聴く人も、一緒になって楽しんで欲しいなと思いまして。ニュアンスとしては「ファンの音楽交流イベント」として参加していただければと考えています。

――実際に練習を聴いてみたら、「アマチュア」なんて印象はまったく感じませんでしたが(笑)。

ワル響:いえいえ、まだまだ演奏は荒削りでミスも多いです。作品も好きですが、同じように音楽も好きな人が集まっているので、クオリティーアップに対しても真剣に取り組んでいます。ぜひ、期待していただければと!

■ 楽譜まで完全手作り! 「クラシック」にこだわったアレンジの妙を堪能あれ

――参加者の皆さんは、やはり会社員の方が多いようですが。練習のスケジュールなどはどのように調整しているのですか?

ワル響:平日は仕事をしていて、休日に練習をする、といった方が多く参加しています。都内の方が多いのですが、中には関西や北陸方面から高速バスなどを利用して来ている方も居ますよ。最も遠い場所からの参加者は外国からで、長期滞在ビザを取得して参加しています。

――では、楽譜はどのようにして手に入れたのですか?

ワル響:ブルーレイの特典に、サウンドトラックが付いてくるじゃないですか。それを耳コピ(耳で聞いて曲を楽譜に起こすこと)して、さらにオーケストラ用に編曲しています。その作業だけでも約1年ほどの期間をかけました。

――まさか楽譜まで完全に手作りとは、恐れいりました……。

ワル響:ちなみに、『まどか☆マギカ』の音楽は、必ずしもメロディがはっきりした楽曲ばかりではなく、効果音やエレキギターやコーラスが交じるものも少なくないので、編曲者が頭を捻って色々なアレンジを加えています。

――コーラス部分なしで、その『まどか☆マギカ』らしい楽曲にアレンジするのは、かなり難しそうです。アレンジによる変更点は、やはり聴きどころですね。

ワル響:公演では、あえて「オーケストラの楽器の生演奏のみ」という縛りを加えています。合唱なしで、いかに『まどか☆マギカ』の楽曲を表現するか……。そこに注目して聴いていただきたいですね。

――そんな楽曲が15曲も聴けてしまうと……。なんだか今から公演が楽しみになって来ました(笑)。

ワル響:ちなみに、現在公式サイトで発表しているセットリストには、明確に原曲の曲名を表記していません。何の楽曲が演奏されるかは、同日のお楽しみということで、そういった楽しみ方も用意していますよ。

――では最後に、『まどか☆マギカ』ファンの皆様へのメッセージをお願いします。

ワル響:当日は10時から先着順で整理券を配布しますので、本公演を聴きたい方は10時前に会場へとお越しいただければと思います。『まどか☆マギカ』の音楽を、みんなで楽しみましょう!

≪DATA≫
『魔法少女まどか☆マギカ』楽曲コンサート『ワルプルギスの夜の夢』
・ 主催 : 交響楽団「ワルプルギスの夜」 (指揮:志村健一、コンサートミストレス:MIZ)
・ 日時 : 2013年4月6日(土)17:00 開場、17:30 開演。(終演予定20:00)
・ 場所 : いちょうホール (八王子市芸術文化会館)大ホール
:参加費 : 入場無料、全席自由 (10時より先着順で整理券を配布)

>>交響楽団「ワルプルギスの夜」
>>公式Twitter(交響楽団「ワルプルギスの夜」広報 @walkyou_PR)

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